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奇跡の物語「僕のワンダフル・ジャーニー」が映画化

奇跡の物語「僕のワンダフル・ジャーニー」が映画化【ブックナビ】


映画公開に合わせた文庫版の表紙も一新

映画「僕のワンダフル・ジャーニー」が今月13日に公開されます。映画をもっと楽しく観るために、また、映画を観た後で、その感動をより長く味わうために、ぜひ、原作を読んでみてはいかがでしょう。

「僕のワンダフル・ジャーニー」 (新潮社刊、W・ブルース・キャメロン著、青木多香子訳)は映画にもなった「野良犬トビ―の愛すべき転生」の続編です。前作で登場した飼い主の孫娘との感動物語なので、基本的なストーリー構成はよく似ています。

前作同様、リアルな犬の魅力たっぷりで、犬を飼っている人は、「そうそう、犬はこういう思考でこういうことをするものよね」と納得できる場面がたくさんあります。

ただし、今回は少女と犬なので、別れの場面が前作よりもちょっとだけセンチメンタルで心に響きます。少女を守りたいと健気に働く犬が切ないのですが、そこは米国作家らしく、悲壮感あふれるシーンもカラッとしているのはさすがです。翻訳も前作同様、素晴らしいので、あまりひっかからずに読み通すことができるでしょう。

特に犬が人を思いやるシーンには心を揺さぶられます。犬って、どうしてこんなに健気で一生懸命な生き物なのでしょう。人が犬と暮らせる幸せを、たっぷり味わうことができます。


カバーをめくると出てくる表紙も可愛い

小説では少女とその親に、読者がどれだけ共感を持って入り込めるかという点がポイントになりそうです。日本では子供を育てる母親は、血が繋がっていてもそうでなくても、立派で尊敬すべき存在です。最近でこそ「毒親」という言葉も出てきましたが、特殊な例で、あまり一般的ではありません。作品における母子関係に、どうしても引っかかってしまいます。

この母子関係さえクリアできれば、この本は面白く感動的です。米国のペット事情についても詳しく知ることができます。癌探知犬など最新の使役犬事情から、米国のシェルターについても教えてくれました。

特にシェルターで日常的に安楽死処分が行われている点には驚かされました。収容数がいっぱいになると、安楽死処分されてしまうのです。「うちはノーキル・シェルターじゃないから」というセリフがとびだして、胸が痛みます。

すべての愛犬家は自分の愛犬が亡くなった後、もう一度会いたいと願います。もし犬が転生してもう一度、私の元に来てくれたら、こんな素晴らしい奇跡はありません。本を読むとやっぱりうちの子が最高だと誰もが思うはず。ぜひ原作を読んで、犬と暮らす幸せを、改めて思い出してみてください。

文/柿川鮎子

「犬の名医さん100人データーブック」(小学館刊)、「犬にまたたび猫に骨」(講談社刊)、「動物病院119番」(文藝春秋社刊)など。作家、東京都動物愛護推進委員

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