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犬は「自然破壊者」になり得るのか。

犬は「自然破壊者」になり得るのか。

地球上には幾多の命があり、人間であっても、犬であっても、生きる環境はそれぞれだ。

犬は自然破壊者になり得るのか。

あり余るお金に囲まれ、生活の不自由さを感じない人もいれば、マッチ売りの少女の如く、その日一日を生きることが精いっぱいの人もいる。

犬にしてみても溢れるほどの愛情を受け、大切にされている犬もいる一方で、誰からも目を向けられない犬もいる。そして、中には、絶滅危惧種に影響を与え、生物多様性にとっては脅威であるとされる犬たちもいるようだ。


Photo by Prasoon Raj on Unsplash 

人に飼われている犬が、昼間はのんびりテラスや庭で昼寝をし、夕方になれば飼い主に連れられて近所の公園へ散歩に行く、とは限らない。人に飼われていても、満足な食糧を得ることはできず、自分の力で食べ物を得る必要があり、半ば半野性的な状態で暮らしている犬たちがいる。

こと自然豊かな土地で、貧しい暮らしを余儀なくされている人たちが飼う犬は、繋がれたり、ケージに入れられたりすることが少なく、自由に動ける分、パック(群れ)をつくることもあることは想像に難しくないだろう。

そうした犬たちが自然保護区や国立公園などに入り込み、絶滅が危惧される生き物を獲物にする。そのために、生物体系への影響を危惧する意見があるのだ。


Photo by Evan Clark on Unsplash 

オーストラリアおよびニュージーランドに拠点を置く研究チームによると、捕食者となって野生の動物に大きな影響を与え得るのは、猫、げっ歯類に続き、3番目が(上記のような)犬で、次に豚だそう(*1, 2)。

そして、犬が関連すると思われる絶滅危惧種は少なくとも11種、その他188種の野生生物に対しても、その可能性はあり得るという(*1)。

そうした危惧種が多いのは、東南アジアや中央アメリカ、南アメリカの国々。次いで、日本も含めたその他アジアとなっている(*3)。

参考までに、日本の環境省のレッドリストによると、絶滅危惧種として植物も入れて3,676種ある中で、哺乳類に関しては33種がリストアップされている(環境省レッドリスト2019掲載種数表より)。

ブラジルもそのような国の一つであるが、ある地域においては、自然保護区と思われる場所でレア(南米に生息する大型の鳥)を追い駆け回す犬の姿が撮影されており、野生動物を研究するための設置カメラにも度々犬の姿が映るようだ。中には100頭以上の犬がいると思われる公園もあり、数を安定させるために放った希少動物も犬の餌食になることがあるらしい(*4)。


Photo by Lauren Kay on Unsplash 

ここまで書くと犬がまるで悪者のように感じるかもしれないが、彼らに罪はない。彼らは単に犬として生きているのだから。しかし、犬が野生動物に影響を与えるものがあるとすれば、獲物として捕獲することの他に、病気を持ち込むことや、生息地内における他の動物との競争相手にもなる、などが考えられ、それはどうにかしなければならない。

とは言いつつ、飼い主の経済事情や社会事情、文化の違いなどもあって、グローバルな視野で取り組まないとならないようである。自然多き地を開発すれば、自ずと人間に付いて犬も入ってくる、ということを考えれば、経済やら、もっと他方面からのアプローチも必要なのかもしれない。

その一方で、希少動物を研究するために、その動物の居場所や棲息状況を探るのに使われているのも犬である。人間同様、犬たちの生活環境もなんとも複雑なものだ。

*写真はイメージです。

参考資料:

(*1)The bark side : domestic dogs threaten endangered species worldwide (May 2, 2017) / Dr Al Glen, Dr Abi Vanak / THE CONVERSATION https://theconversation.com/the-bark-side-domestic-dogs-threaten-endangered-species-worldwide-76782

(*2)Invasive predators and global biodiversity loss / Tim S. Doherty et al. / PNAS October 4, 2016 113 (40) 11261-11265; first published September 16, 2016 Doi: https://doi.org/10.1073/pnas.1602480113

(*3)The global impacts of domestic dogs on threatened vertebrates / Tim S. Doherty et al. / Biological Conservation 210:56-59 · June 2017, Doi: 10.1016/j.biocon.2017.04.007 via ResearchGate

(*4)The dog is one of the world’s most destructive mammals. Brazil proves it (Aug. 20) / The Washington Post

文/犬塚 凛(犬もの文筆家)

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