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犬が動物病院を怖がる背景には何があるのか。

犬が動物病院を怖がる背景には何があるのか。

動物病院が嫌い、行くのを嫌がるという犬は多い。

アデレード大学(オーストラリア)が7月に発表した調査結果によると、動物病院での診察時に、家庭犬の41%が軽度~中程度の怖がる様子を見せ、14%の犬ではそれが重度~極端であるという(*1)。つまり、半数以上の55%にあたる犬が動物病院を嫌がっているということ。


Photo by Adam Muise on Unsplash

この調査では、犬の行動分析に度々使用されるC-BARQというオンラインアンケートシステムを用いて、犬の飼い主から2万6,555件の回答を得ることができ、犬が動物病院を怖がる背景には何があるのか、素因になり得るものとの関連性を分析している。

その結果が少しばかりおもしろい。

ちなみに、犬が示す不安・恐怖には、「目をそらす」「不安・怖いと思う対象を避けようとする」「しっぽを下げる、または股の間に入れる」「座りこむ」「萎縮する」「鳴き声をあげる」「体が固まる」「震える」、より強度のものでは、「不安・怖いと思う対象から逃げたり、隠れようとしたりする」などが含まれる。

さて、その結果はというと…。

A:犬種グループで比較

動物病院での怖がり度には犬種グループによっても少々差が見られたそうで、もっとも怖がる傾向にある犬は以下のとおり。

(注:犬種グループ分けはAustralian National Kennel Council、またはAmerican Kennel Club に則っている)

  1. トイ犬種(チワワ、パピヨン、ポメラニアンなどが含まれるグループ)
  2. ミックス犬
  3. ハウンド犬種(ビーグル、アフガン・ハウンドなどが含まれるグループ)

そして、もっとも怖がらない犬は、

  1. ユーティリティ犬種(秋田犬、バーニーズ・マウンテン・ドッグなどが含まれるグループ)
  2. ガンドッグ犬種(イングリッシュ・セッター、ゴールデン・レトリーバーなどが含まれるグループ)

この調査では、併せて「不慣れな環境・状況下での不安・恐怖」や「触られることへの不安・恐怖」についても調べており、不慣れな状況で怖がり度が高いのは以下の犬種グループであった。

  1. ミックス犬
  2. ハウンド犬種
  3. ワーキング犬種(ボーダー・コリー、ジャーマン・シェパード・ドッグなどが含まれるグループ)
  4. トイ犬種

同状況で怖がり度が低いのは、

  1. テリア犬種(ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、フォックス・テリアなどが含まれるグループ)
  2. ガンドッグ犬種

そして、触られることへの怖がり度が高いのは以下のグループとなっている。

  1. トイ犬種
  2. ミックス犬種
  3. ハウンド犬種

逆に触られることへの恐怖がもっとも低いのは次の2グループであった。

  1. ガンドッグ犬種
  2. ユーティリティ犬種

これらを見る限りでは、ガンドッグ犬種はおおむね落ち着いている犬が多いということなのだろうか。

B:犬の体重で比較

これは予想がつくように、大型犬(体重22kg以上)と小型犬を比較した場合、大型犬のほうが動物病院での怖がり度は低い。

C:犬の役割や仕事で比較

動物病院の診察時における怖がり度を、犬の役割や仕事で比較した場合、怖がり度が低いのは、「繁殖に使われている犬」「ショードッグ」「働く犬」だそうだ。それらの犬に比べて怖がり度がやや高くなるのが、「スポーツドッグ」「フィールドトライアルや猟に使われている犬」で、もっとも怖がり度が高いのは「一般の家庭犬」。

D:犬の"出身“で比較

次に、犬がどこから来たかを視点にして比較すると、動物病院でもあまり怖がらない傾向にあるのは、「ブリーダーから来た犬」「自分で繁殖して育てた犬(という意味だと思われる)」だそうで、「友人や知人から譲り受けた犬」「ペットショップで購入した犬」は怖がり度がもっとも高いとなっている。

E:同居犬の有無、同居犬の年齢で比較

また、一頭飼いの犬は動物病院での怖がり度がもっとも高く、同居犬がいると怖がり度は低くなっている。

中でも、その犬に加え、「年上の犬+年下の犬+同じ年の犬」の組み合わせでは、もっとも怖がり度が低い。この組み合わせでは、触られることへの恐怖ももっとも低くなっている。次いで、「年下の犬+同じ年の犬」「年上の犬+年下の犬」の組み合わせ。つまり、3頭以上の犬を飼っているケースにあたる。

一方、不慣れな環境・状況下での怖がり度は、一頭飼いの犬よりも、「年上の犬+同じ年の犬」「年上の犬」と同居している犬のほうが怖がり度は高いようだ。

F:飼い主の犬の飼育歴で比較

最後に、飼い主が犬を飼った経験があるかどうかで見ると、他の比較項目に比べてそれほど大きな関連性はないものの、それでも飼育が初めての人が飼う犬は、すでに飼育経験のある人が飼う犬に比べて動物病院の診察時や触られることへの怖がり度は高くなっている。

以上の結果を見ると、社会化や犬同士のつきあいも含め、犬にしろ、人にしろ、経験というものは不安や恐怖に対して大きく作用するのであろう。しかし、注意したいのは、これらの結果が必ずしもどんな犬にあてはまるわけではないということ。研究者もさらに細かい調査が必要だと言っているとおり、いろいろな条件によって変化し得るのは言うまでもない。

さて、みなさんの愛犬は動物病院が嫌い? それとも平気?

参考資料:

*1:Edwards PT, Hazel SJ, Browne M, Serpell JA, McArthur ML, Smith BP (2019) Investigating risk factors that predict a dog’s fear during veterinary consultations. PLoS ONE 14(7): e0215416. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0215416

*2:T’S COMMON FOR DOGS TO BE SCARED OF GOING TO THE VET (Aug.27,2019) / THE UNIVERSITY OF ADELAIDE 

文/犬塚 凛(犬もの文筆家)

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