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ペットの安楽死。決断する前に最善を尽くしたかよく考えるべき

ペットの安楽死。決断する前に最善を尽くしたかよく考えるべき

人間は後悔の連続で人生を形成しているのだと、以前知人の僧侶に説教を受けたことがあります。即断即決をしても、熟慮に熟慮を重ねて導き出した結論だとしても、それについて100%悔いを残さない選択というのは、なかなか少ないのが現実のようです。

ましてや、ペットと暮らす者にとっては、後悔は必ず、どんな関係性を築いていても生まれるものです。言葉を交わせないパートナーのもしもの事態に対して、常に万全のケアを施せるかと言われれば、自信がないという方も多いんじゃないでしょうか。

筆者もそうです。はっきり言って、自信がありません。

さて、「もう助からないかも」という状況にペットが陥ってしまったとき、安楽死という選択がありますが、これについては本当に、気が狂うほど悩み通す羽目になってしまいます。

今回は、もしペットの安楽死が頭をよぎる状況に直面したとして、そこで飼い主が考えておくべきことについて、ちょっと紹介していきたいと思います……。

安楽死は選択肢としてアリ。ただし最後の手段…

誰にとっても、いつ自分の最愛のペットが重篤な状態にならないとも言い切れないもの。たとえば散歩中の事故や、屋外飼育をしていたことで命にかかわるような感染症にかかるというケースは、以前から全国各地で発生しています。

それこそ、今この瞬間にも起きている悲劇です。

こういった場合、動物病院に連れて行っても回復の見込みが薄いということも実際あります。

そしてそれを聞かされることで、獣医さんに安楽死を求める飼い主さんもいますよね。時には獣医さん側から、遠まわしに安楽死を提案することもあります。

これについてはケースバイケースなので善悪で区別することは難しいものですが、とにかく安楽死という選択があって、それを選ぶ必要が、ときに飼い主さんに迫られることもあるというわけです。

ただし、しばしばすぐに安楽死をお願いする飼い主さんもいます。

たとえば今後の手術費用や治療費、診療にかかるお金が莫大で、ペット保険にも入っていなかった矢先の悲劇という場合、経済的にどうしても面倒を見きれなくなる場合もあるでしょう。

あるいは、苦しんでいる姿を見て、少しでも早く楽にしてあげたいと思うこともありますよね。

どちらの場合も、筆者としては「安楽死もやむなし」との考えに賛同できる部分はあるところです。でもやっぱり心のどこかでは、『もう少しだけ一緒に頑張ってみませんか?』と思うことはあります。

安楽死を選んだことで後悔しきりの人生を歩む羽目になったHさん

以前、ペットの安楽死を選択した方の話を伺ったことがあります。

仮にこの方をHさんとしておきましょう。

Hさんは、数年来の献身的な介護を続けていた長期療養中の愛犬の容態がいよいよというところに差し掛かった際に、ふと「安楽死」という文字が頭に浮かんできたと言います。

できることなら、最後まで面倒を見たかったHさんでしたが、数年に渡る介護の疲れと、金銭的な切迫もあり、メンタルも限界に近かったそうです。

獣医さんには、「このままの介護と治療を続けていれば、ワンちゃんも大往生するまでは長生きしてくれますよ」と話していましたが、Hさんはそれを聞いたとき、少しだけ目の前が暗くなりました。

愛犬のことは大好き。だからこれまで一緒に頑張ってきた。でも、今後も何年続くか分からない今の状況を思うと、どうしようもなくなったわけですね。

「安楽死を、お願いしたいのですが」

その場で、震えるような声で獣医さんに伝えました。

Hさんは結局、愛犬が息を引き取る場面には立ち会えなかったとのことでした。ただ、亡骸を前にしたときに、とてつもない後悔が体中を支配したような感覚になり、それは未だに抜けきれていないと話しています。

安楽死は選択肢として考慮すべきですが、しかしここまで追い詰められた状況で愛犬のお世話をしていたHさんですら、いざ安楽死を選ぶと心がボロボロになるということだけは、おぼえておくべきではないでしょうか。

おわりに

どんな状況であっても、ペットを最後まで見捨てないで飼育できるのは飼い主だけです。安楽死という決断そのものは、筆者は否定しないつもりです。

ただ、動物病院に命に別状のない動物を連れてきては、「この子を安楽死させて」と押し付ける飼い主さんもしばしばいます。

まだできることがいっぱいあるうちに、飼い主さんが諦めたり、折れてしまってはあまりにもペットが不憫です。実際、まだ長生きできるのに安楽死を選択されるなんて、ペットにしても色々と不本意でしょう。

そうした、見捨てられてしまったペットを引き取って何年も一緒にいる方も何人か知っています。

何度も書きますが、安楽死は選択肢としてアリですが、あくまでも最後の手段と考えておきたいですね。

これは今後もしも筆者が、Hさんのような境遇になったとしても、頭に入れておきたいポイントと考えているところです。
綺麗ごとかもしれませんけど……。

文/松本ミゾレ

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