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飼い主が亡くなった翌朝に一緒に旅立った愛犬の話

飼い主が亡くなった翌朝に一緒に旅立った愛犬の話

ペットと一緒に暮らしていると、しばしば不思議な出来事に遭遇することがあります。

筆者が子供の頃、祖母にねだって屋台で100円のひよこを買ってもらったのですが、ひよこと言ってもその可愛らしい姿でいる時間はほんの一瞬。

すぐに立派な雄鶏に成長したので、庭先に鶏小屋を作ってもらい、そこで飼育していました。

ひよこの頃から育てていたため、小屋から出してもずっと後ろを付いてくるほど懐いていたのですが、あるときその小屋を施錠し忘れてしまい、鶏が庭に出てしまいました。

すると、近所の野良猫が目ざとくそれを発見してしまい、鶏と野良猫の追いかけっことなりました。

筆者は慌てて外に飛び出して救助に向かったのですが間に合わず、鶏は山の中に逃げてしまい、猫もそれを追う形で姿を消してしまいました。

そしてそれきり、行方知れずのまま……かと思えばさにあらず。

意気消沈して家にもどると、何故か庭の鶏小屋に戻っている鶏。しかも小屋はしっかりと施錠されています。

家族に尋ねても「最初から小屋にいた」の一点張り。まさか自力で戻ってきて、自分で施錠するわけもなく。野良猫が連れ戻して施錠してくれるはずもなく。

あれほど意味の分からない出来事は、以来経験していません。

とまあ、筆者が経験した話はただ不思議というだけなのですが、世の中には不思議かつ感動する話もあります。

そのうちの一つを紹介いたしましょう。

最愛の飼い主に旅立たれた老犬が…

これは先日たまたま聞いた話なのですが、知り合いのお母さまが昨年の夏頃に老衰で亡くなったそうです。

いわゆる大往生で、これ以上ない良い最期。

お通夜でも故人の生前の思い出話で盛り上がり、あまり悲しい雰囲気は感じられなかったのだとか。

さて、このお通夜の晩に、駆けつけた親族たちの胸を打つ光景があったのです。
亡くなったお母さまは大変な愛犬家で、若い頃から色んな犬種を育てていたという話ですが、最後のパートナーとなったのは、ラブラドールレトリバーでした。
この犬はその当時既に老犬で、飼い主とともにゆっくりゆっくり散歩をするのが日課だったそうです。

その老犬が、ご遺体を寝かせている布団から離れず、故人にずっと寄り添っていたのでした。
親族の間でも「一緒にいたいんだね、そのままにしておいてあげようか」という話になったのは当然の配慮でしょう。

結局そのまま消灯の時間となり、ろうそくの火の見張りをする役目を担った親族の一人を残して、みんなは翌日早くからの葬儀に備えて寝入ってしまいました。

飼い主と一緒に天国に…「友引」に見せた不思議な偶然

そして翌朝。

相変わらず故人に寄り添うようにしてうずくまっていた老犬に大して、「そろそろお母さんに棺に入ってもらうからね」と親族たちが声をかけたのですが、そのとき既に老犬は息をしていなかったのです。

ずっとろうそくの番をしていた親族曰く、「夜明け前にはまだ起きていて、時折こっちを見ながらあくびをしていた」とのことでしたが、いつの間にか亡くなっていたのでした。

犬も犬で高齢だったので、たまたまだとは思うのですが、この事態に親族一同は驚いたり「一緒に天国に行きたかったのかねぇ」と同情するなどの対応を見せたようです。

ちなみに、葬儀当日は友引。

友引に葬儀を執り行うと、故人が親しい友人を連れて行ってしまうという風習がありますが、これも諸説あるようで。

たとえば日暮れから明け方にかけては吉兆と捉える向きもあり、今回のケースの場合、故人を守るように傍から離れなかった老犬が息を引き取ったのは、恐らく明け方。

とすれば、不吉な話ではなく、むしろ飼い主のお供をするように一緒に旅立ったと考えることもできるでしょう(あくまでも地域によって考え方は異なりますが)。

もっとも、「こっちにも葬儀が必要だ!ペットの葬儀社に連絡して!」とてんやわんやになり、親族たちは焦ったそうですが。

おわりに

実は似たような話って、意外とネットを検索してみると出てくることがあるんですよね。

仲良しの兄弟犬が同じ日に老衰で亡くなったり、今回紹介したケースに似た事例を、犬ではなく猫が担ったり。

長い間飼い主と過ごしてきたペットというものは、名実ともに家族です。

言葉では説明がつかないような繋がりがあって、その結びつきが強まれば強まるほど、最期の日だって近しくなるのかもしれませんね。

文/松本ミゾレ

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