2019-01-21 ピンが帰ってきた【ピンがいた日々】 ピンがいた日々山田美保子 ピンが帰ってきた【ピンがいた日々】 私のパソコンとの付き合い方は、9割がた、各誌の連載やテレビ番組の構成台本やナレーション原稿。さらに、60才過ぎてもある“宿題”(番組の企画やテーマ、キャスティング案など)提出のためのもの。 いわゆる“ネットサーフィン”もしなければ、“ネットショッピング”というのも、ほとんどしません。 その代わり、夫は朝、起きればすぐにリビングでノートパソコンに向かい、ネットニュースをチェックしたり、趣味のモノをオークションで落としたりすることに躍起になっています。 そんな折、夫が、亡きペットのぬいぐるみを制作している女性のサイトを見つけてきました。 実は、それまでにも何軒かチェックしていたようで、「うん、この人がいちばんいいと思う」と決めてきたのです。 私は知らなかったのですが、ピンの毛を数本、小さな袋に入れて保管していた夫。「この毛を縫い込んでもらおう」「ねぇ、どんな格好にする?」と前のめりです。 自分が思い描いていたよりも、ずっと若くして旅立ったピン。発作を起こして20分ほどで最後の息を終えたピンについて、獣医さんが「ステージⅤ」と私に告げても尚、「治る」と思っていたバカな飼い主の私は、ピンに似せたぬいぐるみを注文するなんていう発想に、まだならなかったのです。 「どうせなら、剥製にしたかった」……、もうピンは火葬してしまったのに、叶わない駄々を夫の前でこねたりもしていた日々。 悲しかったり淋しかったりするのは夫も同じハズだったのに、夫は、ペットのぬいぐるみ制作のサイトを検索し続けていたのです。 私のため…だったようです。 ピンの姿が見えなくなって、妹犬のココが、ピンの首輪をしたスヌーピーのぬいぐるみにずっと寄り添っていたことは全回、書かせていただきました。 そんなココと、ピンについて話し合うことも、ココを抱いてバルコニーに出て、空にピンに語りかけることも、私にとっては“ピンと共に居る時間”に変わりはありませんでした。 そして、ピンの遺影に毎朝、「ありがとう」ということも……。 子供の頃から動物が苦手で、犬も一度も飼ったことがなく、植物も枯らせてしまうことばかりだった、いわゆる“サボテン女”だった私。 10年にわたる不妊治療も結果にならず、私の犬嫌いを知らず、夫が沖縄のブリーダーさんに注文し、我が家にやってきたのがピンでした。 ピンと暮らしたのは、11年と4カ月。その間、ピンから学んだこと、ピンを通じて知り合った人たち、そして犬たち。どんな大型犬と街ですれ違っても、フツーにしていられる自分というのは、もっとも信じられないことです。 さらには、『エンジン01文化戦略会議』の「動物愛護委員会」のメンバーとして活動している自分というのも、ピンを迎える前の自分からは、全く考えられないことでした。 そして、「次は保護犬」と、動物愛護団体さんに連絡をとる自分というのも、昔の私には、想像もつかないことでした。 もう一つ。私はピンと出会ってから、「片づけられ“る”女」になりました。ピンが最後から数えて2回目に入院していたとき、私は、ピンが寝たきりになったときのため、リビングの大掃除をし、万が一のときのために、祭壇になるような家具を新調していたのです。 そんな祭壇にあるピンの遺影に手を合わせるようになってから約3か月、ピンが帰ってきました。 背中に「ただいま」というカードを付けて……。その日のことは、いまも決して忘れることはできません。 文/山田美保子 Profile 山田美保子 放送作家・コラムニスト 1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストに。「踊る!さんま御殿!!」『情報ライブ ミヤネ屋』『バイキング』『1周回って知らない話』などテレビ番組の構成のほか、雑誌、新聞、WEBに連載多数。人気番組「情報ライブミヤネ屋」のコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務めている。 \ この記事をみんなにシェアしよう! / この記事をみんなにシェアしよう! ボディケア用品からお菓子まで!猫好きな彼女や妻に喜ばれるホワイトデーギフト4選 (3.3) 愛犬がまさかの“犬嫌い”…その原因はどこにあるのか? (3.1) 亡くなったペットは死後も近くにいるの?夢に出たり、ときには帰ってくることも… (2.26) 猫の辞書に「よく噛んで食べる」という文言は無い! (2.26) 注目のグッズ 犬猫どっち派?村松誠の「2021年版 犬猫カレンダー」 ドラえもんに大変身!犬猫用『ドラえもん コスチューム』 ボディケア用品からお菓子まで!猫好きな彼女や妻に喜ばれるホワイトデーギフト4選 【猫クイズ】短足・小型・巻き毛が特徴の「ラムキン」ってどんな猫種? 愛犬がまさかの“犬嫌い”…その原因はどこにあるのか? ぼくたちは猫を育てているのではない。猫に育てられているのだ。 \ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! / PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! Facebook にいいね!する Twitter をフォローする Instagram をフォローする Pinterest をフォローする