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犬が“嫌がっている”サイン、子どもはどのくらい読み取れている?

犬が“嫌がっている”サイン、子どもはどのくらい読み取れている?

犬が出すストレスサインを始めとしたボディランゲージについては、あちらこちらで取り上げられるようにはなったが、子どもの場合、どの程度理解できているのだろうか?

特に犬が嫌がっている時や警戒している時のサインを理解することは、犬と人、どちらにとっても重要で、無用なストレスを避けるのはもちろん、咬傷事故を未然に防ぐことにもつながる。子どもの場合は、よりその重要性が増すことは考えるまでもない。

イギリスでは2005年から10年間で咬傷事故が増えているそうだが、そうしたバックグラウンドもあってのことだろう、リンカーン大学(イギリス)とゲント大学(ベルギー)の研究チームは、3歳児・4歳児・5歳児・親の4グループに分けて、犬が示すサインをそれぞれどの程度理解できているかを調べ、その結果を報告している(*1)。

この調査では単に調べただけではなく、「実は犬にとってはこういう意味なんですよ」ということも教え、それが半年後、1年後にも学んだこととして記憶が維持できているかも調べているのがポイントだ。

調査をするにあたっては大きく4段階を設け、最初に、犬がリラックスしている状態から、「あくび」や「鼻を舐める」といった軽いストレスを示す状態、唸って本気で咬んできそうな状態まで、犬の様子を映したビデオを見せ、参加した子どもや親たちに、その犬は「とてもハッピー」なのか、「ハッピー」か、または「普通」「不快・怒っている」「とても不快・とても怒っている」なのか評価をしてもらう。

2段階目では、実はこの犬はこういう状態なので、そっとしておいてあげるのがいいとか、近寄らないほうがいいなどの情報を与え、再度ビデオを見せて、犬の状態を評価してもらう。

3段階目は半年後に、4段階目では1年後にまたビデオを見て、同様に評価をしてもらった(親の場合は2段階目まで)。

研究者がそれぞれの回答を分析するにあたり、犬が示すサインを「①緊張を和らげるサイン」「②何かを避けようとするサイン」「③徐々にエスカレートしていくサイン(おそらく徐々に怒るという意味か?)」の3ランクに分けているのだが、1段階目のテストにおいて、③の場合、4歳児では55%、5歳児では64%が正解なのに対して、3歳児では53%が間違えており、かつ、このうち66%は「犬がハッピー」だと思っているという結果に。

また、大人であっても17%が間違えており、16%は同様に「犬がハッピー」だと答えていた(*1)。

「実は犬にとってはこういう意味なんですよ」ということを教えてもらった後はさすがに正解率がアップしているものの、3歳児ではそれほどには上がらないのに加え、①にあたる「あくびをする」「鼻を舐める」というような一般的なストレスサインの場合は、大人では理解できるが、子どもには判断しづらいようである。

では、1年後にはどうかというと、理解度はおおむね維持できており、特に③の犬が示す危険度の高いサインに対しての認識度が高まったようだ。

その他、幼児ならではの回答として、体を固めてじっとこちらを見る犬には「こっちを見ているからきっとボク(アタシ)のことが好きなんだ」とか、うずくまってしっぽを股の間に隠している犬では「悲しそうだからワンちゃんを抱き締めてあげないと」、あくびをする犬では「ワンちゃんが疲れている」、物陰に隠れている犬だと「隠れんぼをしたがってる」などがあり(*1)、もし、その犬と子どもだけだったらと考えると少々ドキッとしてしまう。

これらの報告を見て、あることを思い出した。それは、動物を擬人化して子どもに伝えるのはあまり好ましくないのでは?とする意見もあるということ。

犬と暮らすことで子どもは多くのものを得ることができる一方、咬傷事故の可能性もつきまとうことは先にも述べたとおりで、そうした中、少なくともこの調査では、幼児であっても犬のボディランゲージの認識を高めることができるのであれば、幼い頃から犬が示すサインを教えておくというのはアリなのかもしれない。お互いの理解を深め、よりよくつきあえるためにも、そして、望まない事故を避けるためにも。

まぁ、その前に親が犬のボディランゲージを勉強しておかないと、ということではあるけれど。

参考資料:

(*1)Meints K, Brelsford V and De Keuster T (2018) / Teaching Children and Parents to Understand Dog Signaling / Front. Vet. Sci. 5:257. doi: 10.3389/fvets.2018.00257

文/犬塚 凛

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