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今さらだけど、人はなぜ動物と暮らしたがるのか?

素朴な疑問。人はなぜ動物と暮らしたがるのか?

近年、日本では猫を飼育する人が増えているが、アメリカでは依然として犬の人気が高いようである。

アメリカ獣医師会(AVMA)が行っているペット飼育に関する最新の調査(*1)では、全米の約38%の世帯で1頭もしくはそれ以上の犬が飼育されており、1982年からの調査中、もっとも高い割合であるという。ちなみに、猫は約25%。

犬猫以外のいわゆる“エキゾチックアニマル”というくくりに入れられているウサギやフェレット、ハムスター、魚などの飼育率は13%を超えるくらいだが、以前と比べて飼育率は上昇しているとか。

そう言えば、つい最近、アメリカのペットシッター業は犬猫のみでなく、エキゾチックアニマルの世話を求められることも増えており、対応する動物の範囲が広くなってきているというニュースがあったばかりだ。

州別に見てみると、都会というより農村や自然の多い州のほうがペット飼育率は高い傾向にあるそうで、トップはワイオミング州の72%。次いでウェストバージニア州が71%であり、ネブラスカ州、バーモント州、アイダホ州は同率で70%となっている。

ペット飼育率がもっとも低いのはロードアイランド州の45%で、ニューヨーク州やコネチカット州は50%にとどまっている。

日本の場合は、逆に田舎というより都心部に近いほうがペット飼育率は高いような印象を受けるのだが、いかがなものだろう。

ちなみに、2016年のものにはなるが、一般社団法人ペットフード協会が行った全国犬猫飼育実態調査によると、犬の飼育率は14.2%、猫9.9%、魚類11%、小鳥1.8%、ウサギ0.9%、フェレット0.1%となっていた。

最近では猛禽類カフェも登場するなど、エキゾチックアニマルに興味をもつ人が以前より増えているように思えるのはアメリカと同じだろう。

ここでいつも筆者の中にある問いがまた頭をもたげる。人はなぜ動物を飼いたがるのだろう? なぜ動物と接したいと思うのだろう?

人間にはもともと本能としてそういうものが備わっているというが、加えて、別の記事でもお伝えしたように、社会的孤立度は日本人がもっとも高いそうなので、日本の場合、その足りない何かを埋めるために動物を近くに感じたくなるという部分もあるのかもしれない。

そうした中で、現状抱える問題を少しでも改善すべく、ペットを取り巻く環境は大きく揺れ動いているが、出っ張りを凹ませようとすれば、他の部分に歪みが出るかの如く、新たな問題も浮上してきている。

たとえば、「殺処分“ゼロ”」という言葉が独り歩きをし、処分数は実際減少しているものの、一方で保護団体・グループの中には過剰な数を受け入れ、運営が破綻するところも出てきている。過剰頭数になれば世話の手も足りなくなることから、最終的には不適切飼育と見なされ、行政としては指導せざるを得なくなる場合も。しかしながら、保護団体の活動の成果を考えると、それもしづらくなるというジレンマも生じる。

また、世間では保護団体系がなにかと取り上げられることが多いが、自治体は自治体なりに努力しているところがあっても、保護団体に丸投げをしているのではないかとか、やむなく安楽殺をしたケースがあってもゼロではないことなどに対してクレームが寄せられることもある。職員さんがその対処に時間を取られれば、肝心な保護をしている犬猫たちの世話をする時間が奪われる、保健所であるなら基本は人間の健康を扱っているだけに、他の業務に滞りが出るということにもなり、頭の痛いことになってしまう。

そして、高齢者がペットを飼うことには健康面や精神面でも利点があると言われる一方で、犬猫の引取りを希望、またはその相談をするケースでは飼い主が高齢者である場合が増えているという。そうした観点からも保護犬を譲渡する際に年齢制限を設けている保護団体や自治体もあるが、一部には譲渡してもらえないので、代わりにペットショップで犬猫を買う高齢者もいると聞く。

そのペットショップで売られている犬猫の価格は以前と比較して高くなる傾向にあり、中にはこれまでにはなかったような高値で販売しているところもある。繁殖業に対するより厳しい規制を求める声が強まる中で、近年、ブリーダーの数は減少しているそうだが、それがすなわち純血種の数が減少し、結果的に高値に結び付いているということなのか。だとするなら、それは当初より予測できたことではあるが。

将来的に純血種はお金に余裕のある人しか飼えないとなったら、それこそ本末転倒ではないだろうか。もっとも、筆者はペットをお金でやり取りすることには違和感を覚える一人であり、その種を保存することの意義は理解しつつも、どんな犬も同じ犬であると思っているし、“条件が許す限り”どんな人にもペットと暮らす権利はあるとも考えている。

このように歪んだボールのような状態の今のペット環境を少しでも丸くするために、今もっとも必要とされているのは飼い主(ペットを占有している人)としての意識向上、飼い主リテラシーである。

それはこれからペットを飼いたい人も、すでに飼っている人も、繁殖業者も販売業者もみな同じ。長くなるので細かいことはここでは割愛するが、どうして動物を飼いたいのか? その明確な答えは出せずとも、どうしたら自分とその動物にとってベストなのかを、それぞれ自分の立場で考えることはできるはずだ。

かく言う筆者は、もう動物と暮らすことはないだろうと思っている。なぜなら、いろいろな意味でその環境にないから。それが、犬は大好きなれど、筆者の選択である。

だから、代わりにこうして書き続けている。こと犬は【人間の最良の友】と言われる。それなら、人も彼らにとって最良の友でいてあげないと。そうなれるようにと願いを込めて。

参考資料:

(*1)Pet ownership is on the rise / AVMA, Pet Ownership and Demographics Sourcebook, November 19, 2018

文/犬塚 凛

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