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はじめての喪主【ピンがいた日々】

はじめての喪主【ピンがいた日々】

伊丹十三監督の『お葬式』ではありませんが、初めて出すお葬式は、知らないことばかりで『大蔵動物霊園』の自動ドアが開いてからは、かなり右往左往してしまいました。

まずは、料金表を見ながら、お葬式の“ランク”を決定。同時に係の方にピンの遺影を渡したり、それを入れる写真立てのサイズやデザインを決めたり、棺に入れられるモノ、入れられないモノについての注意を聞いたり……。

まず遺影は、以前、読売新聞のペット欄で取材していただいたとき、カメラマンさんの御厚意でプリントしてもらったものを使わせていただきました。

ピンは我が家の“はじめての犬”でしたから、写真はたっぷりありましたが、捜してみると意外とアップの写真がない! その点、読売新聞のカメラマンさんが撮ってくださった写真は、ナナメ上を見上げた大アップで、しかも、大きなサイズにプリントしていただいていたので最適でした。

お花はタップリ持って行ったほうがいいということも知りました。幸い、『犬の佳族』さんにお別れをしにいったとき、犬のお葬式には似つかわしくない、大きな大きな花束をちょうだいしたんです。

この花束のお蔭で、ピンの棺をたくさんのお花でいっぱいにすることができました。

色々なモノを入れてあげようと、ピンが長年愛用していたブランケットや、齧ってしまってボロボロになりながらも大好きだったぬいぐるみ、おもちゃ、トリーツ、冬用の洋服…などなど、たくさん持参したのですが、係の方の指導で大半は持ち帰ってきました。

あとはピンへの感謝の手紙。考えてみれば、ピンは文字は読めないけれど、11年間の想いをたっぷり書かせていただきました。

お葬式は、小さなお部屋ながら、人のそれと差異がないスタイルと内容で、お経もあげていただき、短い説法も聞きました。

そこから、大雨が降りしきるなか、隣接されている火葬場へ。数十分で、ピンは骨になりました。

夫と共に骨を拾い、骨壺に入れ、白いカバーをかけていただき、戒名ではありませんが、「山田犬愛犬ピン之霊魂」と筆で書いていただいた札を手に、帰宅しました。

夫はずっと泣いていました。どうしてなんでしょうね。私のほうがピンと長い時間一緒にいたし、仲良しだったし、最期の1年2カ月、何十回も行った病院でもずっと一緒でした。なのに夫のほうが号泣。傍であまりに泣いている人がいると、泣けないものですね。

いえ、それだけではありません。ピンは闘病中、本当に本当に頑張ってくれていたので、私はどこかで、ゆっくり休めて良かったね…と思っていたし、自分自身、そのピンを支えてきたという想いがあったので、悔いがなかったのかもしれません。

しかし夫は、「もっと優しくすればよかった」「あのとき、あんなに叱らなければよかった」「ピンは俺のこと嫌いだったかな?」などと言いながら、ずっとずっと泣いていました。

それから何日か経ったとき、夫が「すごいよ、これ見て!」と、お葬式の日、ケータイカメラで撮ったたくさんの写真の中から一枚を指さしたのです。

「良かった。ピンちゃん、ちゃんと一緒にクルマに乗って動物霊園まで行ったんだね」「ピンはちゃんと虹の橋を渡って行ったんだね」とコーフン気味の夫。

見ると、クルマの後ろに載せていたピンの遺体の奥に、確かにピンの顔が見えるではありませんか。何かに反射しているとか、別の何かが映っているとかではなく、それはピンの顔でした。

私は霊感などが全くなくて、心霊写真の類にも疑うことが多かったのですが、この写真だけはピンの霊だと信じています。

そういえばピンはクルマに乗るのが大好きでした。最期、ピンが乗った車は、ピンと旅行するために初めて買ったSUV車でした。

「ピンちゃんはホントに最期まで賢かったね」夫と私はピンが亡くなってから初めて抱き合って号泣したのです。

文/山田美保子

Profile
山田美保子 放送作家・コラムニスト

1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストに。「踊る!さんま御殿!!」『情報ライブ ミヤネ屋』『バイキング』『1周回って知らない話』などテレビ番組の構成のほか、雑誌、新聞、WEBに連載多数。人気番組「情報ライブミヤネ屋」のコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務めている。

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