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【獣医師監修】ペットだけでなく、すべての命を大切にするということ

ペットだけでなく、すべての命を大切にするということ【兵藤哲夫の徒然日記】

テレビであるタレントさんが「人脈」という言葉が嫌いだという話をしているのを聞きました。チラッと聞いただけなので、正確ではないかもしれませんが、「人脈」という言葉を使う人は、人のことを金儲けの道具として見ている気がする、というような内容でした。人脈があるとか、人脈が豊富だという言葉を得意げに言う人は、人と知り合いになると、自分が得をしたり、お金が儲かるという考えをもっている人だ、という様な話をしていて、なるほどなぁと思いました。

私にもそうした、苦手な言葉があります。海で獲れる食用の魚などを水産資源といいますが、私は生き物を「資源」という言葉で一括りにする表現が苦手です。大学でも「海の資源」のような学部名にするところもありますが、「生命」という一語で良いのになぁと思います。資源という表現では生き物の命の重みや尊さが、感じられなくなってしまうのです。

水産資源というと、日本の捕鯨猟が国際問題となっていますが、古来、日本人は鯨食のみならず鯨について、その大きさと、もたらされる豊饒な恵みに畏怖に近い思いを抱いてきました。日本全国の沿岸部にある鯨塚や鯨の魂を鎮撫するために建てられた鯨神社はその象徴でしょう。「鯨に捨てるところ無し」といいますが単に蛋白質を補給するだけでなく、鯨から過分な恵みを頂くことに感謝する心を受け継いできたのです。

そうした文化や風習を知らない海外の人々にとっては、「鯨神社なんて、未開の国の野蛮なアミニズム」としか映らないかもしれませんが、日本は自然を愛し無益な殺生を禁じた優しい民族でした。江戸時代の川柳には「楊貴妃は綺麗な顔で豚を食い」と、肉食を揶揄するものもあります。ケモノを口にすることはケガレとして極力避け、魚や鳥を食べていました。“魚へん”が付くクジラは魚と認識していたのでしょう。ウサギも鳥とみなして、今でも一羽二羽と数えます。

先日、ある講演会で、犬種に関してある先生が、日本人は犬を改良しなかった国民だという話をしていました。外国では鳥の猟のために鳥猟犬を作るなど、犬に改良を加えて犬種をつくってきましたが、日本人はそうした犬の改良をしなかった、珍しい国民なのだとか。人の利益のために、犬の命に手を加えなかったというのは、誇れる話ではありませんか。

鉱物やエネルギーは資源と呼べますが、魚も命ある生き物です。命あるものは「資源」ではないような気がします。言葉の好き嫌いでしかありませんが、新聞や雑誌などで見つけるたびに、命の大切さに頑なな自分を見つけるのでした。


兵藤動物病院 兵藤哲夫
麻布大学獣医学科卒業後、1963年横浜市にて兵藤動物病院を開設。ヒョウドウアニマルケア代表として公益社団法人日本動物福祉協会理事、横浜市獣医師会理事などを歴任。TBSラジオこども電話相談室の回答者などをつとめた。

文・編集/柿川鮎子

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