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【獣医師監修】猫は生活の仕方によって呼び名が変わる?

猫は生活の仕方によって呼び名が変わる?【兵藤哲夫の徒然日記】

猫は生活の仕方によって三つの呼び方があります。みなさんの家でペットとして飼育されているのは「飼い猫」です。特定の飼主のいない猫は「野良猫」と呼びます。「地域ねこ」は野良猫のカテゴリーに入ります。また、人間とは無関係で、自然界の中で独立して野生化してしまった猫を「ノネコ」といいます。野猫と漢字で表記するのではなくカタカナで表します。

飼い猫は飼い主がいるので 問題を起こした場合、責任を問うことができます。たとえば、盆栽を落として壊した、池の鯉を獲った、爪で車に傷をつけた、子供に咬みついて傷を負わせた、すべて賠償の対象になります。「犬の飼い主さんを助けてくれる保険の話~兵藤哲夫の徒然日記~」でペットの飼い主さんに、保険の見直しをおすすめしましたが、こうした事故への事前の対策は、可能です。

一方、野良猫は特定の飼主がいないため賠償責任は難しくなります。どこまで管理すれば飼い主又は管理者の責任を問えるか、このあたりがはっきりしていないのです。定期的に野良猫に餌を与えて、不妊・去勢手術をしたとしても、野良猫に関してはお世話をしている人に飼い主としての責任を問えないこともあります。行政側も野良猫に関しては、責任を問うことは難しく、結局、「これ以上、不適切に餌を与えないこと」というのが精一杯なのが、現状です。


野良猫を地域猫として大切に見守るところが増えてきた

特定の飼い主がいない猫に関しては、地域で面倒を見るという、地域ねこという制度もあります。自治会などが介在して手術の費用などを出しあい、行政の指導を得て管理する方法です。不妊手術をして、数をコントロールし、トラブルを最小限に防ぐことができます。たいていは「〇〇町地域猫の会」というように名前をつけて組織化して、その地域に住む自治会長などが責任者となるケースが多いようです。それでも、何か問題が起きた時、自治会長に責任を問えるかというと、それも難しく、法律的にはあいまいななところが残されています。

ノネコは小笠原諸島、対馬、奄美大島、西表島、御蔵島などの離島で暮らしています。もともと、ヒトが島に持ち込んだ猫で、野生化してノネコとなりました。島特有の稀少種を捕獲して、被害を与えており、大きな問題になっています。飼い猫や野良猫は動物愛護法で守られていますが、ノネコは狩猟法の中に入っていて、狩猟対象動物です。狩猟免許者は、定められた期間に合法的な方法で、捕獲処分することが許されています。


国内にいるヤマネコはツシマヤマネコとイリオモテヤマネコのみ(写真資料:よこはま動物園ズーラシア)

伊豆七島の中に御蔵島には稀少種のオオミズナギドリの繁殖地があり、この鳥をノネコが捕食して問題になっています。貴重な固有種の保護のためにも、いち早く手を打たねばならない問題ですが、なかなか進みません。こうした点では、海外の野生保護への取り組みは素早く積極的です。オーストリア、特にドイツでは、生物多様生の観点から、家から離れている猫は、狩猟法できちんと処分や管理をしています。

みなさんの家にも可愛い飼い猫がソファーで寝そべっているかもしれません。生活の仕方によって呼び名が違う猫たちがいることを、知っておいていただけたらと思います。

編集・文/柿川鮎子

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