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アニマルセラピーの効果と影響を科学的に検証

アニマルセラピーの効果と影響を科学的に検証

公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)では毎年獣医療関係者・学生・一般市民に向けた年次大会を開催しているが、今年は設立40周年を迎え、「人とどうぶつの健康で幸せな未来を、動物病院と共に創造する」を大テーマに、例年どおり2日間にわたり、東京大学にて開催された。


40周年という節目にあたる年をお迎える中で、動物をめぐる環境や動物医療も年々変化を見せている/©Pmoon

獣医療関係者向けのプロフラムには、「救急医療の最前線」「犬猫の心肺蘇生」「リハビリテーション」などのテーマが並び、今後益々注目される分野になるのだろうということを感じさせる。

実際、筆者も先日のこと、24時間救急対応をしている動物病院を取材させてもらい、犬猫の心肺蘇生の基本について教えていただいたばかりなので、人とペットとの関係が親密化し、ペットの寿命も延びている現在、飼い主さんにとっても必要とされるテーマなのではないかと思のだが。


会場にはフォトコンテストの応募作品も展示されていた/©Pmoon


JAHAの代表的な事業の一つがCAPP(人と動物のふれあい)活動。その活動の功労者に感謝状の贈呈も行われた/©Pmoon

アニマルセラピー効果でオキシトシン分泌が平均3倍に

さて、一般の人も参加できる市民公開講座のほうでは、アニマルセラピーによってよい効果が得られることは広く知られるようになってきているものの、それを科学的に見ると実際はどうなのか?という二つの研究結果が発表された。

一つ目は、千葉県こども病院において小児ガンを患って入院中の子ども(11人、5歳以上)を対象に、アニマルセラピー活動に参加する前後それぞれに唾液を採取してオキシトシンとコルチゾールの分泌量や増加率などを比較。


研究報告者は千葉県こども病院血液腫瘍科の角田治美先生。千葉県こども病院では2004年から月に1回アニマルセラピーを取り入れているそうだ/©Pmoon 

ご存知のようにオキシトシンは “幸せホルモン”“愛情ホルモン”とも呼ばれ、ストレスを緩和して幸せな気分をもたらす作用がある他、出産時に子宮を収縮させたり、乳腺の筋繊維を収縮させて乳汁の分泌を促したりする働きもある。

一方、コルチゾールは炭水化物や脂肪、タンパク質などを制御する生体にとってはなくてはならないホルモンであり、何らかのストレスがあるとその強さによって分泌量も増し、ストレスに対して対抗するよう心拍数の増加や体温・血圧・血糖値の上昇を促す働きをもつ。

この研究では、10ヶ月にわたりのべ36人分のデータを得て、それを分析したところ、アニマルセラピー活動に参加する前と比較して、参加後にはオキシトシンの分泌量が平均3.3倍(2倍以上の増加は55.6%)に増えていたそうだ。オキシトシンの分泌は個人差がある他、同じ人であっても状況によって分泌量にはかなり差が生じることがあるということだが、中には30倍以上に増加した例もあったという。

これを男女別で見てみると、男児の平均は2.05倍(中央値1.46)で、女児の平均は4.3倍(中央値2.34)に。統計学的な有意差は見られないものの、アニマルセラピーに対して男児より女児のほうがより反応しやすいように思えるというのは興味深い。

また、アニマルセラピー活動の前後に当の子どもたち自身が感じる感情的な面(気分がよい、変らないなど)から見ても、活動に参加後は61.1%がプラスに動いているとのことだ。

コルチゾールに関しては残念ながら検査キットの有効性などの問題もあり、十分な結果は得られなかったそうだが、今後の研究ではセラピー犬やハンドラーのホルモン変化(セラピー犬については現在進行中)、セラピー犬の行動によってホルモンの値がどう変化するかなどについても検証していきたいとしている。

会場からはアニマルセラピーの回数を増やしたり、その活動の間に他のプログラムを入れたりすることで臨床効果がもっと持続できるのではないかという質問も寄せられたが、それについても検討していきたいとのことであった。

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