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“はじめての犬”だったピンが旅立った日【ピンがいた日々】

“はじめての犬”だったピンが旅立った日【ピンがいた日々】

カレンダーが8月になると、どうしても、あの日のことを思い出してしまいます。

2014年8月31日、私にとって“はじめての犬”だったピンが旅立った日です。

ある日、ピンの首の片側にコブのようなものを発見し、すぐに病院に連れて行ったのは2013年の6月のことでした。

診断は「悪性リンパ腫」。癌でした。

「このまま治療をしなければ、余命は3か月」……、いまからすれば、けっこう衝撃的な診断だったのですが、そのときは絶対に治ると信じていた私。電話で夫に報告したときも「ピンちゃん、癌なんだって」と、とても冷静でしたし、獣医さんから治療をするか否かを問われたときも、なぜ、そんなことを聞くのだろうと不思議に思いつつ、「すぐにお願いします」と頼んだことを覚えています。

「ピンちゃんのママなら、絶対そう言うと思った」とおっしゃる獣医さんの言葉の意味は、ずいぶんあとからわかりました。高額な治療費を指していたのです。

すぐに抗がん剤を始めとするお薬の治療に入ったのですが、その前に血液検査をして、薬を投与できるかどうかのジャッジがあるのですが、ピンは2回に1回くらい、できない日がありました。

そのジャッジにも投与にも、かなりの時間がかかり、しかもそれが毎週だったので、私はピンが旅立つまでの1年2か月、毎週日曜日、病院を往復していました。ほぼ一日がかりでした。

それでも、ピンとの道中や、待合室で抱っこしている時間、診察のため、ピンを預け、迎えに行ったとき、私を見つけて、看護師さんの腕から毎回飛び出しそうにして喜んでくれるピンのことが、かわいくて、かわいくて。いまからすれば、二人だけの時間をピンが作ってくれていたような気がします。

闘病中、ピンは何度か入院をしました。最期の7月と8月は「白血球の数値が激減した」とのことで、両月とも2週間ほど入院していました。

そんなときも私は毎日、面会に行きましたが、「おうちに恋しくなっちゃうから」という理由で、診察室のドアを少しだけ開けていただき、いまでいう、“ひょっこりはん”のように覗き見していました。

でも、ピンは必ず私の気配に気づいてしまい、「すごいね~、ピンちゃん」「ママが来たこと、絶対わかるんだよね~」などと獣医さんや看護師さんに言ってもらえることも、私にとっては幸せな瞬間でした。

でも、最後の長期入院では、一日一時間ほどの面会が許されたのです。わざわざ診察室を一部屋、そのために空けていただいて、ピンを抱っこしたり、私の足の周りでじゃれるピンとのひとときを過ごしました。

その動物病院の御厚意に、ピンの余命をもっと切実に感じるべきだったのです。でも、私はそれでも、ピンは治る。元気になると信じて疑っていなかったのです。

ピンの最期の日も、ピンは病院にいました。前々日、つまり8月29日(金)の深夜から、ピンの呼吸は苦しそうでした。

「ピンちゃん、死んじゃうのかな」と主人は言いましたが、私は「大丈夫だよ」と答えたことを覚えています。翌日はまた病院行きが予定されていました。

翌朝、あれだけ食いしん坊だったピンに食欲がなく、なんとか一口でも食べさせて病院に行かせたかった私は、自分の朝食のチーズトーストの端っこを指に乗せてピンの口元に差し出しました。ピンはそれだけ食べてくれました。

それから約30時間後にピンとの永遠の別れがやってくるとはまだ想像できていなかった私には、そこからの記憶が、なぜか途切れ途切れなのです。(つづく)

文/山田美保子

Profile
山田美保子 放送作家・コラムニスト

1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストに。「踊る!さんま御殿!!」『情報ライブ ミヤネ屋』『バイキング』『1周回って知らない話』などテレビ番組の構成のほか、雑誌、新聞、WEBに連載多数。人気番組「情報ライブミヤネ屋」のコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務めている。

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