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動物虐待の罰則はもっと強化すべきだと思う【兵藤哲夫の徒然日記】

動物虐待の罰則はもっと強化すべきだと思う【兵藤哲夫の徒然日記】

公園にいた地域猫を空気銃で撃ち殺傷するという、千葉県で起きた動物虐待事件に対して、千葉地裁は犯人に対して懲役16カ月執行猶予3年の判決を下しました。

こうしたニュースを聞くと、いつも辛い気持ちになります。命を軽んじた罪は重く、刑ももっと厳しくするべきだと私は思います。

特に今回のケースは、新聞によると「空気銃で虐げる行為を繰り返し、2年間で80から100回撃った、極めて常習的な犯行」とあるので、懲役16か月、執行猶予3年はあまりにも軽いなと感じずにはいられません。法律改定で、罰金も従来より重く定められたのに、どうして適用されないのかな?と不思議でなりません。

とはいえ、これまでの動物福祉の歴史を振り返ると、動物に関する法律も少しずつ前進、進化してきています。

法律改定で強化された罰則

動物に関する法律は、「動物の愛護及び管理に関する法律」で、通称「動愛法」とも呼ばれています。大体5年ごとに更新され、今回の改正は令和元年に決まったものが、経過期間として少しずつ施行されています

虐待の罰則強化もこの飼育環境の改善に関連する改正ポイントです。動物をみだりに殺したり傷つけたりする行為や、動物の虐待や遺棄に関しては、従来よりも罰則が厳しくなりました。

愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられます。 また、愛護動物を虐待又は遺棄した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。

罰則が強化されることで、虐待の抑止力になれば良いのですが、ゼロにするのは他の犯罪と同じように難しいのが現状です。

表面化しにくい動物虐待

私が特に動物虐待事件で難しいなと感じているのが、犯罪の見つけにくさです。家庭で飼育しているペットを虐待していても、第三者が介入しない限り、虐待事件は表面化せずに終わってしまいます。

法律改定ではネグレクトも虐待であると定められています。ネグレクトとは積極的虐待とは違い、飼い主としてペットにしなければならない行為をしないことです。清潔な水やトイレを与えないことも虐待なのです。

飼育放棄してネグレクトをしていても、犬や猫は訴えることができません。特に猫は鳴き声をあげないので、虐待されていてもなかなか気付かれにくいのです。

私も先日、「一人暮らしの老人が亡くなり、一軒家で猫がたくさんいる」という通報を受けてレスキューに向かいました。老人の親族が、窓の隙間から餌を投げ入れていたそうです。とても悲惨な現場でした。

動物を虐待から救うために必要なこと

海外ではアニマルポリスと呼ばれる組織が活躍していて、虐待の通報があれば、すぐに駆け付けて捜査をしてくれます。イギリスのRSPCA(英国王立動物虐待防止協会)のアニマルポリスはインスペクターを呼ばれ、獣医師の資格を持ち、匿名での通報も受け付ける、頼もしい存在でした。

今回の千葉県の事件では犯人は虐待行為と知って犯罪を繰り返していたようですが、多頭飼育など、飼い主さんが悪意無くやったことが、ネグレクトとなって、ペットの虐待につながるケースもあります。

最近は動物虐待が重大犯罪のきっかけになるという認識が広まり、行政や警察も協力的になってきました。動物虐待に繋がる不審な行為を見つけた時は、お近くの行政の窓口や交番などに相談してみてください。

虐待を知ったら3つの窓口に相談

虐待を見つけたら、1)行政、2)警察、3)獣医師の3つが窓口となってくれます。昔は行政が動いてくれないと言われていましたが、最近はかなり積極的に対応してくれるようになっていると私は感じています。特に私の住む横浜市は協力的です。

私たち獣医師も診察時に虐待と思われるケガを見つけた場合は、通報する義務が科されました。法律でこれまでの「努力義務」から「義務」へと変わり、都道府県知事その他の関係機関に通報しなければなりません。警察や行政に訴えるのはハードルが高いと感じている飼い主さんは、かかりつけの獣医師に相談してみるのも一つの方法です。

言葉をもたない動物たちを痛めつけるような事件は、二度と起こしてはなりません。不幸にも虐待と思われる事態に出くわした時は、勇気をもって声を上げて欲しいと思います。「虐待かそうじゃないか、わからない」というあいまいな時であっても、言葉をもたない動物のために、相談をしてみてくださいね。

兵藤動物病院 兵藤哲夫
麻布大学獣医学科卒業後、1963年横浜市にて兵藤動物病院を開設。ヒョウドウアニマルケア代表として公益社団法人日本動物福祉協会理事、横浜市獣医師会理事などを歴任。TBSラジオこども電話相談室の回答者などをつとめた。

文・編集/柿川鮎子

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