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犬の牙が人に向けられない不思議な奇跡

虹の橋を渡る日まで

うちの犬は大きく硬いものをかじるのが大好きだ。SNSでは「犬に硬い骨や木を与えるのはあまりよくない」と書かれている。でも、うちの子が嬉しそうに噛んでいる姿を見ていると、無理やり取り上げたり、やめろとは言えなくなってしまう。

腹ばいになり、上目遣いにして、大きな骨や骨ガムをガリガリ噛む。敷き物はよだれで汚れるし、いったん噛むと気がすむまで動かないから、面倒なのだけれど、やっている姿は本当に幸せそうだ。

ブリーダーさんからお迎えした時から、噛むのが大好きな子だった。子犬時代、フードを入れるお皿を噛み壊した時はヒヤッとした。お皿の塗料やかけらを食べていたら、中毒を起こすかもしれない。

噛まれたお皿をもって動物病院に駆け込んだら、先生はのんきそうに「あ、これぐらいだったら、全然平気。噛んでも大丈夫ですよ」と言ってくれた。

「でも先生、うちの子、噛むのが大好きで、こういうお皿とか、おもちゃとか、ひたすら噛み続けるんですけど、大丈夫でしょうか?」と聞いたら、「ワンちゃんですからねーそういう子もいますよ」とニコニコしている。

「うちの子、お皿だけじゃなくて、スリッパとか、投げるおもちゃも、ひたすらかじっちゃうんですよ。ストレスなんでしょうか?それとも何か栄養とか、餌が足りないんでしょうか?」と聞いたら、体重を測ってくれて、「足りないというより、むしろこれから肥満に注意だな」と言われてしまった。

きゃあきゃあ喜んでいるうちの子を片手でグリグリなでながら、先生は「子犬は歯が生えそろう時期は噛みたがるんです。成長したらやらなくなる子もいるし、ずっと噛んでる子もいます。君はどっちかなー」なんて、遊んでくれたっけ。

「噛んでストレス発散できれば、いいんじゃないんですか?嬉しそうに噛んでるなら、それが楽しいんでしょう。これから飼い主さんが、この子にとって、楽しいことをいっぱいさせてあげてください」と言われたのを覚えている。

その後、成長して噛まなくなるかと見守っていたのだけれど、そろそろ老犬になる今でも、子犬時代と同じようにガリガリかじるのが大好きなのだ。

ごく稀(まれ)にかじったら困る玄関のラグや、ソファーの足をかじりたがるけれど、私が「これはダメ」と叱ればピタッとやめる。かじったスリッパは取り上げて棚の上に隠せばすぐにあきらめる。

その代わり、噛んでも良いおもちゃや、骨のガムは定期的に与えている。かかりつけの動物病院には週に一回、歯の専門医がやってきて、デンタルケアをしてくれる。デンタル専門の獣医師に、「いつまでも噛む楽しみを続けさせてあげたいですね」なんて優しく言われて、それもそうだと納得した。噛み続ける間はずっと受診するのだろうと、覚悟している。

今日はうっかりしてゴミに出したはずの木のおもちゃをかじられてしまった。ロシアの民芸品のマトリョーシカ人形で、硬くつるつるした表面を、見事にかじっていた。

人形を噛んだ後の歯形を見ると、力強く、鋭くて、いつもは可愛く甘える可愛いうちの子の、「獣」の側面を見るような気がする。

私がいくら全力で噛んでもこんな風に噛み切れない。ものすごい力が入っている。野性では小動物を捕獲して、この鋭い歯で食べているのだと思うと、不思議だ。

私の手首なんて簡単に嚙みちぎれる力をもっているのに、うちの子は絶対に人を噛まない。いくら噛むのが大好きで、簡単に食いちぎれる能力があっても、その牙が人に向けられることはないのだ。

そう考えると犬と人がこうやって寄り添って生きてきた歴史自体、素晴らしい奇跡だなと思ってしまう。信頼と愛情とで結ばれた素敵な絆を、いつまでも大切にしたい。

せっかくご縁があってうちに来てくれたのだから、虹の橋を渡る日まで、たくさんの幸せな思い出をつくって欲しい。思う存分かじって、楽しんで欲しいと願っている。

(文/柿川鮎子)

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