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犬と車で移動するだけでは文豪にはなれない

虹の橋を渡る日まで

ここ最近、夫がアウトドアに目覚めた。休日になると、友人・知人たちとキャンプやBBQに勤しんでいる。

他人の影響を受けやすくて、趣味がコロコロ変わってきたから、「これもいつまで続くのかね」と娘と噂しているが、最近、問題が起きている。

夫がひとりで楽しんでいる分には構わないのだが、毎回ウチのワンコを連れて行きたがるのだ。もちろんお断りである。

駅から近いわが家には自家用車が無い。夫はいつも友人の車に乗せて貰っている。迎えに来てもらうだけでも悪いのに、ワンコまで乗せようなんて、図々しいにもほどがある。

なにより、うちの子は人見知りで内向的だし、私と娘が世話をしている大切なワンコだ。ロクに世話もしてこなかった夫と、見知らぬ人たちで、遠くに連れ出すなんて、何かあったら大変だ。

先週のキャンプの後は、「車を買おう!」などと言いだした。しかも、いつ集めてきたのか、カタログをたくさん持参している。

うちは駅近だから車は必要無いと、何回も話してきたはずなのに、また何かに影響されてきたらしい。よく見るとカタログの車は全部キャンピングカーである。

「ベース車両を中古で安く買って、中にベッドとかコンロや流しを付けてもらうんだ、最近は軽ワンボックスを改造した、手頃なのもあるんだよ」と嬉しそうに見せてくる。

カタログの写真には、ソファーベッドとテーブルを設えた車内と、モデルの足下にワンコがいる。頭が痛くなってきて、ちょっときつめに言い返した。

「うちに車は必要ありません!」

翌朝、私の機嫌を伺うような素振りを見せながら旦那が出勤して行ったあと、久しぶりに旦那のSNSを覗いてみた。

すると案の定「男のロマンvs 無理解なうちの嫁」が長々と綴られているではないか!夫は私がここを覗いているのを知らないのかしらん?

その中で見つけた衝撃の一文が「俺もスタインベックみたいに、この国を見て知りたい」という一文。

ハッとして、すぐに私の本棚をチェックしに行くと、やはり私の大切な「チャーリーとの旅」が無くなっていた。

ずっと気付かなかった私も悪いが、あの本は一度絶版になっている貴重な本だぞ。勝手に持ち出してあのヤロー!

「チャーリーとの旅」は、自分が住み暮らすこの国のことを知りたいと、愛犬とともにキャンピングカーで旅に出る文豪の体験談だ。たくさんの場所で、いろいろな人々との交流や体験が、見事な筆致で綴られている。

夫は自分をスタインベックになぞらえているが、「チャーリーとの旅」はそんな軽い小説ではない。根底に流れるのは当時のアメリカ社会の現実と希望で、それらはすべて今日までも続く社会問題だ。それを淡々と描き切った、文豪の傑作なのである。

最近の夫のアウトドア指向は、この本の影響だった。「俺もスタインベックみたいに、この国を見て知りたい」なんて書き込んではいるけど、あまりにも軽すぎる。犬と車で移動するだけで、文豪になれるわけがないじゃないの!ちゃんと読んでないのがバレバレだよ。

犬と一緒に旅していることを、誰かに羨(うらや)んでもらいたい、そして「イイネ!」をつけてもらいたいだけ。そんなことにわが家の大事な愛犬を利用させてなるものか。私は絶対認めないわよ。

とまぁ、私も熱くなってしまったが、夫の熱はいつか冷める、いつものように。アウトドア熱も年内には冷めるだろう。

でも、釘は刺しておかないといけない。「うちのワンコは連れ出せません!車、勝手に買ったら、ホントにリ・コ・ンだからね。あと、本、早く返してよね」と書き込んだ。

/木村圭司、編集/柿川鮎子

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