2021-03-11 犬にもツライ花粉症!症状と今日からできる対策まとめ 犬犬のアレルギー犬の花粉症花粉症対策 犬にもツライ花粉症!症状と今日からできる対策まとめ 春が近づき、気温が高くなってくると悩まされるものといえば……そう、「花粉症」です! ポカポカ陽気とは裏腹に、鼻はムズムズ、目は痒い、くしゃみがとまらないなど辛い症状で外に出るのをためらってしまう季節ですよね。 実は、花粉症になるのは人間だけではないって知っていましたか? というわけで今回は、犬の花粉症の症状や原因、すぐできる対策についてまとめてご紹介します。 監修:獣医師 古江加奈子 パーク動物医療センター副院長。福岡県獣医師会、福岡市獣医師会、日本獣医がん学会に所属。言葉の話せない動物を治療するうえで、動物たちに聞く代わりに飼い主から沢山のことを聞き、飼い主とのコミュニケーションを最重視するドクター。 犬も花粉症になるの? 今や「国民病」ともいわれる花粉症。近年の東京では2人に1人が花粉症患者だというデータもあるほど、毎年春になると多くの人が花粉に悩まされています。 実は、犬でも花粉症の症状が出ることがあります。 特定の食べ物にアレルギーを持つ犬がいますが、同じように花粉によってアレルギー反応を起こすことがあり、犬の花粉症として扱われています。 花粉の季節にだけアレルギーの症状が出るような場合もあれば、もともとアトピー性皮膚炎などを患っていて、花粉の季節に症状が悪化してしまうような子もいます。実際に、アレルギー検査をしてみたら花粉以外にも反応があり、アレルゲンを減らしていったら調子がよくなったという子もいるそうです。 愛犬の様子に思い当たることがある飼い主さんは、一度検査をしてみてもいいかもしれませんね。 犬は人間と違ってマスクもできないし、猫と違って完全室内飼いというのも難しいかと思うので、花粉症のサインには早めに気がついて対策してあげることが大切です。 もしかして花粉症かも?犬に出やすい症状 「うちの子は花粉症かもしれない」と思ったときは、以下のような症状が出ているかチェックしてみてください。人の場合、花粉症の症状はくしゃみや鼻水、鼻づまりなど鼻炎のような症状が多いですが、犬の場合は主に皮膚に症状が現れることが多いです。 犬の花粉症が疑われる症状 □ お腹や足、顔などを痒がる □ 耳や口周りに発疹や赤みがある □ 目が充血する、目やにや涙が増える □ 目の周りが赤くなる、腫れる □ くしゃみや咳が出る □ 鼻水が出る 例えば散歩後にやたらと体を掻くようになったり、外から帰ってくると皮膚や目が赤くなっているなどの場合は要注意!いつものお散歩コースに、アレルギーの原因となる植物があるかもしれません。 他にも、犬は外に出ていなくても、外から飼い主さんが花粉を持ち込むパターンもあり得ます。窓の開け閉めや、人の出入りに反応して症状が出る場合もあるでしょう。 特に、上記のような症状に季節性がある場合は、その時期に飛んでいる花粉が影響している可能性があります。「アトピー性皮膚炎やアレルギーのような症状に見えるけど、特定の時期にしかならないな…」と感じた場合には、花粉症を疑うようにしましょう。 犬の花粉症の原因(アレルゲン)とは? 人間の場合、花粉症の原因(アレルゲン)といえばスギやヒノキが有名ですよね。全国的に春が花粉症のピークといわれるのは、その時期に飛散しているスギ花粉やヒノキ花粉が原因である人が多いからです。 犬の花粉症の場合は、スギ花粉の他にもイネ科の植物であるブタクサなどが原因であることも多いです。 ブタクサはスギなどに比べると背が低く、飛散距離が短いため近寄らなければ花粉を吸うことはありません。しかし公園や河原によく生えている植物でもあるため、お散歩中に出くわす可能性は十分にあります。 イネ科の植物が花粉を飛ばすのは主に夏~秋なので、春だけでなく秋の花粉症にも注意してあげるようにしましょう。 また、人間もそうですが、犬もその子によって花粉症の原因となる植物は異なります。もし花粉症の疑いがあってしっかり原因を知りたい場合は、獣医さんに相談してアレルギー検査(血液検査)をしてもらう必要があります。 ●実は花粉症になりやすい犬種がいる 柴犬 プードル フレンチ・ブルドック パグ シーズー ゴールデン・レトリバー ウエストハイランド・ホワイトテリア これらの犬種は、犬の中でも比較的花粉症になりやすいといわれています。こちらに名前がある犬種のワンコは特に、花粉症シーズンに皮膚や体調に変化がないかよく観察してあげることをおすすめします。 前述したような季節性のアレルギー症状が見られる場合には、早めにかかりつけの獣医さんへ相談してみてくださいね。 犬の花粉症は薬で治療するの? もし愛犬が花粉症と診断されたら、動物病院で処方される内服薬(飲み薬)や外用薬などで治療をすることになります。 花粉症は、花粉に対する過剰な免疫反応によって皮膚炎や鼻炎などの症状を引き起こすことをいいます。そのつらい症状を抑えるために、ステロイド剤や免疫抑制剤、抗ヒスタミン剤などの内服薬や外用薬を使用します。二次感染がある場合は抗生物質の使用が必要になることもあるので、おかしいなと思ったら早めに受診するようにしましょう。 人の場合もそうですが、「花粉症を治すための薬」はありません。そのため、処方されるのはあくまで花粉症の症状を緩和させる目的の薬です。 ワンコにいくら「掻いちゃダメ」といってもかゆみが我慢できなくてかいてしまうことはありますし、四六時中人間が見張るということもできませんよね。 カラーを付けたりや服を着せて防止するにも、部位や犬の性格によって難しいことがあります。 かきむしりすぎて皮膚を傷付けたり、脱毛してしまうのを防ぐためにも、まずは薬を服用して一時的にかゆみなどの症状を抑えます。そして… 今後は「できる限り花粉に接触させない」というのが花粉症の治療になります! ちなみに、ステロイドは皮膚のかゆみや炎症を抑える効果は大きいですが、継続的な使用には副作用が伴うため、長期間使用することはおすすめできません。 今日からできる愛犬の花粉症対策 花粉症のツラさはよーくわかるだけに、愛犬にもきちんと対策をしてあげたいもの! 重症化させないためにも、今日からすぐにできる花粉症対策をまとめたので参考にしてみてください。 ①散歩は花粉が多く飛んでいる時間帯を避ける その日の天気や気温、お住まいの地域などによっても異なりますが、スギ花粉の場合、一日のうちで最も花粉が飛んでいるのは気温が高いお昼前後だといわれます。 出典:1日の中で花粉のピークっていつ?〜朝と夜の違い〜|アレグラFX アレルギー専用鼻炎薬|久光製薬株式会社 こちらは、花粉症薬で有名なアレグラFXの公式サイトで公開しているスギ花粉飛散量の変動グラフ(東京都千代田区の場合)です。 これによると、昼のピークを過ぎると一旦落ち着きますが、地面に落ちたスギ花粉が夕方の気温低下によって空気が対流することで再び舞い上がるので注意が必要ということ。 また、時間以外にも「花粉が飛びやすい日」もあります。 晴れて気温が高い日 湿度が低く、風が強い日 雨が降った翌日 花粉が多いといわれる日や時間帯に愛犬を連れて外へ出るのはできるだけ避けて、比較的花粉量が少ない早朝や日没後などを狙って散歩に行くようにするのが良いでしょう。 ②可能であれば、外に出るときは静電気防止加工のウェアなどを着せる 犬は全身が被毛に包まれているため、静電気で花粉が付着しやすくなっています。洋服に抵抗が無い子であれば、花粉症シーズンのお出かけは何か服を着せて行くようにすると良いでしょう。 その際、ニットなど静電気が起こりやすい素材のものよりも、静電気防止加工になっているウェアなどを選ぶのもポイントです。 ③散歩中は草むらの中に愛犬が入らないようにする 前述したように、犬の花粉症の原因として多いブタクサなどは背が低い植物です。そこにワンコが入り込んでしまうと、全身に花粉を浴びることになりかねません。 ブタクサ以外にも、公園や土手などの草むらには様々な植物が群生しています。花粉症が疑われる子や、もともとアトピー性皮膚炎を患っている子などは近寄らないのがベターです。 ④外から帰ってきたらまず玄関先で花粉を落とす 花粉に接触しないためには、「持ち込まない」ことも大切です!散歩から帰宅したら、まずは玄関先で自分の上着を払って花粉を落としましょう。 ワンコに服を着せていた場合は、同じように玄関先で脱がせてから、払ってあげるのが良いです。 その後、ワンコの全身を拭いて念入りに花粉を落とします。クイックルワイパーなどの床拭き用不織布(もちろん空拭き用です!)などがもしあれば、花粉を除去するのに効果的なのでおすすめです。 濡らして固く絞ったタオルなどでも良いですが、この時いきなりブラッシングをしてしまうと体についていた花粉が舞い上がって吸い込んでしまう恐れがあるので注意しましょう。 ⑤シャンプーやブラッシングなどスキンケアをいつもより念入りにする 花粉症シーズンの愛犬のスキンケアは、いつもより少し念入りなぐらいが良いでしょう。こまめにブラッシングやシャンプーをして、皮膚や被毛を清潔に保ってあげるようにしてください。 シャンプーやリンスは保湿効果の高いものや、低刺激タイプがおすすめです。皮膚や被毛を健やかに保つ手助けをしてくれるグルーミングスプレーなどもあるので、チェックしてみてくださいね。 ⑥空気清浄機や床の水拭き掃除などで室内を清潔に保つ 空気清浄機や床の水拭きは、人の花粉症対策やウィルス対策でもお馴染みですよね。すでに実行されている方も多いとは思いますが、犬の花粉症対策にも効果を発揮してくれます。 特に、犬は人より床に近い位置にいるので、その分床に溜まったホコリや花粉の影響は受けやすいといえます。可能であれば、花粉症シーズンはラグやカーペットを敷くよりも、水拭きしやすくて花粉も付着しにくいフローリングのままにしておくのがおすすめです。 犬にも人間にも花粉症対策はやっておいて損はない 筆者は花粉症ですが、病院に行ったりするまでヒドイものではありません。しかし、今までなっていなかった人がなることもあれば、いきなり重症化することもあるのが花粉症なので、大変そうな人を見ると「明日はわが身」と常に思っています… ワンコも同じで、もしかしたら去年まで何ともなかったのに今シーズンで急に花粉症のような症状が現れることもあるかもしれません。 花粉症対策はやっておいて損は無いですし、特に今は新型コロナウイルスの感染防止対策の面でも「清潔」を保つのは大切なことです。 無理のない範囲で、ワンコとの日常に取り入れてみてくださいね。 文/黒岩ヨシコ 参考:花粉症一口メモ|2019年版 – 東京都福祉保健局 \ この記事をみんなにシェアしよう! / この記事をみんなにシェアしよう! ボディケア用品からお菓子まで!猫好きな彼女や妻に喜ばれるホワイトデーギフト4選 (3.3) 愛犬がまさかの“犬嫌い”…その原因はどこにあるのか? 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