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またみんなといっしょに歩いて、走って、公園の芝生の青々としたにおいを嗅ぎたい【マリアのメラノーマ闘病記】

マリアのメラノーマ闘病記その10

2020年2月のレジーナ御影用水のロケ以降、2月、3月と大きな病変もなくマリアの体調は安定していました。2月上旬のPETomorrow”わんこと行くクルマ旅”の軽井沢、レジーナリゾート軽井沢御影用水のロケも無事、美魔女女優犬!?として、しっかりと仕事をこなしてくれたのです。


マリアが大好きだった御影用水


レジーナリゾート軽井沢御影用水のフロント


レジーナリゾート軽井沢御影用水のドッグラン

ただ、高齢による足腰の衰えは確実に現れ、散歩時の歩行や、自宅玄関前の階段での補助が必要になりました。それで、玄関前の自作スロープに加えて、ハーネスを導入。散歩の途中で歩行が困難になった場合、大型犬のマリアを抱いて帰ることはもはや不可能なのです。

学生服で有名なトンボ社から発売されているララウォークのハーネスは、大きなマジックテープで愛犬のジャストサイズになるよう首と胴体を支えてくれるため、マリアの散歩時の歩行や階段の上り下りの補助がずいぶんと楽になりました。また、飼い主の腕の長さに持ち手が調整可能なため、腰への負担も軽減され、導入して良かったアイテムのひとつです。ハーネスを付けたマリアは、まだ多少の補助程度で、桜が咲き始めたいつも通りのコースを、時間はかかりましたが、満喫することができていました。

体調面では安定してましたが、少しずつ口腔内のメラノーマは大きくなっていきました。2月の中旬ごろからは、下の歯茎だけでなく上の歯茎にもメラノーマが広がり、硬いフードは食べにくくなったため、食べやすいようにフードをふやかしたり、トッピングの野菜や肉も細かく刻んだりと食べやすいように工夫して与えていたのです。

マリアは食欲もあり毎回のご飯は完食。快調そのものでした。毎年、2月に行われるユーミンの苗場コンサートも、今年はカミサンだけ欠席したほうがいいのでは、というわが家での議論もありましたが(ボクは自動車業界のユーミン愛好結社、20年以上ほぼ同じメンバーでユーミンのツアー、SURF & SNOW in naebaに通い続けている「苗場ブリザードクラブ」の会長であり、参加しないわけにはいきません。ちなみに名誉会長は松任谷正隆さん)、マリアの体調も安定してたので、40周年の記念コンサートということもあり思い切って行くことにしたのです。

マリアとララは、なじみのペットシッターに朝と夕方の散歩とご飯をお願いしています。マリアは通常通り、シッターさんの手をわずらわすことなく元気にお留守番ができました。ララはというと逃げ回って首輪が着けれず、散歩に行けなかったそうです。午前11時に家を出て翌日の午後3時前には帰宅。お陰で、すでに半年近くになるマリアの闘病生活、介護の疲れも癒されました。そんな息抜きも大切ですよね・・・。

 


松任谷正隆さんの苗場の仕事部屋にて

この頃は月1回のルペオールと3週間おきに抗がん剤を投与、投与後2週目あたりまでは腫瘍からの出血は少なく、体調も良く穏やかに過ごせていましたが、2週目以降は腫瘍が化膿し、臭いと大量のヨダレと出血に悩まされる程度だったのです。

3月25日。今から思えば、この小学館PETomorrow、軽井沢への”わんこと行くクルマ旅”のあと、自称自動車評論犬!?としてマリア最後の仕事となったのが、この日の、PETomorrow 「今月のドッグフレンドリーカー、新型ホンダ・フィット編」の撮影でした。マリアはカメラを向けると、こんな状態でも、美魔女女優犬!?のスイッチがパチッと入るようです。この日も、クルマに前に堂々と立ち、いつものように、しっかりと笑顔を見せてくれました(マリアの体調を考慮して、近所での短時間の撮影です)。

ところで、東日本大震災の際、その翌日に避難を想定して購入したマリア用の大型犬対応ドッグカートに乗せてみると、さすがにサイズが合いません。まだこの当時は大型犬用や介護用のカートはなく、単なる避難用だったのです。また、出入り口に段差があり、横になれず、今のマリアを乗せ下ろしさせるのも大変でした。

そんな話を、お散歩で出会う犬友達のひとりにすると、ちょうど、使っていない、オープンタイプの大型犬用ドッグカートを貸していただけることになったのです。こちらなら、手前に乗降用の入り口があり、また、オープンタイプなので、スムーズに乗り降りさせられることが分かりました。マリアも気にいったようでした。だって、乗せてみたら、「お散歩わんね」と喜び、降りようとしないのですから。

3月30日。朝から高熱で立ち上がることが困難になりました。朝夕ともにご飯も全く食べれない状態になってしまったのです。今回は幕張動物病院で抗生剤注射と点滴。夜になっても熱が下がりませんでしたが、翌日の朝は自ら立ち上がれたので、新しいカートに乗せて朝散歩。近所の公園で排泄も済ませ、ご飯は少し残したものの、食べられるようになりました。

その日の夜、口腔内の殺菌も兼ねた歯磨き後、レバーのような塊と大量の出血が。その後、出血が落ち着いたのを確認し、ボクたちは2階の寝室で就寝しました。

しかし、翌4月1日。朝ごはん後、メラノーマからダラダラと大量の出血が止まりません。このままでは貧血になってしまうに違いありません。さすがに動揺しました。あいにく、幕張動物病院は休診日。そこで、これまでもいろいろなアドバイスをいただいている、PETomorrowでもおなじみの福岡のパーク動物医療センターの古江先生に、診療開始時間直後でしたが、失礼を承知で連絡。先生から、近所の病院でもいいので至急、止血の処置が必要だと言われました。近くのホームドクターでも良かったかもしれませんが、わが家の判断は、移動に時間が要しても輸血や入院の設備がある総合医療センターへ連れて行く、という結論でした。

なぜ遠方まで連れて行くことにしたのか? じつは前回、抗がん剤の副作用で高熱が出たとき、高速道路が渋滞しているからと、ホームドクターに連れて行ったことを後悔しているからです。

前回は幕張動物病院が診察日だったので小野先生と連絡がつき指示をあおげましたが、今回は休診日のため、連絡がつきません。この緊急事態には、ガンの専門医である総合医療センターの担当医に診てもらう必要があると結論づけ、そして、何かあってからでは、取り返しがつかないとも思えたのです。

担当の先生はお休みでしたが、ほかの先生が担当医と連絡を取り合い(素晴らしい連携でした)、診ていただくことになりました。この日、不運にもボクは仕事で同行出来ず、カミサンだけが、取るものも取り敢えず、全く動けないマリアとララをクルマに乗せ、総合医療センターへ向うことに。幸いなことに、この時期はコロナ禍の真っただ中、高速はガラガラで、いつもより約30分も早く、スムーズに総合医療センターに到着することができたそうです。

総合医療センターに着くと、連絡しておいた看護師さんが出迎えてくれて、ダラリとしたマリアを診察室まで運んでくれました。状況を理解してる先生は、カミサンからの細かい説明も聞く間もなく、迅速にマリアを処置室に運び、対応してくれました。処置にかかる約5時間の間、マリアとララを総合医療センターに預け、カミサンは一人、近くのショッピングセンターで時間をつぶしていたそうです。

総合医療センターで止血処置をしてもらい、マリアの出血は無事、治まりました。しかし、先生からまた夜間に出血の可能性があり、そのときには近くの救急病院へ行くよう言われました。

総合医療センターの帰りは、自ら歩けないマリアを看護師さんが抱いて、クルマまで運んでくれました。待合室を通る、血だらけのマリアを見て、あちこちから「かわいそうね」と言う声が聞こえてきました。

それほどマリアの姿は悲惨だったのでしょう。この時、遠くても総合医療センターまで来たことを良かったと実感していました。信頼している病院で診てもらえ、適切な処置を迅速にしてもらえたことに感謝あるのみです。


写真は元気な頃のイメージです

翌日は幕張動物病院で診てもらい、血液関係の薬が一気に増えました。それと、今後はペースト状にしたご飯をシリンジで給餌するように、という指示もいただきました。いよいよ、これから約2カ月半続く、末期メラノーマとの本格的な闘いのラストスパートと向き合うことになったのです。そして、ボクの、薬の粉砕という毎朝、毎夕の日課も加わりました・・・。

その日の午後、マリアは積極的にお散歩に出掛けたい様子でした。夕方のお散歩は、新しいオープンカーのカートで、春の気持ちいい風を切ってお出かけです。大きな公園では、犬友達のみんながマリアの周りに集まってきて、心配してくれたようでした。マリアはなんだか嬉しそうで、「またみんなといっしょに歩いて、走って、公園の芝生の青々としたにおいを嗅ぎたいわん」なんて、わんわん答えているようでした。なんだか、とても感動的にシーンに映ったことを、今でもはっきりと覚えています。がんばれ、マリア。ゆっくりとしか歩けなくても、歩けなくなっても、これまでのように、1日3回、季節の移ろいを感じながら、マリアの大好きな道、場所を、ララとともにいっしょにお散歩しようね・・・。

つづく

文:青山尚暉

ドッグライフプロデューサー、モータージャーナリスト。雑誌編集者を経験した後、フリーのジャーナリストに。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。愛犬家でもあり、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿に関しても詳しく、Web、専門誌、一般誌、ラジオなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言中。現在、ラブラドールレトリーバーのマリアを149カ月で見送り、ジャックラッセルのララと暮らしている(どちらも保護犬)。PETomorrowのほか、レスポンス、カートップなどでも愛犬とクルマ関連の記事を連載中。20164月には、愛犬とのドライブ旅行の集大成となるムック本『愛犬と乗るクルマ』が発売されている。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、プロデュースにも携わる。愛車はシニア犬の乗降性にもこだわった、愛犬仕様にアレンジしたステーションワゴン。

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