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シニアの飼い主が、ペットと最後までいっしょに暮らせる老人ホームがあった!

宮殿のような施設の超高級老人ホームでも、ペット禁止…。

取材で、“超”がつくほどの高級老人ホームをいくつか訪ねたことがあります。映画に出てくる海外の大邸宅のような豪華な施設で、入居時に億を超える金額を払うのに、どこもペットは不可でした。「私なら、超高級老人ホームより、ワンルームでも愛するペットと暮らすほうがいいな」、と思ったのですが、でも子供のいない私が年をとり、一人で生活できなくなったら、最終的には施設に頼らざるを得ません。そこがペット不可だったら、選択の余地などないのです。

あんな高級老人ホームでさえペット不可なんだから、ペットと暮らせる老人ホームなんて日本にはないんだろうな、と思っていたのですが、あったのです、ペットと一緒に暮らせる老人ホームが。それは、神奈川県横須賀市にある特別養護老人ホーム「さくらの里山科」。全国で唯一の、ワンちゃん、猫ちゃんと一緒に暮らせる特別養護老人ホームだそうです。

施設長の若山三千彦さんは教員を退職後、社会福祉法人心の会を創立。2012年、特別養護老人ホーム「さくらの里山科」を設立しました。「高齢者が最後までペットと一緒に暮らせるようにしたい」と考えるようになったのは、同法人の在宅サービスを利用していた身寄りのない高齢男性の悲しいできごとがきっかけ。その方は一人暮らしが難しくなり高齢者施設に入所することになったのですが、家族同然にかわいがっていたミニチュアダックスフンドを預けられる身寄りがなかったため、思い悩んだ末に保健所に連れていったのです。その方はその日から「自分の家族を殺した」と後悔して泣き続け、半年で亡くなってしまったとか…。若山施設長は「人生の最後に、こんな絶望感を抱いて亡くなることがあってはならない」「この問題を解決したい」と、ペットと暮らせる老人ホームを設立したそうです。

「さくらの里山科」は10室1ユニットで、犬と暮らせる「ワンズユニット」が2つ、猫と暮らせる「ニャンズユニット」が2つあります。犬や猫たちはこのユニットの中では自由に行き来して、どの部屋にも入れます。ホームの公式サイトには、多くの犬や猫たちの写真が掲載されています。飼い主さんに看取られて亡くなったペットもいれば、飼い主が先に旅立った後も施設の職員や入居者にかわいがられ、幸せに暮らして亡くなったペットもたくさんいるようです。その写真を見ていると、どのペットの飼い主が誰かわからないくらい、大家族のようにみんなペットを慈しんでいるのが伝わってきます。


▲「離れることは考えられなかった」と語る入居者の方といっしょに入居した愛猫の祐介くん。


▲飼い主さんと一緒に入居したチョロちゃんですが、飼い主さんは既にご逝去されてしまいました。その後も変わらずホームでみんなに可愛がられて幸せに暮らしています。

里親が見つかりにくい保護犬・保護猫が引き取られ、入居者に愛されている

ペット同伴の入居と同時に、ホーム開設時から行っているのが、保健所に保護されたり、飼い主が死亡して取り残されたりしていたペットの引き取り。高齢や病気など、里親が見つかりにくいペットを優先して引き取っていて、てんかんの持病のある犬なども、入居者たちにやさしく見守られて幸せに暮らしているそうです。「自分で世話ができなくなるとやむなく手放す高齢者も少なくありませんが、犬や猫が幸せに暮らせる社会が人間にとっても豊かな社会であるはず」と若山施設長は語ります。


▲クールだけど、とっても優しい大喜くんも、かつては保護犬でした。


▲福島原発避難エリアに取り残されていた福美ちゃん。さくらの里山科で1年間幸せに暮らして亡くなりました。

「看取り犬」としてNHKでも紹介された、元保護犬の文福くん

入居者の中には、動物と触れ合うことで認知症や体の不調が緩和された例も多いそう。中には余命3ヵ月と宣告された入居者が、1年近くペットと暮らせた例もあるとのこと。ただし若山施設長は、「あくまでも入居者の生活の質の向上が目的であって、アニマルセラピーによる効果は結果的なもの」と語ります。

そんなセラピー・アニマルの代表といえるのが、“看取り犬”として有名な元保護犬の文福くん。なぜか人の最期を予知することができ、死が迫っている人がいるとまるで「一人ぼっちじゃないよ」と訴えるように、最後までそばを離れず、寄り添い続けるそうです。それはもしかしたら、文福くん自身がひとりぼっちで死に瀕した悲しい過去を持っている犬だからかもしれません。文福くんのエピソードは、今年6月に発売された本「看取り犬・文福 人の命に寄り添う奇跡のペット物語」に詳しく紹介されています。


▲「看取り犬・文福 人の命に寄り添う奇跡のペット物語」(若山三千彦 著 宝島社刊)


▲保健所で殺処分直前だった文福くん。看取り犬として、NHKで紹介されたことも。

職員の方のブログによると、コロナのために入居者の面会も外出行事もイベントも奪われた状況の今、ペットユニットでは、ペットとの触れ合いが、居者の貴重な喜びとなっているとのこと。「大切な家族であるペットに看取られて旅立ちたい、そんな切実な思いが当たり前にかなう世の中になることを切に願っています」という若山施設長さんの言葉に、心から共感しました。

取材・文/桑原恵美子

取材協力/さくらの里山科 http://sakura2000.jp/publics/index/34

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