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ラブラドールレトリーバー マリアのメラノーマ闘病記 その7

最後の選択肢。抗がん剤カルボプラチンの投与

2019年12月19日、再び手術が可能かどうかをCT検査で判断するため、総合医療センターを訪れました。この時はカミサン一人でした。結果は、心配していた肺の腫瘍らしきものは前回のCT検査からあまり成長しておらず、内臓への転移はみられないという診断結果でした。ただ、リンパが少し腫れてると伝えられました。手術をするなら今がぎりぎりの時期であり、ただしリスクの大きい手術であると説明されたのです。

マリアはガンが発症してから、毎日何事もなく日常を過ごしてきました。ここにきて手術をするか否かの選択という、苦渋の決断をしなければなりません。カミサンはそのとき、こんな心配をしていました。「下顎半分を切断したら手術後はどうやって食べるの?もし手術が失敗したら?大変な思いをしてあと何か月も生きられなかったら?・・何よりマリアは入院が本当に苦手で、そのストレスでメラノーマの進行を早めてしまうのではないの?」ボクもカミサンも、不安に押しつぶされそうでした。


12月はドッグランで遊ぶ元気もありました

翌日、12月20日。CT検査の結果を伝えに幕張動物病院へ。このころの治療はルペオールを2週間おきに注射。オゾン注入と漢方、サプリ、食事療法というものでした。

前日、ボクとカミサンが、それは、それは長い時間をかけて話し合った結果、どうしても手術に踏み切れない胸の内を先生に伝えました。先生は手術や入院によるストレスは一時的なもの、今後のメラノーマによるストレスよりはるかに少ないと言われました。

ボクたちはもちろん延命も第一ですが、化学療法(手術)の苦痛やストレスを高齢のマリアに負わせたくない。たとえ余命が短くなっても穏やかに楽しく過ごさせてあげたい気持ちは、無論、最初からまったく変わりませんでした。先生はボクたちの気持ちを尊重してくれました。

ほかの方法、選択肢として、現状維持、または進行を遅らせることができる抗がん剤を提案してくれたのです。小野先生は豊富すぎるほどの知識、見識の持ち主でした。なにかを聞いても、質問しても、その場で躊躇なく答えが返ってきます。さらにその資料まで、ささっと出してくれるのです。それは、多くの患者犬、メラノーマにおかされた犬を診断、治療し、寄り添ってきた経験からにほかありません。それが、どれだけ、ボクたちの不安をやわらげ、心強く思わせてくれたことか。そしてすぐに、手術とは別の治療方法を提案してくれたのです。臨床結果の資料をかざしつつ、カルボプラチン、パラディアなど3種類の抗がん剤の詳しい説明がありました(これもとても分かりやすいのです)。

その中のひとつが、分子標的薬(パラディア)です。以前、総合医療センターの先生が勧めてくれた薬です。私たちは聞きなれたパラディアに興味を示しましたが、実際に使用してみると、副作用の懸念があるとのことでした。そこで、カルボプラチンという抗がん剤をすすめてくれたのです。

翌、12月21日。総合医療センターの先生に連絡し、手術をしない旨を伝えました。そしてどちらの抗がん剤が良いか尋ねました。先生はしばらく返答に困ってましたが、先生ならどちらを・・・と尋ねると、「パラディアでしょうね」と答えてくれたのです。それが、わが家の究極の選択肢の決め手になりました。そしてパラディアで行こうと決心したのです。すぐ、幕張動物病院の小野先生に連絡し、「パラディアでお願いします」、と伝えました。小野先生は「そうですか、分かりました。それで行きましょう」と力強く、了解してくれました。

分子標的薬(パラディア)とは・・従来の抗がん剤は癌細胞だけでなく正常な細胞まで作用してしまうため副作用が懸念されます。が、分子標的薬は癌細胞の増殖に関わる分子だけを阻害する治療薬で、副作用を少なく抑えながら治療効果を高めることが期待でき、経口薬(飲む抗がん剤)で在宅での治療が可能です。

その日の夕方、偶然に犬友のインスタから愛犬がパラディアを服用している記述を発見。すぐ連絡して薬のことを尋ねました。彼女の愛犬は、マリアとは違うガンです。パラディアの他に痛み止めや痒み止めも服用して、そのせいか白血球の減少で貧血が酷く、今はパラディアを最小限の量に減らしたということでした。11月はその子の体調が悪い日が続き、予定してた旅行は前半の連休、後半の連休の2回ともキャンセルしたそうです。貧血の他に下痢や食欲不振、嘔吐が多少あるようでした。ちょうど連絡をした日12月21日は旅行に出掛けていました。前日まで元気だったので旅行を決行したのですが、旅行先で下痢(原因はパラディアではないとのこと)に悩まされ、ほとんど眠れなかったそうです。もしマリアが副作用で辛い日々を過ごすことになったら、何より嘔吐したら、それをまた食べさせることなど到底、無理です。そんなことを聞いてカミサンは急に怖くなったそうです。

マリアが亡くなってから6か月が過ぎ、現在、彼女の愛犬はガン発症から1年になりますが、今もパラディアを服用し、ガンの痛みや皮膚病と闘いながらも頑張っています。そして旅行やドライブにと、楽しい日常を送れています。最近知りましたが、彼女の愛犬の担当医はガンの専門医ではないそうで、パラディアも彼女が探し出し、先生にお願いして始めた治療薬だそうで驚きました。

彼女の愛犬はガン発症時、手術が不可能なほど進行していたそうです。絶望の淵からも諦めることなく、彼女の執念が奇跡を起こしたのだと思います。

今になって思えば、パラディアにしていたら、マリアはまだ生きていられたのかな・・なぁんて後悔することもあったりします。2回も服用を決めたのに、何故か、天の声が聞こえたように、直前になってキャンセルをしたのも、マリアが、介護や費用の面で負担を掛けたくないという思いやりだったのかもしれない・・とも思います。

さて、話はマリアに戻ります。幕張動物病院ではパラディアの発注も済み、12月27日から投薬を始めることに決めたはずなのに、迷惑を承知で、マリアのためにと、ボクはパラディアのキャンセルをお願いする電話を入れました。ちょうど発注先が休日に入り、運よく、発注確定前にキャンセルできたのです。代わりに、もうひとつの選択肢、いや、わが家にとって最後の選択肢となる、抗悪性腫瘍剤のカルボプラチン(抗がん剤)に変更したいとお願いすることに。その抗悪性腫瘍剤の警告として、ウェブサイトには「本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること」とあります。幕張動物病院の小野先生を信じられるからこその、選択でもありました。


マリア、最善を尽くすわよ・・・

この時期のボクたちは、マリアにとって何がベストなのか、迷ってばかりでした。お世話になってる総合医療センターの先生にはことごとく失礼をしてしまうことにもなったのです。それも、マリアの苦痛を最小限にしてあげたいという一心だったのですけれど。

そして12月27日、ついに初めての抗がん剤投与です。この日のマリアの体重は25・5kg。午前9時にマリアを預け、午後3時過ぎのお迎えです。投与前の血液検査で数値などに問題はなく、決行です。カルボプラチンは、3時間をかけて、点滴で薬を注入していくそうです。


マリア、がんばって!!

抗がん剤投与から最低でも3日間は、排泄物処理時に使い捨てのポリ手袋を着用するように指示されました。そして、抗がん剤には骨髄抑制、消化器毒性の副作用が伴います。副作用の早期発見のため、毎日、体温、心拍数を計り、併せて食欲、元気、排尿、排便の状態を一覧表に記録することも伝えられました。また、消化器系(吐き気止め)や抗生剤も処方されたのです。かなりの大ごとと言えるでしょう。


がんばるわん!

なお、本稿は抗がん剤を検証したり、効果を実証しているものではありません。わが家のラブラドールレトリーバーのマリアに対するわが家の治療方針、選択肢であることを理解下さい。

つづく

文:青山尚暉

ドッグライフプロデューサー、モータージャーナリスト。雑誌編集者を経験した後、フリーのジャーナリストに。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。愛犬家でもあり、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿に関しても詳しく、Web、専門誌、一般誌、ラジオなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言中。現在、ラブラドールレトリーバーのマリアを149カ月で見送り、ジャックラッセルのララと暮らしている(どちらも保護犬)。PETomorrowのほか、レスポンス、カートップなどでも愛犬とクルマ関連の記事を連載中。20164月には、愛犬とのドライブ旅行の集大成となるムック本『愛犬と乗るクルマ』が発売されている。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、プロデュースにも携わる。愛車はシニア犬の乗降性にもこだわった、愛犬仕様にアレンジしたステーションワゴン。

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