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ラブラドールレトリーバー マリアのメラノーマ闘病記 その4

治療方針決定。心配しなくていいよ、マリア。

2019年9月に、ラブラドールレトリーバーのマリアに発覚した悪性腫瘍のメラノーマ。まず初めに考えなくてはならなかったのが、今後の治療方針。アンテナを張り巡らし、たどり着いたのが、ルペオールというがん転移抑制剤。その効果にすがるような気持ちで期待して、完治が望めないがん、マリアとのこれからの残された日々に立ち向かう決意をしたのでした。

治療方針の決定 幕張の動物病院へ

ボクたちは、総合医療センターから帰宅したあとも、治療方法を決めかねていました。犬友だちは抗がん剤治療に難色を示す人がほとんどだったのです。犬のがんに関する本を取り寄せ、ネットで調べているうちに、気づけば4日ほど経ってしまいました。一日でも早く治療を始めないと、どんどん進行してしまいます。そこである抗がん剤でいこうと夫婦二人の意見が合い、総合医療センターの先生に連絡をしたのです。

 

その頃、ボクは並行して、知り合いの福岡にあるパーク動物医療センターの獣医、PETomorrowでも記事を書かれていて、「獣医師と管理栄養士が考えた 手作り健康ごはん100」という本も小学館から出版されている古江加奈子先生に、その抗がん剤について相談をしていました。先生と連絡を取り合うと、その抗がん剤に副作用があることを改めて知りました。しかし、「ルペオールという皮下注射なら、副作用もなく、メラノーマの進行を遅らせることができるかもしれません」という貴重なアドバイスをいただいたのです。

この時代ですから、早速ネットでルペオールを検索。ルペオールはペットのがん治療の権威でもある、以前、PETomorrowでがん治療に関する連載を持たれていた、鳥取大学農学部教授で獣医外科学を専門とする岡本芳晴先生らが研究してきたタンポポ由来の成分。局所注射および皮下注射での投与で、何もしないよりも予後が良いケースが多い治療薬ということでした。メラノーマ細胞の運動を抑え、がん転移抑制剤として特許を取得。臨床研究でも成果を得てるそうなのです。当時、まだ実用化を目指してる状況で、臨床試験を希望する獣医師の要望で2013年2月20日に「獣医学領域ルペオール研究会」を設立。研究会会員のみ供給されているがん転移抑制剤でした。

そもそもメラノーマとその治療方法ですが、鳥取大学農学部の文献を引用させていただくと、メラノーマは「皮膚などのメラニン産生細胞を由来とする悪性腫瘍の一つで、外科手術が可能であれば、外科手術が第一選択となりますが、臨床上、非常に悪性度が高く、再発を繰り返す場合が見られます。また、肺やリンパ節への遠隔転移も高率に起こります。化学療法や放射線治療については、明確な有効性が今のところ示されていません」という、極めてやっかいながんなのです。そして「まだまだ、解決すべき課題もありますが、ルペオールを用いた治療は、生体への負担を最小限にしたがん治療を行える可能性があります」と結ばれています。

分子量 426.7 のトリテルペン化合物の一種、天然にはキク科植物や果実などに含まれているというルペオールは、ボクたちが思い描いていた治療薬のように思えました。マリアが痛みや苦しみが緩和され、一日でも長く穏やかな日々を過ごしてほしい・・・そんな気持ちに応えてくれる、少しでもメラノーマの進行を遅らせる可能性があるのですから。これはもう、ルペオールで治療していくしかない!!と決意したのです。


心配しなくていいよ、マリア・・・

翌日、総合医療センターの先生に連絡し、ルペオールのことを尋ねましたが、認識がないようでした。長年マリアがお世話になり、この先生にお願いしてダメなら諦めるしかない、とまで信頼を寄せている先生でしたが、勧められた抗がん剤治療を断り、ルペオールにしたいという気持ちには変わりません。そんなボクたちの気持ちを、先生は理解し、快く承諾し、以後、応援してくれたのです。

後に、岡本芳晴先生ご本人にアドバイスいただけるようになったのは、パーク動物病院医療センターの古江先生が岡本先生の教え子であり、マリアのことを心配し、つないでいただいたからでした。こんな展開になるなんて、マリアはほんとうに幸せ犬です。

2019年10月7日。ルペオール研究会会員の動物病院は我が家から30分ほどのアクセスのよい幕張にありました。電話でカウセリングの予約をし、ボクとカミサンの2人だけで向かいました。病院に着くと、あまりにも小さな建物にびっくり。今まで、最先端の医療を施す大きな総合医療センターを訪れていたので(ボクの娘の愛犬、キャバリアのくるみちゃんもずーっとお世話になっています)、一瞬、2人で顔を見合わせ、正直、だ、大丈夫か・・・と不安になったりもしたのでした(すぐにその不安は払しょくされるのですが)。

幕張動物病院は2004年に開院。病院長の小野恵太先生は日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会、日本レーザー獣医研究会、獣医アトピー・アレルギー・免疫学会、日本医療・環境オゾン学会、MR21点滴療法研究会所属(IVC認定医)、日本ペット中医学研究会、日本伝統獣医学会などに所属する先生で、診療は30分間隔の予約診療制。ですから、待合室で長い時間、待たされることはありません。数台分ある駐車場もスムーズに止められるのです。

訪問初日の今日は、およそ1時間のカウセリング。先生の説明は、その1時間があっという間にすぎるほど、今までの臨床結果をまじえた、とても明快で分かりやすく、ほんの少しとはいえ、希望が持てる内容でした。これまでメラノーマは手術をしてもすぐに再発し、抗がん剤があまり効かないがんであり、進行が早く内臓への転移が心配されるなど、手の施しようがない病気というイメージだったのです。

幕張動物病院の小野先生は、とても前向きに、ボクたちの気持ちを尊重してくれました。たとえ絶望的な病気でも、最後の瞬間まで諦めないでいようと感じさせてくれたお話でした。オゾンや高濃度ビタミンCなど免疫力を上げる治療と食事療法を併用していくことが、よりよい方法だということも、ここではじめて知ったのです。カウセリングが終わると、それまで張りつめていた気持ちが穏やかになり、ほんの少しとはいえ、安堵できたことを覚えています。このとき、この動物病院で、小野先生とともにマリアのがん、メラノーマと闘っていこうという強い気持ちが沸き上がったことを覚えています。


「がんばるわん!」

治療方針が決まり、カミサンが近所のホームドクターに報告しに行きました。先生にルペオールのことを話すと、ルペオールについてまったく知らない様子で、予想外の治療方針の決定に驚いたようです。併せてオゾンや高濃度ビタミンCなど免疫力を上げる治療と食事療法を併用していくことを伝えると、オゾンは気休めなどと言われ、なにより手術が一番であると、がんこに決めつけられたのです。化学療法の手術に一定の効果があることは理解していますが、高齢のマリアには、どうしても手術をさせたくありません。そして愛犬の病とどう向き合っていくのか、そして近い将来の愛犬との別れをどのように迎えたいか、その選択は飼い主の自由ではないかと、カミサンはちょっと憤慨しつつ帰ってきたのでした。

後で思えば、わが家がマリアを里子に迎えた頃からこれまでずっーと親身に診てもらってきたホームドクターであり、マリアを心配するあまりのアドバイスということに、気付いたのですが。

マリアはまだまだ元気です。高齢化による足腰の衰えはあっても、食欲、お散歩に出掛ける意欲は十分にありました。もっとも、この時点で、繰り返しますが、マリアに襲いかかったメラノーマの本当の怖さを、まだ知るよしもなかったのです。

ところで、マリアは生まれながらの強運の持ち主でもあると思います。ルペオールと出会い、近くにそれを扱う「獣医学領域ルペオール研究会」に属するすばらしい動物病院があったこと、そして、これは病気そのものとはちょっと違うのですが、これまでマリアがおよそ8年間メインキャストを務め、それが1冊のムック本、マリアが表紙を飾った「愛犬と乗るクルマ」にもなった自動車専門誌「カートップ」のペットフレンドリーカー本郷研究室「CT DOG」の長きに渡った連載が、2019年10月26日発売の12月号をもって終了していたのです(最後の撮影は夏のさかりでした)。


CT DOGの誌面


マリアだらけのムック「愛犬と乗るクルマ」

マリアがまだ元気に、美魔女犬!?でいられたころ(メラノーマ発覚前)に勇退できたのですから、これもまた、崩壊した鹿児島の繁殖場から九死に一生の幸運で、地元の女性ボランティアさんにレスキューしてもらったときと同じような運の強さを持っているんだな、なんて、思ったりもしたものです。


CT DOG最終回のメインカット。マリアはいつもの笑顔です

マリアとしては毎月恒例の、仲良しスタッフとのお仕事と、マリアたちにとってこっちがより重要かもしれませんが、仕事終わりに、がんばってお仕事をしたお礼にと、編集部がふるまってくれたお台場でのわんこ焼肉!!がなくなり、寂しかったようですが、この先、あまり無理をさせられないことを考えると、連載終了はちょうどいいタイミングでした。

 
DDCAFE

とはいえ、今月末には(2019年10月のことです)、小学館PETomorrowで、マリアが長年、お気に入りで愛食してきたドッグフード、ロイヤルカナンの対談のお仕事が控えていたんですけどね。頼むよ、マリア。そのときプロカメラマンに撮影してもらった、生涯のベストショットの1枚となった写真が、それからがんばり続けた8か月後、遺影になるなんて、ボクたちは想像もしていませんでした。


2019年10月31日ロイヤルカナン対談風景


マリアも笑顔で対談に参加

つづく

文:青山尚暉

ドッグライフプロデューサー、モータージャーナリスト。雑誌編集者を経験した後、フリーのジャーナリストに。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。愛犬家でもあり、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿に関しても詳しく、Web、専門誌、一般誌、ラジオなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言中。現在、ラブラドールレトリーバーのマリアと、ジャックラッセルのララと暮らしている(どちらも保護犬)。PETomorrowのほか、レスポンス、カートップなどでも愛犬とクルマ関連の記事を連載中。2016年4月には、愛犬とのドライブ旅行の集大成となるムック本『愛犬と乗るクルマ』が発売されている。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、プロデュースにも携わる。愛車はシニア犬の乗降性にもこだわった、愛犬仕様にアレンジしたステーションワゴン。

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