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絶対に猫のヒゲを切ってはいけない本当の理由【獣医に聞いてみた】

兵藤哲夫の徒然日記

人間のヒゲは切っても切らなくても身体機能的には何の問題もありません。ヒゲを剃ったらフラフラになって歩けなくなる人はいないでしょう。しかし、猫のヒゲを切ると運動能力が極端に衰えてしまう子がいます。そのように大きなストレスを与えることになるので、特別なケース以外は、猫のヒゲを切ってはいけません。

ヒゲと一般的に言いますが、猫のヒゲは人間の様に口の周りだけに生えているのではありません。目の上や頬の横側にも生えています。個体差もありますが、だいたい50本程度が顔の周りを覆っています。ネコ科の野生動物は家猫よりも、もっと数が多くなります。

ヒゲは普通の毛に比べると、皮膚の中で約3倍ほど深く埋まっています。深く埋まっている毛根の周囲には、細かな神経がみっしりと張り巡らされています。

この神経の部分はヒゲのちょっとした動きにも敏感で、空気の流れや気圧、湿気など空中の水分量も感じることができます。したがって、ヒゲを切ってしまうと、ヒゲから得られる外界からの情報量が、極端に少なくなってしまうのです。

1)バランスよく歩けなくなる

歩く時、自分の身体が通れるすき間かどうかを知るためには、ヒゲの感覚で見極めます。ヒゲが無くなってしまうと、それもわからなくなってしまうことが多いのです。とはいえ、この感覚機能は猫によって個体差も多いので、切ってしまっても平気な猫もいます。

2)感情表現に使う

さらに、猫のヒゲは相手に感情を伝える表情のひとつでもあるようです。自分が怒っているのか、くつろいでいるのかをヒゲで表現しているという論文を読んだことがあります。緊張しているとヒゲは顔いっぱいに広げ、リラックスしているとだらんと垂らします。

3)空中の水分量を知る

昔の人が天気を知るのに、「猫が前脚で顔を洗うと雨が降る」と言いました。ヒゲについた湿気を感じていたのでしょう。ヒゲにゴミが付くと感度が鈍るので、顔を洗っていたのだと考えられています。

4)獲物の捕獲に必要

また、ネズミを捕えた猫が、口にくわえたネズミが死んでいるのか生きているのかを察知するのに、ヒゲを使っています。ネズミが生きて息をしていたら、口から離しません。ヒゲがないとこうした感覚も失われ、狩りに失敗してしまうので、外猫のヒゲは絶対にカットしてはいけません。

そんな大切なヒゲなのに、冬になると飼い主さんから「先生、うっかりストーブで猫のヒゲを焼いちゃいました」と相談されることがあります。ヒゲ自体は痛みを感じないので大丈夫ですが、ヒゲを失うと運動能力が衰えることがあるので、その場合は夜間でも少しだけ部屋を明るくしてあげたり、狭い場所で家具などにぶつからないように、注意してあげると良いですね。

抜けたヒゲはだいたい2-3ヶ月で生えてきます。また、一年に2回程度は自然に抜けます。自然に抜けたヒゲはお守りとして取っておく飼い主さんも多く、海外で、ヒゲの入った可愛い小物を見せてもらったことがあります。確かに抜けたヒゲを見つけると、何か幸せな気分になりますね。

兵藤動物病院 兵藤哲夫

麻布大学獣医学科卒業後、1963年横浜市にて兵藤動物病院を開設。ヒョウドウアニマルケア代表として公益社団法人日本動物福祉協会理事、横浜市獣医師会理事などを歴任。TBSラジオこども電話相談室の回答者などをつとめた。

文・編集/柿川鮎子

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