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全盲の保護犬「ふがえ」との生活

全盲の保護犬「ふがえ」との生活

ふがえとの生活が始まって、早いものでもうすぐ3年が経とうとしている。 たった3年かと思うかもしれないが、ふがえと過ごした時間は、なんだか何年も過ごしたんじゃないかと勘違いするほど濃密だった。 

今日はふがえとの生活をスタートした直後のことを書きたいと思う。 

ふがえが僕のところにきてすぐ、ふがえを近所の動物病院へメディカルチェックに連れて行った。 

レントゲンや血液検査など、悪いところがないか色々診てもらった。

保護団体さんから引き取るとき「推定6歳」と聞いていたが、歯石のつきかた、骨の変形の仕方

等から、おそらく8歳くらいなんじゃないか、というのが医者の診立てだった。

ふがえは元繁殖犬で、何度も出産を経験している。 そのせいなのか、背骨などの骨が極度に変形していた。 

「この状態で6歳というのならかなり過酷な生活をしてきたはずですよ」と医者から言われた。 ふがえ本人の意思に反して望まない出産を何度も強いられ、ボロボロになって使い物にならなく なり捨てられた・・・、そんな境遇を想像すると涙が止まらなかった。 

他にも、全盲であること、ドライアイ、心臓肥大、皮膚病、など色々いわれたが、特に深刻だっ たのは呼吸器の状態だった。 

ふがえの気管はとても細く、息を吸う時はほとんどぺちゃんこになってしまっているというの だ。ただただ生きているだけで息苦しいはずですよ、と説明された。 

おまけにふがえは、鼻も、鼻の穴も小さい。

元気であれば鼻の穴を広げる手術や、気管を広げる手術をすることを選択できたかもしれない

が、ふがえは麻酔を伴う手術に耐えうるかどうかとても微妙なのだという。

「飼主さんが判断してくださいね」と、難しい選択をせまられた。

これ以上ふがえの身体を切り刻むようなしたくない、そう思った僕は、大量の呼吸器の薬を処方

してもらい、毎日投薬を続けることで手術を回避する決断をした。

この決断は正しかったのか・・・。ふがえの状態が悪くなったらどうしよう・・・。 そんな、答えの出ない問題に苦しむ僕のそばで、ふがえはというというと、とてもかわいく「ふがふが」息をしていた。 生きているだけで苦しい、なんて言われているのに、診察台の上のふがえはとても楽しそうで、 笑っているようにも見えた。 

そんなふがえを見ていると、落ち込んではいられない、という気にさせられる。 ふがえを引き取る時にいろんなことを覚悟したはずじゃないか、今更落ち込んでどうする! 僕は自分で自分を奮い立たせた。 

ふがえとの生活を存分に楽しもう!

そう考えた僕は、ほどなくして引越しをする決心をした。

目が見えないふがえは、外にでると怖くて固まって動かなくなってしまう。

お散歩といってもなかなかうまくいかない。

このままでは運動不足になってしまうし、ストレスも溜まるはずた!と考えた僕は、ふがえが過ごしやすいように広いお家に引っ越しすることにした。

引っ越した家は4LDKのいわゆるファミリー物件だったが、寝室以外の壁を全部とっぱらってもらった。 さらに、ふがえが滑って足を怪我したりしないよう、家中の床にクッションマットを敷き詰めた。 こうして、玄関をあければ部屋の奥まで丸見えの、トイレの音なんかどこにいても丸聞こえの、 人間が暮らすにはちょっと不都合な、でも犬にとっては最高の「40畳室内ドッグランルーム」 が完成した。 

ふがえはこの家が気に入ったのか、完成した家のなかを我が物顔でスタスタ歩いて回った。

感心したのは、最初こそ壁にぶつかりながらぐるぐる歩いているふがえが、数時間もすると、家具 の配置や部屋の形などをちゃんと覚えて、全くぶつからずに走り回れるようになったことだ! ごはんのときなんて、すごい速さでキッチンまで走ってくる。 体を斜めにしてスピードを殺さずコーナーを曲がってくる技まで習得した。 

そして、ごはんやおやつを1回でも貰ったことがある場所は完全に覚えていて 毎日、その場所すべてを巡回する「おやつゲットポイント巡業」が日課となった。 

生きてるだけで苦しいはずのふがえは、食に対して貪欲で、環境にもすぐに順応できる。 なんともたくましい!! 

僕は、ふがえが不幸で苦しくてかわいそうな存在だと勝手に決めつけていたが、そんなことはない。

彼女は、ただ生きることしか考えていない。

最初のうちこそ、ふがえのことを可哀想に思うことがあったが、今ではふがえを尊敬する気持ちの方が強い。 

小さなことでうじうじ悩むことがある僕なんかより強くて神々しい(笑)

辛いことがあってもふがえといると元気がでるし、僕の方こそ生きる力が湧いてくる。 犬と暮らすっていうのはそういうことなんだろう。 

かくして僕とふがえの生活はスタートしたのだが、笑ってばかりはいられないふがえの闘病生活 がすぐにはじまることになる。 その話はまた今度・・・。

文/小野裕人

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