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いつかいなくなってしまう、その日まで【虹の橋を渡る日まで】

虹の橋を渡る日まで

わが家のコーギーは世界一の「かまって犬」である。いつでもどこでも、自分の相手をして欲しいと願っている。家族の傍らにぺったりくっついて、隙あらば撫でてもらいたいとワクワクしている。私は子供のころからたくさんの犬を飼ってきたけれど、こんな「かまって犬」ははじめてだ。

子犬の頃からベタベタ甘えてくる子で、ブリーダーさんにも驚かれるほど、ひとなつっこい。「かわいい」という言葉を知っていて、散歩の途中で「自分を可愛がってくれる人を探す天才」でもある。

短い前脚を使って、ねえねえと注意を促されると、可愛くてつい撫でてしまう。いったん撫で始めると気が済むまで辞めさせない。いつも昼間は主婦の私しかいないから、べったり私にくっついているけれど、夫が在宅勤務になってから、コーギー君のターゲットは夫にシフトしている。

いつもはコーギーに邪魔をされながらあわてて食べるプリンを、椅子に座ってゆっくり食べる幸せ。ソファーも犬がいないと広くてとても快適だ。でも何だか複雑な気がする。いつも隣でどっしり構えている子がいないのは物足りない。

たまに世話をするだけの夫の方ばかり行くのは、ちょっと腹がたつ。いったい、夫にどうやって甘え散らかしているのか、そっと覗いてみた。薄く開いたドアの向こうで、コーギーと夫が畳の上で仲良く寝っ転がっている。

夫は横向きになって腕枕をしながら、何やらボーっと窓の外を見ている。そのお腹にコーギーがべったりくっついている。撫でる手が止まると、短い前足で腕を「ねぇねぇ」とやる。夫はハッとしてコーギーを撫でるが、しばらくすると手が止まって、また窓の外をボーっと見る。するとまた「ねえねえ」がはじまる。

夫はいつも忙しくしていたから、あんな風に何もしないでいる姿を見るのは初めてかもしれない。コロナ騒ぎでこれからの仕事も不透明だし、いろいろ考えることもあるのだろう。でも、犬にとっては、どんな事情があるにせよ、甘える相手が増えて、幸せ二倍なのだ。

夫がボーっとし出すと、犬は「ねぇねぇ」とつつく。夫はハッと気がついて、はいはいとばかりに、頭から背中へと愛撫する。何回かやっているうちに、手が止まって何やら考えを巡らせる。するとまた、「ねえねえ」がはじまる。

そのやり取りがほほえましくも、切なくなってしまい、そっとドアを離れた。コーヒーを入れてドアをあけたら、夫と犬が大の字になって寝ていた。コーギーは夫の股の間にすっぽり入って、夫の股間を枕にして、上向きで寝ている。

あられもない姿につい笑ってしまったら、コーギーが起きてこっちにやってきた。ぶりぶりお尻を振って喜んでいる。「一人ずつ別々に相手をしてもらうのも良いけれど、二人で一緒に遊んでもらうともっと嬉しい」、と言っているような気がして、犬のいる幸せをかみしめる。この子が虹の橋を渡る日まで、こんな生活が続くと良いな。

文/柿川鮎子

「犬の名医さん100人データーブック」(小学館刊)、「犬にまたたび猫に骨」(講談社刊)、「動物病院119番」(文藝春秋社刊)など。作家、東京都動物愛護推進員)

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