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愛犬の被毛でブランケットやマフラー、セーターが作れる!

愛犬の毛100%で作るブランケット

愛犬をブラッシングした時の抜け毛、みなさんはどうしているだろう?

私の場合、被毛の1本1本も愛犬の命から生まれたものだと思うと愛しくてならず、処分する気にはなれなくて15年分近くごっそりと溜め込んである。

それでいつか何かの形で愛犬の“分身”を作ってみたい…なんて考えていたのだが、同じような人はいるのではないだろうか。

そんな愛犬への想いを形にしてくれるのが、繊維製造やアパレル、テキスタイル*工学のプロフェッショナル集団【いぬのけテキスタイル】(運営:CAFUNE’/カフネ、代表:唐木美帆さん)である。使用するのは、そう、100%愛犬の被毛。

*テキスタイル=織物や編物、布地全般のこと。

愛犬の被毛でブランケットやマフラー、セーターが作れる!

まず、下の写真をご覧いただこう。これは、シベリアン・ハスキーの被毛100%でできたマフラーなのだ。なんとも風合いがあり、温かみを感じる仕上がりではないか。雪原を走るS・ハスキーの凛々しささえも感じるような気がしてくる。

さらには…。


秋田犬の被毛100%で作られたブランケット。赤毛の秋田犬らしい色合いと、日本原産犬としての渋みも感じられる。


同じ日本犬でも、こちらは黒柴。テキスタイルならではの美しい編み目が並ぶ。


ゴールデン・レトリーバーの被毛100%でできたマフラー。お洒落なきこなしにも、カジュアルファッションにも使えそう。愛犬との散歩やお出かけの時に身に付ければ、ほんとうの意味でのおそろい!


サモエドの被毛100%でできたブランケットは、見るからにふわっふわで高級感も漂う。こうして仕上がった商品は、木工業が盛んな三重県で作られた桐箱に入れてお客さんにお届けする。

試行錯誤の末に編み出した犬の被毛100%による紡績技術とテキスタイル化

私がこれまで取材を重ねてきた中でも、愛犬の被毛を毛糸に紡いでセーターを編んでいる飼い主さんはいらしたが、実際のところ、犬の被毛を糸にするのはなかなか難しいという。

それは、【いぬのけテキスタイル】のメンバーをもってしても同じであり、当初は困難を極めたという話である。

なぜなら、犬の被毛はとても繊細で、犬種による差や個性もあるのに加え、【いぬのけテキスタイル】が求めたのは、職人さんたちの丁寧な手仕事による高級アパレルのクオリティーをもったテキスタイル化であったからだ。

つまり、手作り品とはまた違った、「日本のクラフトマンシップ」に重きを置いた“ものづくり”を目指したのである。

さらには、「犬の被毛100%で作る」というこだわりもあった。

そのために様々な犬種の被毛を検討することはもちろん、前処理の工程など試行錯誤を重ね、綺麗な糸を安定して紡ぐには熟練の技術が必要とされる昔ながらの糸車を用いて、苦心の末に満足のいく糸を紡ぐことに成功。


「日々のブラッシングを“いぬのけの収穫”“愛犬からの贈り物”と捉えていただくことで、少しでもポジティブなものに変われば素敵だと思います」(唐木さん)

テキスタイル化するのであれば、現代的な紡績機(糸を紡ぐ機械)のほうがいいのでは?と思うかもしれないが、然にあらず。前出のように犬の被毛は繊細かつ個性もあるため、それぞれの性質や条件に合わせてスピードや撚りを調整しなければならず、それには手動の糸車が向くそうだ。

こうして紡績の専門家でさえ、「ウール原毛を30~50%混紡しないと、犬の被毛だけで紡ぐのは難しい」と言っていた壁を乗り越えた次には、テキスタイル化の難題が待ち構えていた。

これも現代的なコンピューター制御の編み機ではかえって対応できず、辿り着いたのは昭和30~40年代に製造され、今ではほとんど現存していない国産の工業用手動編み機であった。そして、パリコレや国内外有名ブランドの製品を手掛けて50年以上という大ベテランの力を借りてテキスタイル化にも成功したのである。

それとて、糸の扱いや機械の微調整に四苦八苦の連続だったという。


テキスタイル化に成功しても、単なる「布」では意味がないと、犬らしい「ふわふわもふもふ感」と「風合い」を追求。

愛犬の命が形を変えて蘇る喜びと愛しさ

【いぬのけテキスタイル】を運営するCAFUNE’代表の唐木美帆さんが、ご主人との間で、互いがかつてともに暮らしていた犬について話していた時のこと。

「あのコの毛を取っておいて、何か作ればよかった」「犬の毛を紡いでブランケットが作れないかな?」という会話が生まれたことがきっかけとなり、2016年にスタートさせた【いぬのけテキスタイル】のプロジェクトは、経済産業省中小企業庁の創業支援事業において、採択率3%という狭き門をくぐり抜け、準備資金の一部援助を得ることができ、昨年はクラウドファンディングにて目標額の767%を達成。昨年末にwebサイトの全面リニューアルとともに受注生産を開始した。


【いぬのけテキスタイル】での売り上げの一部は動物愛護団体に寄付される。

作り手の想いと職人技がたっぷりと活かされた【いのぬけテキスタイル】をすでに利用しているお客さんには、「亡くなった愛犬の想い出に」「愛犬の分身を作りたい」「愛犬を撫でていた感触が忘れられず、手触りを形として残したい」という人が多いようだ。

実際にマフラーやブランケットに姿を変えて戻ってきた“愛犬”を手にしたお客さんからは、「あのコが帰って来てくれた」「家族みんなで涙が出た」「いつか自分が死んだ時、棺に入れてもらうものができた」などの言葉が寄せられているという。

唐木さんは、「犬たちそれぞれの被毛そのものが“作品”であり、その魅力をテキスタイルの形で最大限に引き出せるよう心がけています」とおっしゃる。

作品は命を吹き込んでこそ作品と言える。だとすれば、命ある犬たちだからこそ、マフラーやブランケットに姿を変えても美しく、個性的で、輝きをもち、そして何より愛しいと感じさせてくれるのだろう。

【いぬのけテキスタイル】は、まさにそんな犬たちの命と、飼い主さんと愛犬との絆、歴史を紡いでいるのだ。

【商品情報】
◆対応犬種
➢ ダブルコートで中毛~長毛の犬種(短毛種については将来対応できるよう、現在研究中)
➢ 対応可能な犬種例:日本犬全般/ジャーマン・シェパード・ドッグ/シェットランド・シープドッグ/ラフ・コリー/ボーダー・コリー/ウェルシュ・コーギー(ペンブローク/カーディガン)/バーニーズ・マウンテンドッグ/グレート・ピレニーズ/セント・バーナード/ニューファンドランド/アラスカン・マラミュート/ポメラニアン/スピッツ、ミックス犬など
◆被毛についての注意点
➢ 集める毛はなるべくアンダーコート(綿毛)。
➢ 洗わずに保管、送付を。
➢ カットした被毛は繊維が短く、多く混じると糸を紡ぐことができないため、なるべく混ざらないように。
➢ 被毛100%で作るのが難しい時は、ウール原毛を少量混ぜて作る場合もある。
◆商品の種類
➢ いぬのけブランケット 8万円(税別)
➢ いぬのけマフラー 6万円(税別)
➢ いぬのけテキスタイルmini 1万5,000円(税別)
➢ いぬのけセーター 20万円(税別)

その他、詳しことは下記【いぬのけテキスタイル】のホームページでご確認を。

関連サイト:
【いぬのけテキスタイル】(CAFUNE’)
https://inunoke-tex.com/

写真提供:
【いぬのけテキスタイル】(CAFUNE’)

取材・文/犬塚 凛(ドッグジャーナリスト/犬もの文筆家)

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