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オーストラリア大火災でコアラを救う犬たち

オーストラリア大火災でコアラを救う犬たち

新型コロナウイルスと並び、大きな問題となっているのが、依然として続いているオーストラリアの大規模森林火災である。昨年の7月末に火災発生以来、5ヶ月経ってもまだ火は消えていない。


NASAの撮影による2020年1月4日時点での森林火災の様子。首都キャンベラの周辺に見えるのは雲ではなく、火災による煙/©NASA

この記事を書いている今も、オーストラリアのヴィクトリア州政府による「森林火災管理」のサイトを見てみると、火災が起こったことを知らせる警告が発せられており(*1)、1月31日にはオーストラリアの首都であるキャンベラ周辺に非常事態宣言が出されたという。


Photo by Joanne Francis on Unsplash(注:写真はイメージです)

焼失面積は約1,000万ヘクタール。と聞いてもピンとこないが、日本だと北海道より広い範囲にあたるのだから、かなりな広さである。

シドニー大学の発表によれば、この森林火災で焼死した動物(哺乳類・鳥類・爬虫類)は、ニュー・サウス・ウェールズ州だけでも推定8億頭以上(*2)。

ご存知のようにオーストラリアにはカンガルーやワラビー、コアラ、ウォンバットなどの有袋類の他、カモノハシやハリモグラなどの単孔類(卵生哺乳類)、そしてヒトや犬、猫などを含む有胎盤類の3種の哺乳類が棲息する極めて貴重な大陸である。

これら哺乳類だけでも300種以上が存在し、そのうち特徴的な81%の種はオーストラリアのみで発見されているそうだ(*2)。


Photo by Kevin Bosc on Unsplash(注:写真はイメージです)

こうした貴重な動物種の絶滅も危惧する声が聞こえてくる中で、生き残ったコアラの救出に活躍する犬たちがいることをご存知の方も多いことだろう。

1頭は、その名を「ベア」という。子犬の頃に行動上の問題である強迫性障害のために飼育放棄されたものの、コアラ探知犬としての道を得ることができ、今やベアは世界に知られる犬となった。

(ベアの写真はこちら)

https://twitter.com/dog_rates/status/1197575442280017921

ボーダー・コリーとオーストラリアン・クーリーとのハーフであるベア(6歳、オス)は、ハーダー犬種らしくきびきびとした動きと利発さを感じさせる。


Photo by Ethan Brooke on Unsplash(注:写真はイメージです)

もう1頭は、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルのテイラー(4歳、メス)。コアラの毛や糞〔フン〕の匂いに反応するようトレーニングされており、コアラの痕跡を見つけると、その場にフセをして知らせるのである。

そのトレーニング風景は下の動画で見ることができるので、興味のある方はご覧いただきたい。

https://youtu.be/Wd2P4vBu0fI

トレーナーのライアン・テートさん曰く、この2~3ケ月の間でテイラーは生き残ったコアラ8頭を発見し、そのコアラたちはポート・マッコリー(ニュー・サウス・ウェールズ州)にある病院で手当てを受けている、と。

テイラーはコアラの他にウサギやネズミなど数種の動物を探すトレーニングも受けているそうだが、現状では、このような探知犬が重要な手段になっているという。

もともと犬は猟をし、遊びもする。ゆえに、コアラ捜しは彼らにとって一つのゲームなのかもしれないが、間接的であれ、他の命を救うことにつながっていることは、やはり賞賛に値すると思う。

いや、犬が自ら他の命を救うことは珍しくないので、間接的と言ったら彼らに失礼かもしれないが。

ともあれ、こうした犬たちを見ていると、新型コロナウイルスの騒動にしろ、人間は種を超えて互いに助け合っているか?とふと考えてしまう筆者なのであった。

参考資料:

(*1)State Government of Victoria, Forest Fire Management Victoria, Emergency Management Victoria

https://www.ffm.vic.gov.au/

(*2)THE UNIVERSITY Of SYDNEY「A statement about the 480 million animals killed in NSW bushfires since September」(3.1.2020)

https://sydney.edu.au/news-opinion/news/2020/01/03/a-statement-about-the-480-million-animals-killed-in-nsw-bushfire.html

(*3)AUSTRALIA「オーストラリアへようこそ/オーストラリアの動物」(日本語版)

https://www.australia.com/ja-jp/facts-and-planning/about-australia/australias-animals.html

文/犬塚 凛(ドッグジャーナリスト/犬もの文筆家)

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