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「犬が殺される」動物実験の闇を探る

「犬が殺される」動物実験の闇を探る

犬や猫を飼っているからこそ、同じ犬や猫が実験動物に使用されている現実から目を逸らしてはならないような気がします。もちろん、人間の命のために、動物実験の必要性については理解できますが、それでもできるだけ苦痛なく、実験は必要最低限にとどめて欲しいと、誰もが願っています。

「犬が殺される」(同時代社刊)という衝撃的なタイトルの本は、日本の実験動物に関する渾身のルポルタージュです。著者の時事通信文化特信部記者の森映子さんが、実験動物を扱う獣医大学や製薬会社から行政、国会議員まで、6年もの歳月をかけて徹底的に取材しました。

動物の病気を治すための獣医大学では最近まで、毎日開腹して縫って、また切るという実験を繰り返していたそうです。また、同じ犬を複数の手術で5日間使うという実習があったというのには驚きました。

何より驚いたのはこうした動物を使った実験に関して、日本は世界の水準からかなり遅れているという点でした。著者はそんな行政に対し、実験動物施設一覧、見取り図の情報公開を求めて、猛省を促しています。

特に農薬毒性試験は、欧米がとっくの昔に廃止したのに、日本はそれから5~10年も遅れて廃止されたという事実にも驚かされます。日本の官僚は優秀だと思っていたので、これにはがっかりです。

今まで何気なく買っている化粧品、シャンプーなど日用品の開発の陰に、こんな恐ろしい実験が行われていたと知って、これからは調べて買うべきだと気づきました。

胃弱の私は読みながら吐き気を感じる部分も多く、読了するのには時間がかかりました。特に犬好きの飼い主さんには辛い内容ばかりです。だからこそ、実験動物だった「しょうゆ」ちゃんが、譲渡された先で幸せに暮らしている写真を見るとほっとします。

また、著者が取材拒否にあったり、規制導入に関して厳しく突っ込むインタビューの様子もリアルで、真実を書いた、信頼できる一冊であることが伝わってきます。

既成概念を覆すのは難しく、実験動物に関しても理想のやり方を目指すのは遠い道のりではあります。しかし、「日本では実験動物に関していろいろな問題が存在している」という自覚を私達飼い主がもつことで、少しずつ大きな流れを変えることはできるかもしれません。

読むのはかなり苦しい本ですが、それでも、犬や猫を愛する私達だからこそ、この実態をきちんと知っておくべきだと思います。多くの人々の関心と世論の高まりこそが、不幸な実験動物を減らす、確実な手段のひとつです。

文/柿川鮎子

「犬の名医さん100人データーブック」(小学館刊)、「犬にまたたび猫に骨」(講談社刊)、「動物病院119番」(文藝春秋社刊)など。作家、東京都動物愛護推進委員)

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