2021-09-09 動物と暮らすために必要なものが凝縮されている『犬と私の10の約束』 本犬犬と私の10の約束 ペットには飼い主しかいない。『犬と私の10の約束』 筆者は犬派か猫派かと聞かれたら、猫派だと即答するほどの猫バカであることを自覚している。しかし、そんな猫まみれな頭の中にずっと印象深く残っている犬本が一冊だけある。それが『犬と私の10の約束』(川口晴/文藝春秋)だ。この書籍には、動物と暮らすために必要なものが凝縮されているような気がしてならない。 本作は女優・田中麗奈さん主演で映画化もされた人気作。「犬の十戒」が物語のモチーフになっていることでも話題を呼んだ。おそらく、映画館まで足を運んだりテレビで見たりした方も多いのではないだろうか。 主人公は母親を亡くした12歳の女の子・あかり。親の死を経験し、孤独に打ちひしがれていた少女の心を救ったのは、迷いこんできた1匹の子犬・ソックス。ソックスは犬嫌いの父親の布団にもぐったり、クラスメイトと遊んだりし、あかりの日常を明るく照らしていく。 しかし、年を重ねるにつれ、あかりの心は徐々にソックスから離れていってしまう。あかりは変化していく人間関係や仕事、恋愛などソックス以外に気持ちを注力するようになっていく。こうしたあかりの姿は一見、ひどく映るかもしれない。しかし、動物と暮らした経験がある人ならば、少し気持ちが分かる部分もあるのではないだろうか。 例えば、残業続きでくたくたになって家に帰った時。お風呂に入ったり食事をしたりする気力さえないのに、愛犬や愛猫が遊んでほしいと催促してきたら「休ませてほしい」とモヤモヤしてしまうことはあるように思う。 恋愛が順調な時は彼氏や彼女に1秒でも早く逢いたいのに、出がけに愛犬や愛猫がイタズラや粗相をし始めると、うんざりしてしまうこともあるだろう。人間は感情を持ち合せている生き物。愛犬や愛猫が心の奥に隠している本心を見て見ぬフリし、自分の生活を優先してしまうことだってあるはずだ。 だが、この小説を通して「犬の十戒」を知ると考え方が少し変わる。動物の命は私たち人間の命よりもはるかに短い。その事実を改めて実感すると、目の前にいてくれる命が愛おしくなるのだ。 「たくさん話をして下さい」「年を取っても見捨てないで」など、本作に記されている「犬の十戒」は犬だけでなく、猫やうさぎ、ハムスターなど人間と暮らしているすべての動物にも当てはまるように思う。 私たち人間にはいくらでも外の世界がある。自分の足で新しいワクワクを探しに出かけたり、心を満たしたりこともできる。その時の心理状態や状況によって友人や恋人など、話をする相手を選ぶことも可能だ。しかし、ペットには飼い主しかいない。一番話したい相手、遊びたい相手、寄り添いたい相手、最期を看取ってほしい相手、そのすべてが飼い主なのだ。小さな命を家に迎える時、私たちはそれを忘れてはいけない。 近ごろは年老いたペットを身勝手な理由で捨てたり殺処分依頼をしたりする飼い主も多くなっていると聞く。そんな時代だからこそ、本作を手に取り、出会った頃のあの気持ちを今一度、思い出してみてほしい。きっと、自分が忘れかけていた大切なものに気づくはずだ。 文/古川諭香 \ この記事をみんなにシェアしよう! / この記事をみんなにシェアしよう! ボディケア用品からお菓子まで!猫好きな彼女や妻に喜ばれるホワイトデーギフト4選 (3.3) 愛犬がまさかの“犬嫌い”…その原因はどこにあるのか? (3.1) 亡くなったペットは死後も近くにいるの?夢に出たり、ときには帰ってくることも… (2.26) 猫の辞書に「よく噛んで食べる」という文言は無い! (2.26) 注目のグッズ 犬猫どっち派?村松誠の「2021年版 犬猫カレンダー」 ドラえもんに大変身!犬猫用『ドラえもん コスチューム』 ボディケア用品からお菓子まで!猫好きな彼女や妻に喜ばれるホワイトデーギフト4選 【猫クイズ】短足・小型・巻き毛が特徴の「ラムキン」ってどんな猫種? 愛犬がまさかの“犬嫌い”…その原因はどこにあるのか? ぼくたちは猫を育てているのではない。猫に育てられているのだ。 \ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! / PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! Facebook にいいね!する Twitter をフォローする Instagram をフォローする Pinterest をフォローする