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「フランダースの犬」作者ウィーダの意外な正体

「フランダースの犬」作者ウィーダの意外な正体

「パトラッシュ、もう疲れたよ」で有名なフランダースの犬の作者はウィーダ(Ouida)という不思議なペンネームをもつ女性でした。ウィーダ女史は愛犬家で野良犬を自宅に保護し、動物愛護活動家としても知られていました。

彼女の墓には犬の彫刻が寄り添い、動物が飲むための水飲み場が設置されました。そこには「動物たちが水を飲むたびに、動物を愛した彼女の優しい魂が和らぎますように」と刻まれています。

ウィーダ女史は本名マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー (Marie Louise de la Ramée、1839~1908年)で、フランス人の父とイギリス人の母のもと、イングランド東部に生まれました。20歳そこそこでロンドンへ上京し、作家として活躍します。

イギリス上流階級の生活や暮らしぶり、パーティでの様子や恋愛話などの軽い読み物でデビューしました。当時のイギリスでは中産階級の女性が活躍する時期でもあり、こうしたスキャンダル路線の読み物は、女性たちの間で大人気だったのです。

20歳でデビューしたウィーダ女史もたちまち社交界の人気者となりますが、オペラ歌手との大恋愛に敗れ、ロンドンを去る決意をします。

ロンドンを脱出してヨーロッパ各地を転々としながら、失恋で傷ついた心を癒します。その旅の途中、ベルギー北部のフランドル地方で印象的な少女と出会い、新たな小説への道を切り開きます。

この少女をアロアのモデルとし、犬のパトラッシュ、主人公のネロを登場させて「フランダースの犬」を完成させました。犬好きなウィーダ女史は、パトラッシュを最後まで主人公に寄り添う大切なパートナーとして描いたのです。

パトラッシュはセント・バーナードによく似た犬として描かれることが多いのですが、原作ではブービエ・デ・フランダースという犬種です。

旅を終えたウィーダ女史はイタリア・フィレンツェに新しく居を構え、積極的に執筆活動を行いますが、再び辛い失恋をしてしまいます。心無い噂や中傷から逃れるためにローマへ行き、その後、ロンドンに帰ります。

ロンドンに戻った彼女は盗難事件など、人間不信に陥るさまざまな事件に出会い、犬に心を寄せるようになります。動物愛護活動にのめりこみ、彼女の邸宅は数十頭の犬であふれかえり、近所の人々から「犬屋敷」と呼ばれました。

それでも彼女は「可哀想な犬たちを自分が助けなければならない」と、固い決意をもって、野良犬を屋敷に連れ込み、食餌を与え続けました。彼女がいつも身に着けていたロケットには、亡くなった最愛の犬の写真が入っていました。

当時のイギリスでは動物福祉という概念は一般的ではなかったので、ウィーダ女史の動物愛護活動は社会に受け入れられず、経済的にもひっ迫して苦しい最後だったようです。

現在、イギリスの動物保護活動は世界でも進歩的であると言われており、その礎のひとつとなったのがウィーダ女史の活動でした。世界初の動物愛護協会設立に携わったウィーダ女史の犬に対する深い愛情を知った上で、「フランダースの犬」を読むと、また違った印象を受けるでしょう。

文/ 柿川鮎子

「犬の名医さん100人データーブック」(小学館刊)、「犬にまたたび猫に骨」(講談社刊)、「動物病院119番」(文藝春秋社刊)など。作家、東京都動物愛護推進委員)

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