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障害を持つママさんと愛犬アルくんの物語

障害を持つママさんと愛犬アルくんの物語

体の不自由な方の手助けをする介助犬。一般的なペットとは違い、専門の介助動作を身につけた無くてはならない大切なパートナー。

ですが、そんな介助犬が年を重ね、足腰が不自由になり、「要介助」になってしまったら。。。

これは、生まれながらに障害を抱え、介助犬に支えられてきた一人の女性が、体が不自由になってしまった介助犬のお世話をしながら、日々楽しく、強く生きるお話です。


元介助犬のアル君。15歳

「私は生まれてすぐに脳性まひ(手足がうまく動かせない)と未熟児網膜症(目がよく見えない)という障害を持ちました。アルは私の2頭目の介助犬で2歳4か月の時にコンビを組みました。アルとは出会った時に『この子だ!』と直感しました」(Yukiさん)

Yukiさんとアル君が出会ったのは約13年前。

以来、100近くの言葉を聞き分けてサポートしてくれるアル君は転びやすく受け身ができないYukiさんを優しくサポートしてきました。日常生活はもちろん、仕事や旅行に行けるほど支えてくれたといいます。


チャームポイントのピンク鼻は役立つお鼻


鼻プッシュでボタンやドアノブを扱うお仕事が得意でした

出会った当初からとても相性がよかったという2人。

思い出深いエピソードを聞いてみると、、、

「普段の生活の中で時々、敢えてでこぼこ道やきつい坂のあるルートを通り、アルと共同作業で乗り越えるのを楽しんだりもしました。介助犬と協力することでずっとできなかったことができるようになる、例えば一人では行けなかった坂の上のお店に行けるといった体験はとても嬉しいものでした」

「私は生まれてすぐ障害があったので、事故や病気で障害を持った方のように昔できたことを『取り戻す』のではなく、一度もできなかったことを『獲得する』経験なんです。この嬉しさ、わくわく感、想像してみてください」(Yukiさん)

アル君が来てくれたことで新たな喜びと発見が芽生える充実した日々。

さらにアル君は訓練したわけでもないのに、徐々に視力が弱くなっていくYukiさんの目の役目も果たし、危険な階段から遠ざけてくれるなど、たびたび助けてくれたと言います。

それは、アル君の生まれながらの優しさ、2人の絆が生んだ賜物。


病院のエレベーター。上下ちゃんと間違わずに押してくれた


長所も欠点もたくさんあったけど、一緒に行動するのが楽しかった

そんなアル君は12歳の終わり頃に介助犬を引退。その後は家庭犬(ペット犬)としてYukiさん家族と過ごしてきました。

普通の家庭犬となり穏やかな日々を過ごしていたアル君ですが、高齢のため徐々に足腰が弱り、立ち上がることもままならない状態に。15歳を過ぎた今年の夏頃から、それまで介助してもらっていたYukiさんがアル君を「介助」する立場になったのです。


介助犬だったアル君は“要介助犬”へ

「最初は立ち上がりの補助だけでしたが、今は食欲が落ちて手作り食を毎日作るようになり、ごはんを食べるのにも介助が必要になりました。時々尿漏れもするようになったのでおむつをして、だいぶ本格的な介護になってきました」(Yukiさん)

それを機にYukiさんは「#昔は介助犬今は要介助犬」というタグを作り、アル君との日常をSNSで紹介しています。

「私はひとり暮らしなので、友人たち、往診してくれる獣医さん、訪問してくれるトリマーさん、そして近くに住んでいる母の協力も得て、アルを支えています」

「アルは腎不全のため、毎日の皮下点滴が必要ですが、自宅でのんびり点滴が受けられるので快適そうです。世話は大変でも、アル自身は以前と同じ優しく楽しい犬なので、介助犬だった頃も、引退して普通の家庭犬だった頃も、介護が必要な今も、楽しい暮らしです」(Yukiさん)

一時期、アル君の体調が優れず、危険な状態になったこともあったそうですが、現在は元気も取り戻し、精一杯生きているアル君。過去にはこんな奇跡も!

「実は以前、アルはガンになり余命半年と言われましたが、寛解して4年以上生きています。あの時死んでいたかもしれないと思えば、要介助・要介護になることや、高齢犬に多い慢性腎不全になったことにも『こんなになるまで長生きできた』という感謝の思いがあります」(Yukiさん)

常に慎重で、状況判断が得意で、誰よりも気遣いができたアル君。アル君との日々はYukiさんにとって、かげがえのないものになっているはず。

〜昔はアルの補助で私が立ち上がって「共同作業成功!」と大喜び。
今は私が補助してアルが立ち上がりやっぱり「共同作業成功!」と大喜び。
どっちも犬と人の息が合わないとできないんだよ。

〜寝姿を見てると、ああ老犬は子犬に還っていくんだと思う。
2歳半でコンビを組んだアル。
私の知らない子犬時代をやっと体験できたよ。

〜要介助犬でも寝たきりになってもボケてもいいから、ずっと相棒でいてよね。

最後、アル君への感謝の想いや伝えたいことをYukiさんに尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「アルへの想いは毎日本人に話しかけていますが、それは、アルと私の大切な話なので誰にも教えません。現在アルは15歳9か月。13年5か月という長い時間で生まれた思い出や感謝の想いは二人だけの秘密にしておきます」

アル君・Yukiさんツイッター
https://twitter.com/yuki_nicky_al

取材・文/太田ポーシャ

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