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犬が避妊去勢手術をするとやっぱり太るの? 避妊去勢手術と肥満・病気との関係

 避妊去勢手術と肥満・病気との関係

皆さんの愛犬は、避妊または去勢手術をしているだろうか?

日本においては、望まれない命を増やさないため、また、生殖器系の病気を予防する観点からも、繁殖をしないのであれば避妊去勢手術をしたほうがいいという意見は多い。

しかし、避妊去勢手術をしたことによる弊害はないのか?というのは気になるところでもある。

そこで、ここ最近、避妊去勢手術に関連した研究報告が続いたので、二つばかりピックアップしてみたいと思う。

一つは、メス犬における避妊手術と尿失禁(早期発症型)との関係。

避妊手術をしたことにより、性ホルモンが分泌されなくなるが、この性ホルモンは尿道の括約筋の収縮に関連すると考えられ、それが分泌されなくなることで括約筋の働きが緩み、尿失禁を起こすことがあるそうだ。

イギリスの王立獣医大学の研究グループは、避妊手術と尿失禁との関連性を見るため、2010年~2012年の2年間に生まれたメス犬7万2,971頭を2018年まで追跡調査を行った(*1)。

その結果、避妊手術後の尿失禁の発生率としては0.68%ながら、生後1年以内のメス犬で比較した時、避妊手術を受けたメス犬は尿失禁のリスクが2.12倍になるという。

また、生後6ヶ月未満で避妊手術を受けた犬と、生後6ヶ月~12ヶ月未満で手術を受けた犬とを比較した場合は、前者のほうが術後1年以内に尿失禁を発症するリスクは1.82倍であったそうだ。

ただし、リスクが上昇するのは術後の2年間で、生後6ヶ月~12ヶ月未満で避妊手術を受けた犬と、それ以降で手術を受けた犬とではそれほどの差はないとのこと。

犬種での比較では、アイリッシュ・セッター、ダルメシアン、ハンガリアン・ヴィズラ、ドーベルマン・ピンシャー、シャーペイ、ワイマラナー、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、ボクサーの8犬種で避妊手術後の尿失禁発症のリスクが高かったそうだ。

さらに体重で見ると、30kg以上の大型犬は10kg以下の犬と比べて尿失禁のリスクが3.86倍高いという。そんな中、小型犬で唯一リスクの高かったのがウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア。

これらの結果を踏まえ、研究者は、「大きな理由がある場合を除き、大型犬やリスクの高い犬種では、生後6ヶ月未満での避妊手術は慎重に考慮するべきことを示唆している」と述べている。

さて、二つめの避妊去勢手術に関連する報告は、肥満との関係である。

デンマークで行われたこの研究は、本来、肥満の危険因子となるものを探る目的ではあるのだが、その中にやはり避妊去勢手術に関するものが出てくる。

飼い主が肥満や太り過ぎであると飼っている犬も肥満リスクが高い、1日1食の犬は肥満リスクが高くなるなどと並び、避妊去勢手術に関しては次のとおりである。

去勢手術を受けたオス犬は、手術をしていなオス犬に比べて肥満リスクが高くなるが、メス犬の場合は避妊手術の有無でそれほど差がないという(*2)。

これについて研究者は、「オス犬のテストステロンの循環レベル低下が関係している可能性がある」としている。人の場合、テストステロンの不足は代謝率やタンパク質代謝と関連するそうだ。

また、手術に関係なく年齢のみで見た場合、メス犬では加齢するにしたがい肥満リスクが高まるのに対して、オス犬はあまり変わらないか、もしくはリスクが減少するようである。

尿毒症にしろ、肥満にしろ、リスクがあるからといって、それがすなわち避妊去勢手術はしないほうがいいということではなく、少なくともリスクを考慮しつつ手術をするかどうか、その時期など判断する必要があるということなのだろう。

現在、避妊去勢手術が勧められる欧米諸国では、同時にペットの肥満率も高くなっており、そうした実情を踏まえて手術や生活環境を考えるべきであるとの意見は確かにある。

 

参考資料:

(*1)Associations between neutering and early‐onset urinary incontinence in UK bitches under primary veterinary care / C. Pegram et al. / PETSAVERS PAPER, 7 October 2019, via Wiley Online Library, Doi: https://doi.org/10.1111/jsap.13072

(*2)Neutering increases the risk of obesity in male dogs but not in bitches — A cross-sectional study of dog- and owner-related risk factors for obesity in Danish companion dogs / C.R.Bjørnvad et al. / Preventive Veterinary Medicine, Volume 170, 1 October 2019, 104730, Doi: https://doi.org/10.1016/j.prevetmed.2019.104730

文/犬塚 凛(犬もの文筆家)

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