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五徳猫、その不思議な習性【異形の猫】

異形の猫

みなさんは、五徳と呼ばれる道具をご存じだろうか。

今ではほとんどそれ単体では見かけなくなったが、五徳とは火鉢や囲炉裏に被せて、鍋ややかんを乗せて火をくべるためのものである。

最近ではガスレンジに五徳がそのまま接着されているので、「五徳のイメージがわかない」と思ったら、今お使いのその機械で検索してみることをおススメする。

さて、五徳とは前述のように火の上に被せるものである。
が、これを頭に被った猫の記録というものもある。

それが五徳猫だ。

五徳猫、その不思議な習性

五徳猫とは、簡単に説明すると猫又の類である。

例によって長生きし、妖力を身に着けた猫なんだけども、この猫又は普通の猫又とは違ってあまり恐ろしくない。

なにせ民家においては囲炉裏の前に座り込んで、人間がやるのと同じように火をくべているだけなのだ。

本当に、それだけ。

それ以外に何をどうしたかという記録の一切がない。

そして、ここからが五徳猫の可愛い一面なのだが、彼が囲炉裏の中の五徳を頭に王冠のように被っているのである。

その状態で、延々と火を見つめる。それだけの妖怪なのだ。

なんで五徳を被るのか?

さて、五徳猫が頭に五徳を乗っけているには理由というか、元ネタがある。
五徳猫を描いて記録にしたためたのは、江戸時代の著名な妖怪画家、鳥山石燕。

石燕の記した五徳猫の項目には「七徳の舞の二つ忘れて五徳の〜」云々の記述があるが、これは『徒然草』に登場する信濃行長という人物の話に起因しているとされる。

行長は聡明であったが、あるとき七徳の舞という七つからなる踊りのうち、二つを失念した。そのために五徳の冠者と不名誉な呼び名をつけられることとなったそうだ。

転じて五徳猫を描く際、石燕はこれにかけて語呂合わせをした、というのである。

「なんだか、あんまり面白くない」と感じてしまうが、それは昔の人の、それも画家のユーモアなので仕方がない。

おわりに

で、実際にこの五徳猫については、これ以外にどこそこで目撃されたとかいうような話もない。つまり石燕の創作という線が濃厚なのであるが、様々な妖怪がそうであるように、存在しなかったものを人々が認知することに意味がある。

妖怪は実在こそしないが、それでも人々の心を長年惹きつけ続けている。

のちに水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』で五徳猫は何度も姿を見せることになるが、これこそまさに創作物が具現化し、認識されていった証ともいえる。

大勢に存在を知られることで、妖怪は永遠にも近しい命を得るのだ。

文/松本ミゾレ

イラスト/今井美保

東京生まれ。少女マンガ誌でデビュー後いくつかの連載を経て、妖怪マガジン「怪」(角川書店)の「第一回怪大賞・京極夏彦賞」を受賞、妖怪漫画の道へ。イラストや漫画をほそぼそと描きながら暮らしている。

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