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「ネコ・かわいい殺し屋」の内容が衝撃的すぎる

「ネコ・かわいい殺し屋」の内容が衝撃的すぎる【ブックナビ】

絶滅した爬虫類、鳥類、哺乳類の14パーセントの種で、野良猫が主な原因であるという研究結果がある。また、鬱、双極性障害、強迫神経症、統合失調症などの精神疾患は、猫から人に感染するトキソプラズマ症と何らかの関連があるらしい・・・・・・愛猫家にはかなり衝撃的な内容が次々と紹介されていました。

猫ブームと言われ、猫の魅力を紹介するたくさんの本の中で、異彩を放っているのがこの「ネコ・かわいい殺し屋、生態系への影響を科学する」(築地書館刊、ピーター・P・マラ、クリス・サンテラ著、岡奈理子・山田 文雄・塩野﨑和美・石井信夫翻訳)です。猫が可愛いだけの動物ではないことを、改めて思い知らされました。久しぶりに、読み応えのある良著です。

猫を愛する人にこそ、読んで欲しい内容です。私は日本でも盛んに行われているTNR(地域猫活動)の効果についての検証に衝撃を受けました。調査によると、一旦は数を減らすことが出来ても後から来る猫へのマッチポンプとなってしまい、全体の数を減らすに至らない結果となっていました。

本のタイトルの通り、猫の殺傷能力は高く、先日も子猫にミルクを飲ませていたところ、他の猫がその子猫を咥えて逃げてしまった話を聞いたばかりです。環境によっては、猫は危険な外来種でもありました。とはいえ、貴重な野生動物保護のために、放浪猫を片っ端から殺処分するのは、著者も言う通り、全く現実的ではありません。「外猫はすべて排除してしまおう」という一方的な結論へと導いていないところに、筆者たちの良心を感じます。

確かにたくさんの野生動物、とくに野鳥が猫の被害になっていることは事実ですが、猫だけの問題ではなく、社会全体でとらえるべき課題がたくさんあることを、この本は示唆してくれました。こういった本にありがちな、一方方向からの視点だけでなく、全体を見ながら深刻な問題をクローズアップしてくれます。

野放し猫の問題に関して、冷静で正しい判断を行うためにも、ぜひ、手に取って読んで欲しい一冊です。ややとっつきにくい文章ですが、理解しやすい内容です。お腹を出して、ぐうぐう昼寝をしているうちの子に対する見方が変わってきます。

文/柿川鮎子

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