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「野良猫」として生きたブナーの最期

野良猫として生きたブナーの最期

先日、以前住んでいたアパートの近況を、大家さんとの私用の電話の際に聞くことができました。

と言っても、ただの雑談程度の話だったのですが、その会話の中で「そう言えば、あの野良猫とうとう死んじゃったよ」という言葉が。

「あの野良猫」とは、筆者がブナーと呼んでいたメスのキジシロ猫のことです。

もう11年前にそのアパートに住んでいた頃のことです。

当時家の周りは野良猫だらけで、ちょうど今ぐらいに時期には子猫もちょろちょろしていたのですが、その多くはブナーの子でした。

もっともしっかり育つ猫は稀で、ある猫は栄養失調で死に、ある猫は餌がとれずにガリガリになって死に、また別の猫は車に撥ねられて死んでいきました。

ブナーも恐らく、最初はそういう子猫のうちの1頭だったのでしょうが、彼女は運良く生き延びることに成功していました。

そんなブナーの話を、もう少し詳しくお話しさせてください。

嫌われ猫ブナーの嫌われ猫たる所以

野良猫は基本的に、その土地に住む人にとっては厄介な生き物です。

庭に糞尿をして悪臭を発生させますし、不衛生です。

その過程でガーデニングや畑も荒してしまうので、余計に憎たらしい存在でしょう。

またダニやノミなどの寄生虫を媒介するため、人間にとっても無闇に触れるべきではない動物となります。

加えてそれらが繁殖期を境に定期的に増えるわけなので、野良猫の多い地域が居住地に重なっている人たちのストレスは相当なものでしょう。

ブナーはまさに、近隣住民にとっては頭を抱えるほど厄介な猫でした。

何せ人に慣れない、付近の田畑を荒らす、アパートのベランダで育てている花の鉢植えをズタズタにする、そしてすぐに子供を産むという有様。

何より一番の問題点は、ブナーがかなり凶暴な猫だった、という点につきます。

ブナーに怪我を負わされたアパート住民は数知れず。

筆者も一度、手の平に穴を開けられたことがありました(笑)。

とにかく、このブナーという猫は鳴き声が可愛い以外に良いところがない猫、という認識で付近の住民から共通されていたわけです。

嫌われブナーの一生

この野良猫ブナー。

筆者が2007年に件のアパートに入居した頃には既に立派に貫禄のある成猫でしたから、その時点で最低でも2年ぐらいは生きていたはず。

で、筆者がこのアパートを出て今の家に引越したのが去年の8月頃で、その前後にもブナーはまだ健在でした。

それからおよそ8ヶ月して、ブナーが死んだことを大家さんからの連絡で知ったわけなので、下手するとブナーは、過酷な野良の生活を15年近く続けていたという可能性があります。

通常、野良猫の平均寿命は5年か6年ですので、ブナーがどれだけ危険に敏感だったのかがこれで分かるところです。

しかし、長生きすればするだけ、彼女への周囲の嫌悪感が高まっていく空気感を肌で感じるところでした。

実際被害を被っている世帯も多かったので仕方がないのですが、最後まで疎まれ、嫌われ、憎まれる存在だったというのは哀しいものがあります。

ブナーの最期についてですが、アパート近くの草むらで息絶えていたそうです。

遺体はそのまま、大家さんがこの草むらを掘り返し、そこで弔ったということでした。

おわりに

ブナーについては、その所業がかなり大胆不敵だったため、近隣からかなり嫌われていました。
ときには水をかけられたり、蹴られたりすることもあったそうです。

ただ、元をただせばブナーも被害者なんですよね。

猫は元々人間の管理の不徹底で屋外で増えてしまった外来動物です。だからここまで嫌われる筋合いはないと感じる部分も……。

実際ブナーは必死で生きて、子を残そうとして一生を駆け抜けているだけなのに、それがことごとく自分たちを見捨てた人間社会にとっては悪と見なされていたに過ぎません。

人間と動物の適切な関係性は、ちょっとズレるとたちまち壊れて社会問題化してしまいます。

現状ではそれが人間のせいにされる前に、動物のせいになってしまう部分が大きいのではないでしょうか。

アライグマやヌートリアなどは人間の不手際で野に放たれ、繁殖を続けている第二の野良猫です。

彼らもいずれ、もっともっと増えていき、私たちの生活圏を脅かすことになるでしょう。

でもそれって、彼らのせいではないですよね。

私たちはもう少し、自分たちの行いのせいで自分の生活が不自由になるという事態に敏感になってもいいのかもしれません。

文/松本ミゾレ

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