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【獣医師監修】「ペット信託」が飼い主さんを救う日がくる?

ペット信託が飼い主さんを救う日がくる?「兵藤哲夫の徒然日記」

私が横浜で動物病院を開院して50数年が経ちました。今では動物の保護・愛護を叫べば多くの人が共感してくれますし、社会的にも認識されるようになっています。しかし、私が動物病院を開業した当時は、今とは全く違った状況でした。私が獣医学校を卒業して静岡県の職員として就職し、保健所勤務となった当初は、来る日も来る日も放浪している犬猫の捕獲と、捨てられていく犬たちが連れて来られました。

学校で学んだことと、就労した環境で直面したギャップは今も昔もあることですが、ペットに関してはあまりにもむごい状況でした。「この命なんとかしなければ」との一念で退職し、動物病院で修行に入り、1年足らずのうちに独立して開業することができました。開業後、私は捨てられていく動物たちをどうすればいいのか学ぶために、日本動物福祉協会に入り外国での様子や日本の実情を教えて頂きました。そして横浜支部を立ち上げ、1975年(昭和50年)に犬や猫の譲渡会を始め、現在に至ります。

その後、40年、新しい飼い主に譲渡した数は約4000〜5000頭に上りました。最初はどうなるかと心配していたのですが、やってみると志を同じくする人が集まってきてくれました。大型スーパーの西友さんが場所を提供してくれるなど、地域の協力を得ることができたのはありがたかった。ほかにもテントを寄付してくれる人がいたり、メーカーがフードの提供をしてくれたり、多くのボランティアさんが協力してくれました。

時代が進み動物愛護福祉の気運も高まり、それなりに法律も整備され、譲渡の規則も出来上がり、審査も厳しくなりました。譲渡会に来た人は身分証明証、住環境や家庭環境の提示、そして年齢制限まで付け加えられています。また、個人情報保持の観点からこうした情報はきちんと管理されるようになりました。環境は整っていますが、一点だけ、私が残念だと思っているのが譲渡の年齢制限です。

現在、多くの団体では65歳以上の方は譲渡対象から外れてしまいます。私も高齢者、ペットは離せません。ペットの良さは皆さんにわかってもらいたいと日頃から思っています。ペットのいる家庭は明るく健全です。心を許しあって共に生活できる喜び、ペットの前では素直な気になり、幸せホルモンが出るのです。高齢者にこそペットと一緒にいて欲しいのに、何とかならないものでしょうか。

先日、新聞がペットのために遺言状を書き信託しておく。いわゆるペット信託を紹介していました。飼養が困難になった場合、この信託から終生飼養が保証されるのです。軌道に乗れば、安心してペットと共に生活することができます。ペット信託を広める為に、ペット関連業界、動物愛護福祉団体、獣医師会などが協力して知恵を絞ることはできないものでしょうか。高齢化社会であっても、ペットと暮らす幸せを実現できる社会こそが、今、日本に求められていると思います。

兵藤動物病院 兵藤哲夫
麻布大学獣医学科卒業後、1963年横浜市にて兵藤動物病院を開設。ヒョウドウアニマルケア代表として公益社団法人日本動物福祉協会理事、横浜市獣医師会理事などを歴任。TBSラジオこども電話相談室の回答者などをつとめた。
文・編集/柿川鮎子

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