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歌い踊る健気で飼い主想いの化け猫「佐渡おけさ」

歌い踊る健気で飼い主想いの化け猫「佐渡おけさ」

日本各地に伝わる数々の化け猫伝説。

そのほとんどは、聞くもおぞましいものばかりです。

化け猫の大半は薄情で、時には長く自分を大事にしてくれた飼い主まで食べてしまうということも……ただ、全ての化け猫がそんな恐ろしい怪物というわけでもなかったようですね。

新潟県の佐渡島。

ここに伝わる代表的な民謡の「佐渡おけさ」をご存知でしょうか。実はこの「佐渡おけさ」、佐渡島に伝わる民話によれば発祥元はこの島の老いた三毛猫だったというのです。

今回は化け猫伝説数あれど、全く他の話とは異なる雰囲気の漂う“おけさ猫”のお話を紹介したいと思います。

老婆の飼っていた三毛猫おけさ

昔々、そのまた昔。

佐渡島の海辺に立ったあばら家に、長年猫と暮らしてきた一人暮らしの老婆がいました。

この老婆は10頭以上の猫と暮らしていたそうですが、いよいよ老いも極まって体の自由も上手く利かなくなり貯蓄も底を尽き始めると、多くの飼い猫たちは1頭、また1頭と老婆を見限って逃げていきました。

そうこうしている間に残ったのは、老婆がもうかなり長い間一緒にいる、おけさという名の三毛猫ただ1頭だけでした。

老婆はさすがに1人きりは耐え切れないと思い、おけさに愛想を尽かされないように、自分の食べる分のわずかな食事まで差し出して可愛がる有様だったと言います。

もう身寄りもなかった老婆にとっては、おけさだけが心の支えだったことでしょう。しかしおけさはそんな飼い主の姿を見るに不憫を感じ、「今こそ化け猫の本分を果たすべき」と思うに至って人間の娘に化けた姿を披露したのでした。

驚く老婆におけさは「長らくお世話になりました。あなたに大事にされたおけさです。これからせめてご奉公と恩返しをさせてください」と言います。

さらにおけさは続けて「今、島に江戸から芸者を探しに来た者が来ております。私は踊りも歌もできますので、その者と共に江戸に参ります」と話し、老婆はその献身に心を打たれました。

果たしてこの時本当に島には芸者の成り手を探す者が訪れていました。

その者はおけさを一目見て気に入り、大金を老婆に渡し、意気揚々と十分な成果を伴って江戸に戻っていきました。老婆はおけさのお陰で得たお金で、なんとか余生を繋ぎ止めることができました。

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