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超ド級…?日本各地に伝わる「巨大猫伝説」

超ド級…?日本各地に伝わる「巨大猫伝説」

ノルウェージャンフォレストキャットにメインクーン。現在、大型の品種の猫はさほど珍しくなくなりましたが、一昔前までは、こういった大型種は非常にレアな存在でした。

かつての日本ではそういった品種がまだ本土に渡っていなかったため、それも当たり前。

図鑑にのみ掲載されている存在というのが、関の山だったんですね。

ところが。

日本にまだ大型の猫が上陸するよりも早く、しばしば大きな猫が出没したという記録は相当数残されていました。今回は、日本各地に伝わっていた巨大猫伝説について、ほんの一部だけですが、ご紹介したいと思います。

麻布の大猫

日本でもっとも有名であろう巨大猫伝説。それが麻布の大猫として言い伝えられている猫又です。

ご存知のように猫又とは、長く生きた飼い猫が余計な知恵をつけてしまい、尻尾が二又に分かれる妖怪になってしまった姿を指すのですが、江戸時代後期、現在の麻布付近で発見された巨大猫は、まさに猫又そのものを姿をしていたそうです。

この巨大猫の存在が発覚した発端は、盲目の鍼灸医の失踪事件でした。

「妖怪に化かされたのではないか」と考えた当時の人々によって捕獲されたのが、この猫又だったと言います。

体長は1メートル近くあり、尾はしっかりと二又。毛の模様はまだらの、それはそれは大きな猫でしたが、本当にこの猫又が鍼灸医を化かしたのかは定かではありません。

それよりも、江戸時代はまだそこまで食べ物も栄養豊富ではないにも関わらず、大きな体に育ったこの猫の生命力に驚かされる事案ですね。

紀州熊野の大猫

これも割と有名な事例なのですが、その昔、紀伊国の熊野辺り……現在の和歌山県の熊野市付近の山中にも大きな猫が出没したそうです。

しかも、しばしば人里に降りてきては、家畜や飼い犬を襲って食べるほどに獰猛だったとか。身のこなしも大変に素早く、人々が退治しようとしても上手くいかない有様でした。

ところが今から300年以上前に偶然猟師が仕掛けていた猪罠に、この大猫が掛かってしまいました。

その大きさは、普段この罠に掛かっている猪にも劣らぬほどの巨大な猫で、まさに虎にも勝るサイズだったようです。

日本に体の大きな山猫は生息していませんから、その正体が何だったのかは非常に気になるところですね。

大型犬に迫る人食い猫

伝承に残る巨大猫の話の中には、おぞましいヤツも紛れ込んでいるのが見逃せないところ。鎌倉時代前期の奈良県に出現した巨大猫は、まさしく凶暴で手がつけられない怪物扱いされています。

この猫は大きな犬のような体格をしており、人家に降りてきては、一晩で何人かを襲って食い殺したという話になっています。現在知られている大型の猫たちは性格が比較的おだやかな品種ばかりなので、そういった猫たちと比べるとまさに天使と悪魔のような対比ですね。

ただし、これが本当に猫だったのかどうかは見解がややブレており、顔は猫のようだったという記録があるものの、実際には違う獣だったという説も存在しています。

鎌倉時代と言うと、今から800年近くも昔なので、もしかするとその時代には前時代の大型ネコ科古生物(たとえばスミロドンみたいな)が、まだ生存していたのかも……可能性は薄いですが(笑)。

■おわりに

各地の巨大猫伝説の大半は、当時の人々にとっては恐ろしい事件の一つでした。

そのため、大きな猫が出没すると、不吉の予兆や妖怪扱いされ、畏怖の対象になっていたわけですね。

大昔に日本に伝来してきた猫たちはみんな小柄でしたし、昔は栄養状態もそこまで良くないので、大柄な猫自体がメチャクチャ貴重な存在だったことでしょう。

ですので、小さいはずの動物がめちゃくちゃ大きくなって出没たら、たしかに怖かったはず。

稀に出没していた巨大猫について、多少の尾ひれを付け足して記録に残すのも、仕方ないことだったのかもしれません。

文/松本ミゾレ

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