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ズーラシア・ネコフェス!で知る、ツシマヤマネコの魅力

実は歴史の浅い動物園での飼育

ツシマヤマネコは人と共存していた野生のネコで、生息地の対馬では、30~40年前は200~300頭近くいて、島の至る所で見かけることができました。それが数を減らし、現在、約80頭もしくは約100頭ぐらいしかいません。数字の違いは調査の違いによるもので、はっきりした頭数は不明なのだそうです。

1970年代から急速に減少した主な理由は、第一回講演・園長村田さんの説明にもあった通り、絶滅しやすい、食物連鎖の頂点にいた動物であったことが大きいと薄井さんは言います。「いろいろ原因はありますが、イエネコが増え、イエネコの病気が移ってしまったこともあります。さらに、野良犬に殺される被害があるほか、現在大きな問題とされているのは交通事故です。年間10頭近くのツシマヤマネコが交通事故で亡くなっています」。

このままでは絶滅するという危機感から、動物園での取り組みが始まりました。国内では、1996年に福岡市動物園で飼育されたのが最初です。ツシマヤマネコが日本の動物園で見られるようになってからわずか22年。日本で最初に飼育された動物はキリンで、今から100年以上前のことですから、それに比べるとかなり歴史は浅いと言えるでしょう。ズーラシアでは2006年から飼育がスタートしました。

動物園でのツシマヤマネコの飼育展示には現在までにさまざまな試行錯誤がありました。今のように、動物園で会えるようになる前は、繁殖目的のための飼育なので、原則的に非公開でした。しかし、動物園の意義について議論を重ねた結果、繁殖に使わない個体は、展示公開しようという動きに変化してきた経緯があります。

2014年に環境省と日本動物園水族館協会との間で協定が結ばれ、動物園が主体となって飼育できる環境が整いました。そこから飼育員とツシマヤマネコとの関係も劇的に変化して、人に慣らそうと方向転換されました。ズーラシアではハズバンダリートレーニング(注1)なども行っているそうです。


よく見るとやはりイエネコとは異なる

ツシマヤマネコを絶滅から救おうと、人工繁殖の取り組みも積極的に行われています。日本の動物園の中では井の頭自然文化園で、近縁のアムールヤマネコで繁殖が成功した前例があります。ズーラシアでは残念ながら高齢のため、現在は繁殖活動は行われていません。

野生復帰に向けてリリースする活動は今後もさまざまな形で続けられると薄井さんは言います。「中型哺乳動物の野生復帰は国内初の試みです。対馬の野生順化ステーションでは広大な範囲で訓練していますよ。多くの人たちの努力によって、ツシマヤマネコが対馬で普通に見られるようになったらよいですね」と薄井さん。たくさんの野生のツシマヤマネコと出会える日を願っているそうです。

注1)ハズバンダリートレーニングとは

受診動作訓練と訳されることが多い。動物園や水族館などで、定期的に行う採血や検温などに慣れさせるほか、緊急時の治療や投薬がしやすい体勢を取ることを覚えさせるトレーニングのこと。動物が好きなエサなどを与えることで、ストレスなく自主的に手足を出したり口を開けるなどの行為を教えること。

(文/柿川鮎子)

 

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