笑いと涙が止まらない猫漫画『俺、つしま』

「俺、つしま」は、2017年7月からTwitterで配信された漫画で、おぷうのきょうだいという兄妹ユニットによるもの。電車の中で思わず吹き出してしまうような笑えるシーンあり、時には涙なくしては読めない猫愛に満ち溢れたシーンあり、いつの間にか「つしま」に翻弄されてしまう漫画です。

表紙に描かれている「つしま」は、いわゆる目の中に星が輝くような可愛らしい猫ではありません。つしまのことを知らない人は、表紙がつしまとの初対面になるわけですが、ムスッとした面構えに三白眼のじろっと睨むような目つき、黒と茶が入り混じった被毛と、でっぷりとした腹にはトラ柄の腹巻き、手には何やらハエのような昆虫を持っていて不気味さが際立ち、お世辞にも可愛い猫とは言えません。

しかし、書評を書けということなので、まずは表紙をめくってみると、さらにズームアップした、どでかい「つしま」の顔がぬっと現れて、「や、どうも」とか言っているではありませんか！

「や、どうも」と言われても、こちらは初対面だし、そんなに怒ったような顔で挨拶しなくてもいいではないか、とその時、「可愛くない」のではなく、「可愛げがない」のではないかという思いが募るわけですが、いやいやどうして、そこを裏切ってくれるのが「つしま」なのです。

ある人物と出会って、しばし飼い猫気分を味わうつしま。少し心を開きかけた時に、その人が亡くなってしまいます。