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高齢者でも保護猫と幸せに暮らすことができる「永年預かり制度」とは?

NPO法人 猫と人を繋ぐツキネコ北海道 考案「永年預かり制度」を広めたい

現在、犬や猫と暮らす皆さんに質問です。

「おじいちゃんおばあちゃんになってもペットと暮らしたいですか?」

筆者の答えは「はい、暮らしたい」です。猫と暮らし始めて約十数年、今後の人生に猫がいない生活なんてもはや到底考えられなくなってしまいました。たとえ自分が高齢者になってもずっとそばに居て欲しいと思っているんですが、、、

そこには大きな問題があります。それはペットがその命を終えるまできちんとお世話ができるのか?いわゆる『終生飼養』。急速に超高齢化が進む現代、「一人暮らしの高齢者が入院して猫の世話ができなくなった」「体力や経済的な面から満足に世話ができず家はゴミ屋敷状態に」など悲しいニュースも少なくありません。

たしかに今の時代、高齢者とペットが安心して暮らしていくことは難しいことかもしれません。しかしその一方で高齢者がペットと暮らすことは精神面でも認知症予防にも効果があると言われています。ペットが心や身体の支えとなり、暮らしが豊かになることもあるんです。

果たして自分はいつまで猫と暮らせるのか?そんなことを考えていたある日、夢を叶えてくれる素敵なシステムに出逢ってしまいました。『永年預かり制度』です。

『永年預かり制度』とはNPO法人「猫と人を繋ぐツキネコ北海道」が考案した独自のシステム。猫と暮らしたい高齢者が「猫を飼う」のではなく、お世話が出来なくなるその時まで『猫を預かる』という制度のこと。

これまで高齢などの理由で飼育を諦めてしまった方のため、ツキネコの全面サポートを受けながら保護猫を預かり、自身の愛猫としてお世話をしながら一緒に暮らすことができるんです。

しかも!

預かる期限は決まっていない」

「万が一飼育困難になった際は再度ツキネコ北海道が引き取る」という夢のような制度。

一体それはどのようにして誕生したのか?そして実現までの苦労は?

今回NPO法人「猫と人を繋ぐツキネコ北海道」代表の吉井さんに話を伺いました。

永年預かり制度を始めたきっかけは?

2013年頃に60代後半の女性が『猫をレンタルしてほしい』と保護猫カフェを訪れたのがきっかけでした。始めは「レンタル?」と思ったものの、お話を伺うとご主人に先立たれていて現在一人暮らし。猫との暮らしを希望しているとのこと。」

「当時、ツキネコ北海道では仔猫をシニア世代に譲渡することはありませんでした。でもその女性はシニア世代ながらとてもパワフルで言葉の端々にパワーを感じられ、ご主人と立ち上げた飲食店をひとりで切り盛りされていたんです。その後何度も交流を重ねるうち「この方なら大丈夫かも」と思うようになり、半分ボランティアの様な形で猫の面倒を見てもらったり預かってもらうことになったんです」

制度に込めた想いとは?

「その女性との出会いを機に『こんなに素敵なシニア世代に猫を託さないなんて勿体ない!』と思うようになりました。代表である私も中高年世代に突入していましたがパワーは衰えるどころかどんどん元気になっていましたし、時間的にも経済的にも余裕がある世代の方がもっと主役になってもいいと思ったんです。その想いが通じたのか、制度に対しての反対や批判はなくシニア世代、またそのお子さん世代にも喜んでいただいております」

今のところ、永年預かりに年齢制限はなし。これまで150名以上の方が保護猫との幸せな生活を楽しんでいるといいます。その中で特に記憶に残っている飼い主さんとのエピソードとは?

「制度がスタートして間もない頃、80代のご夫婦が来店されました。保護施設の急な階段を上がるのもおぼつかない様子でした。その時はマッチングできる猫が居なかったのですが、そのご夫妻のことがずっと心に引っかかっていたんです」

「ある日、白くて小柄な20 歳の老猫シロちゃんの保護依頼が入り、当団体の施設もいっぱいで困っていたんです。その時ふと、あのご夫妻のことが脳裏に浮かびました。すぐに連絡を取ってシロちゃんと一緒に訪問すると、シロちゃんはずっと住んでいたお家かのようにすぐに馴染んでくれたんです。ご夫妻にも笑顔が溢れていました」

「それから半年経った頃でしょうか、、、息子さんから連絡があり、お婆ちゃんが天国へ。お爺ちゃんも体調を崩して入院中のため『猫を返したい』とのことでした。私達はシロちゃんを引き取ったんですが、その3日後シロちゃんも虹の橋を渡りました。お婆ちゃんを追うかのように猫生の幕を下ろしたんです。とっても穏やかな表情でした」

高齢者に預かってもらうことで良かったことは?

「実際、日々の業務等で預けた猫のその後の様子をなかなか知ることができていませんでしたが、某テレビ番組で飼い主さんの密着取材を敢行していただいたところ、飼い主さんから喜びと感謝の言葉が綴られたお手紙を頂きやってよかったと涙があふれました。その後も多くの方から『猫との暮らしを与えてくれてありがとう』との言葉を頂いております」

高齢者には新たな生き甲斐となり、スタッフ不足ボランティア不足に悩む団体にとってもメリットの大きい制度であることは間違いありません。しかし、普及への道のりはまだまだ。。。

「残念ながら他団体への拡がりもなくまだまだ認知されていない状況にあります。団体の組織力が脆弱だったり保護施設が小さかったりすると猫が戻ってきた時の対応ができないことが問題のようです」

「でも保護団体とは関連性のないと思われる企業さんや若い世代の方からの問い合わせや取材、インタビューが相次いでおり、少しずつ浸透してきているのかなと感じることも。地道に続けて行きたいと思っています」

改めて「永年預かり制度」に込めた想い、これからの目標をお願いします!

「この制度にリスクは全くと言っていいほどありません。『人』も『猫』も『保護団体やボランティア』にとってもwin-win-winのことばかりオールwinです!案ずるより産むが易しと言うように他団体の皆様にも絶対にお勧めしたいと思っています。今こそ一歩踏み出して頂きたいです」

「当団体の目標としては現在認定NPO取得に向けて精力的に動いています。終生飼養施設の取得もいよいよ大詰めになってきました。多くの支援者の夢を叶える為に飼育放棄の猫や行き場の無い猫達の居場所づくりを目指したいと思っています。【適正飼育の啓蒙】この課題が全てだと思っています」

自分がずっと元気でいることも、猫がずっとそばに居てくれることもどちらも永遠ではありません。その中でみんなの願いを叶え、幸せにしてくれる環境や制度はたくさんの笑顔を実現してくれます。その力が「永年預かり制度」には必ずや存在しているはず。これからもっともっと広まっていくように願っております。「一歩踏み出す」それが全ての始まりかもしれません。

NPO法人「猫と人を繋ぐツキネコ北海道」
https://tsukineko.net/

/太田ポーシャ

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