TOP>ニュース > 島の女帝「ほくろちゃん」【田代島ドンベエ通信 】

  • ニュース

島の女帝「ほくろちゃん」【田代島ドンベエ通信 】

雄猫を従えし島の女帝「ほくろちゃん」

人肌、、、ん?猫肌?いや毛皮が恋しい季節になったっちゃ。ケンゾーと仲がいいけれど、やっぱしオラだってマジ彼女欲しいちゃ。そういや、ニッタ(仁斗田)の方にべっぴんさんがおるって聞いたことがあるっちゃ。(ドンベエ談)「~ちゃ」、「~だっちゃ」は島の方言。

仁斗田港から猫神社方面に続く道を歩いて行くと、マンガアイランドへ分かれるY差路がある。彼女はそこによく座っていた。

人間の僕が見てもとても色気を感じる子で、可愛さを通り越し妖艶な雰囲気を醸し出す、雄猫だけでなく人間でさえも引き寄せるオーラを身にまとった小悪魔的な存在。それが「ほくろちゃん」と呼ばれた猫。

可愛い猫はたくさんいるが、いろいろな猫を見てきた中でこんなタイプの猫は後にも先にも彼女しかいないだろう。

彼女とはじめて出会った頃、田代島の猫たちは外で暮らす猫にありがちな猫ヘルペスウイルスなどにやられて目や鼻がグチュグチュした子が多く、きれいな状態の子を見ることは本当に少なかった。そのような中、比較的きれいな状態で目の前に現れ、雄猫を2匹従えてオートバイの上に鎮座していたその姿はどことなく特別感さえも感じさせるものだった。

そんな彼女は観光客にも大人気。彼女の周りにはいつも人だかりがあり、そしてボディーガードのごとく雄猫たちがその周囲を取り囲み目を光らせている。

この島に通うたびにドンベエをはじめ、個性的な猫たちとの出会いが沢山あり、また彼女と会うのも楽しみのひとつになっていった。

そんなあるとき「あれ?どこかで見覚えが」とフェリーの待合所でお会いしたのがクレス先生。待合所に彼女の活動が記された新聞記事があり、その奥に彼女が座っていたのだ。何度も見比べたがどう見ても本人。

ドクタークレスはドイツ在住の獣医師。震災後、猫のために手助けができないかと猫が健康に過ごせるようお手伝いをしている素敵な方だ。

その時はたまたま居合わせただけで帰り際にご挨拶をした程度だったが、その後、アポイントを取り同行をさせてもらったことがある。そのとき「ほくろ、毛並みが悪くなってきたね。長老の部類だから仕方ないけれど、頑張って生きてね」と温かいエールを送りながら診ていたのがとても印象的だった。

そして「みんなきれいになってきた。もう、この島に私たちが来なくても大丈夫だね」と言葉を残して帰っていった。

それからまもなく新型コロナウィルスが世界中に蔓延し、ドイツ在住の彼女は田代島どころか日本にも来ることすらできない状態に。

しかし、ドクタークレスが残した言葉通り、現在、田代島の猫たちは全てではないが猫ウィルスなどで顔がグチュグチュの子は本当に少ない。僕がはじめてこの島へ訪れたときと大違いで、時間をかけてドクタークレスの思いが行き届いた環境に変わったのだなと思う。

さて、ほくろちゃんだが「最近、調子が悪いみたいちゃ。この冬どうかな」と島民の方から聞いたのが約1年前。そして春まで頑張れたと聞いていたのだが、その後すぐにあの場所から姿を消したという。いろんな説があるが「猫は死に際に姿を消す」ということなのだろう。

島の猫のそのほとんどが飼い猫ではないため、どのぐらい生きたかを把握されていることが少ない。その中でほくろちゃんは推定10年以上生きたと言われている。

常に雄猫たちが彼女の周りを取り巻き、まるで女帝のごとくその生涯を送った「ほくろちゃん」。シーズンになると入れ代わり立ち代わりマウントされてきた遺伝子がまたどこかで隔世され、いつの日かまた「女帝」が姿を現すことを楽しみにしている。

文・写真)ケモノの写真作家。小山 智一
https://ne-cozou.com/

\ この記事をみんなにシェアしよう! /
この記事をみんなにシェアしよう!
関連記事
関連記事
  • ニュース

恐怖!夜になるとやってくる野良猫と一緒に寝たらノミの餌食に (1.21)

  • ニュース

キジトラ猫の宅配便?いろんなおもちゃをくわえて持ってくる猫ちゃん (1.21)

  • ニュース

イノシシ退治をした猫の塚のある我が家 (1.20)

  • ニュース

猫の尿の健康状態を可視化。ロイヤルカナン初の猫トイレ用顆粒「尿中ヘモグロビンチェッカー」新... (1.20)

もっと見る

注目のグッズ

犬猫どっち派?村松誠の「2021年版 犬猫カレンダー」

ドラえもんに大変身!犬猫用『ドラえもん コスチューム』

人気記事
人気記事
\ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! /
PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック!


ページトップへ戻る