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誰からも好かれたけど、誰からも愛されなかった三毛猫

猫の餌やり行為は誰のためにもならない自己満足行為…

別に飼い主はいないけど、存在することを認知され、なおかつ名前もあたえられて、人間の気まぐれでご飯をもらっているという野良猫。こういう猫は日本中に多数いる。

昔は猫を外飼いする傾向も高かったので、そういう意味で外で見かける猫が野良だろうと飼い猫だろうと、あまり区別はせずに接していた節がある。僕自身、かつては野良猫に餌をあげて、さもそれが猫のためになることだと思い込んでいたし。

実際には避妊・去勢もしていない猫に餌をあたえれば、飼い主もいない猫をもっと増やすことになるわけで、猫にとっても地域にとっても大迷惑行為。それを知ったときは、大変な後悔に苛まれたものだ。

かつての僕はただの猫好きだから、つい餌付けをしていた過去があったが、そんなのは本当に猫を愛している人ならしない行為。実際に猫をちゃんと飼うようになった今では、そう断言できる。餌やりだけでしか猫と関与しない人というのは、何よりも猫に対して不誠実である。

今日は、かつての僕が身勝手に餌やりをしていた、三毛猫のミーの話をしていきたい。

みんなから認知され、好かれていた三毛猫のミー

「みんなが餌付けをしてるから、じゃあ自分も…」そう思って猫に餌付けをする人というのはいる。以前、一人暮らしをしていたアパートの周りにも、そういう人たちに好かれている猫がいた。

三毛猫で、何人かはミーと呼んでいた。別の何人かは別の名前で呼んでいたけど、ちょっとどういう名前だったかもう思い出せない。

ミーは非常に人懐っこく、いつも同じ場所にいて、近隣の人から可愛がられていた野良猫だった。気立てが良く人を咬まないため、しょっちゅうご飯をもらっていた。ただ、その餌付けのせいで体力をつけ、さらに避妊はしていなかったので子供を増やしてしまって、その都度近隣の衛生状況を悪くする側面もあった。そのせいで迷惑をしていた人も、きっといたはずだ。

産んだ子猫だって、数か月もすれば事故や喧嘩で次々に死んでいく。今思うと、自分の無責任さに頭を抱えてしまう。

ミーはみんなに好かれていたが、しょせん野良猫。寒い冬の日も、暑い夏の日だって外で餌をくれる人間を待つが、誰も家の中に入れるようなことはしなかった。僕もそれをしなかった。

ミーのことを好きだなんだと言っても、結局僕も含めて、本気でミーを心配したり、愛していたわけではなかったということだ。当時の僕なら「そうじゃない」と否定するだろうけど、今の僕に言わせてもらえば、都合よく猫の可愛さだけしか見ずに、生き物に餌をあたえる責任を見ないふりをしているだけである。

やがて老い、ふらふらになって死んだミー

野良猫の寿命は10年も持たないという傾向があり、ちゃんと室内飼育されている猫の半分程度の時間で死んでしまうことが多い。寿命だけで死ぬのではなく、病気やケガなどのリスクも高いので、それも当然。

ミーは僕がはじめて出会ったとき、既に生後5年ほど経過していた。そしてミーを見るようになって4年目ぐらいから、明らかに老化の兆しが見て取れるようになった。毛並みも悪くなり、抱っこしても軽くなり、口から常によだれが出るようになった。

知識を持たなかった当時の僕は、周りの人たちが「年寄りになったらみんなああなるよ、普通だよ」と言うのを真に受けてしまった。本当はしかるべき措置をすればいいだけで、猫の歯周病にせよ、ちゃんと治療しなければ、もう長くはない。それを知識がなかったものだから知らなかった。

ミーは冬の夜に、一番懐いていた餌やりさんの家の前で死んだ。

本当にミーが大切と思う人がいれば、きっと保護して自宅で飼っていた

老いてふらふらになっても、いつも通りに可愛がられ、もう口も痛いだろうに固い粗末なカリカリをあたえられ、苦慮しながらそれを食べようとしていたミー。誰も真剣に保護をしないまま死んでしまったミーのことを、今になって思うと「なんて残酷なことをしたんだろう」と後悔しきりだ。

当時、僕はまだ猫のことをよく知らず、ただ可愛い隣人程度に思って、無責任に餌付けをしてミーをその場に縛り付け、徐々に衰弱している様子を「年取るとこんなもん」という言葉を信じて放置した。これほど残酷で、罪深いことってない。

みんながミーが好きだったが、誰一人としてミーに関わっている人の中には、あの猫のことを愛している人はいなかったのだ。今僕がミーのような猫が餌付けをされているのを見れば、まずは避妊・去勢をさせるべきと餌付けしている人たちに忠告するだろうし、餌やりのリスクなどについても説明したがるはず。

でもあの頃の僕が、そんな人がもしやってきていたとしても、マジメに話を聞いたかどうか。

3日ほど前、夢にミーが出た。ミーは皿に満タンになったカリカリの前で、それを食べようとせず、じっと僕を見ていた。

文/松本ミゾレ

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