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【田代島ドンベエ通信 】猫神社に常駐っす!

ここは守る。ダンゴの意志を継ぐガリ

猫神社って昔は猫太郎先輩が余生を過ごした場所だと聞いたことあったけど、神社ってなんだ?ウマいもんが沢山あるだっぺか?港に飽きたら猫神社にでも移住するっちゃ。(ドンベエ談)「~ちゃ」、「~だっちゃ」は島の方言。

田代島に訪れるほとんどの観光客が足を運ぶ通称「猫神社」と呼ばれているのが「美与利大明神(みよりだいみょうじん)」。

そこには招き猫や猫の置物、ぬいぐるみまで猫に関するものが数多く奉納されており「大切にしていた飼い猫が死んでしまいここに魂を連れてきてあげた」など、その思いの託し方は人それぞれだ。

その昔、田代島近海で大謀網漁(大型の定置網漁)が盛んに行われはじめると、この島でもその手法を取り入れ「マグロ大網」として漁師たちは財を成したと言われている。

そして、その大謀網漁に従事する島の漁師たちや近海(主に気仙沼)の漁師たちが寝食を共にする「番屋」と呼ばれる小屋ができた。

元々この島ではカイコの養殖が盛んに行われており、カイコの天敵のネズミからマユを守るために猫の存在は多くあったが、その猫たちが豊富な残飯を求めて番屋に集まるようになっていった。

「猫が顔を洗うと雨になる」という話はよく聞くが、昔の漁師は気圧の変化に敏感な猫の行動を見て天候や漁を予測していた。

また、宮城県をはじめとする東北地方では「猫が騒ぐと嵐になる」などという言い伝えもあり、そのような猫たちを番屋でも漁師たちは可愛がり大切にしていたという。

そんなある日、網を海底に固定する際に使う土俵作るために砕いた石が飛び散り、一匹の猫に大怪我を追わせ死なせてしまった(諸説あり)。そのことに大変心を痛めた漁師が今後の猫の安全と大漁を祈願して小祠を作って祀ったのが猫神社である。

猫神社在中の猫といえば「猫太郎」が有名だった。彼が亡くなってから5年の歳月が流れようとしている今も「猫太郎に会いに来た」という観光客もいるほど。そういう僕も田代島へ渡るきっかけはこの猫太郎だった。

しかし、偶然にも田代島への初渡航日が猫太郎の命日だったことを後から聞かされ、せめて後一日早く行っていればと、会うことができなかったことをいまだに悔やんでいる。

そんなこととは知らず、初めて島に渡った僕は宿に荷物を置くとすぐに猫神社へ向かったのだが、通常30分も歩けば猫神社のはずが、2時間経ってもたどり着かない。SNSで「ここはどこ?私は誰?」と呟いてみても誰もわかるはずがない(ちなみに仁斗田港からも大泊港からも猫神社へはほぼ一本道)。

まだ肌寒い3月、日の入りも早いこの時期に、どこなのかもわからない小雨が降る林の中で途方に暮れていると、足元に一匹の黒猫が。まるで「こっちへこいっ!」と言わんばかりに僕の顔を見ている。こんな時は猫でも心強くありがたい。

近づこうとすると、クルッと後ろを向きその猫はスタスタと前へ進み、また立ち止まり僕の顔をじっと見ている。そんなことを繰り返しながらその猫が進む方向へ付いて行くとあれだけ歩いても辿り着かなかった猫神社の前にあっという間に出た。そして彼はどこかへ姿を消して行ってしまった。

不思議なことがあるもんだな。あれは幻か?と思っていたら、翌日いた!幻でもなくまぎれもないあの猫が猫神社にいた。胸元の白い毛がチャームポイントだったのですぐにわかった。彼の名前は「ダンゴ」。他の何匹かの猫たちと共に猫太郎亡き後の猫神社を常駐で守り、猫神主と一部の方の間で言われており、道に迷った僕を助けてくれたのも妙に納得できる。

その後、渡航のたびに猫神社を訪れ、彼と他愛もない話をしながら(一方的だけれど)そこに集まる仲間たちを紹介してもらったりと、思い出いっぱいの彼だったが2020年の12月に虹の橋を渡ってしまった。

ダンゴ亡きあと、その意志を引き継かのように猫神社で今、虚勢を張って生きているのが「ガリ」。僕が知っている限りではいつもダンゴの近くで付かず離れずの距離を保ち、彼もまた猫神社の番猫として長い間そこにいた。

今年の年末年始に猫神社を訪れたときは僕自身まだダンゴの死を知らず「あれ?珍しくいないな」と思った程度だったが、そのときガリがしきりにニャーニャーと何かを訴えかけていたのはそういうことだったのかもしれない。

田代島猫マニア(自称猫ど変態)さんのデータベースによれば、そのガリもダンゴと同じく2012年生まれ。餌をもらえても外での生活はとても厳しいことだと思う。そんな彼らを見守ることしかできないが、限られた時間を猫らしく自由に生き抜いて欲しいな。

近いうちに顔を見に行くよ。元気でいろよ!

文・写真)ケモノの写真作家。小山 智一
https://ne-cozou.com/

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