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なぜ猫はウールをしゃぶりたがるの!?猫とウールの不思議な関係

「猫は高いニットからしゃぶりたがる」法則⁉

夏が終わり秋風を感じ始めると、そろそろ衣替えの季節。秋冬の洋服を出していると、なぜか一番高価なウールのセーターやコートを猫がしゃぶり始めて、あわてて隠す…。ほかに布地はたくさんあるのに、よりによって一番高価なウールの敷物やカバーを猫がしゃぶってダメにしてしまった…。そんな経験がある方は多いのではないでしょうか。なぜ猫は、ウールをしゃぶりたがるのでしょう。

謎を解く手がかりは、ウールのしゃぶり方にあった

ヒントは、ウールのしゃぶり方にあります。

ウールしゃぶりを好む猫は、ウールを見つけると満足気にその上に座りこみ、ウールに口をおしつけ、前足で交互に踏みつけます。つまり「踏み踏み」をするのです。そしてその後、リズミカルにウールを吸ったり咬んだりし始めます。そしてどんどん熱中していき、まわりのことが見えなくなるくらい夢中になるのです。中には、ウールがボロボロになるまでこれをくりかえす猫も…。

お気づきのようにこれは、母猫の乳を飲む子猫が、乳の出をよくするために母猫のお腹を揉む時の動作と同じ。つまり猫は、ウールを母猫の代用にしているのです。

ウールの感触は、母猫のお腹と酷似している

ウールとは、主にメリノ種の羊から取れる毛のことで、以下のような特製があります。

・滑らかで光沢感がある

・暖かくて保温性がある

・吸湿性に優れていて、さらりとしている

・伸縮性がある

この特性が、授乳中の母猫のお腹の感触と似ているため、母親とのふれあいの少なかった子猫が、代替行為としてウールをしゃぶると考えられています。つまり、ウールは子猫時代に安心感を与えてくれた母猫の乳首に代わる、“代用乳首”なのです。

ウールをしゃぶる猫は、ストレスを抱えている?

しかし、大人になってもウールしゃぶりを好む猫が一定数いるのも事実。

じつはこの行動は、人間にもあてはまります。精神分析用語には、「口唇期」という言葉があります。これは乳首などを吸う行為によって、その刺激で口唇に快感を得ている、生後18か月ぐらいまでの時期のこと。この快感を大人になっても求め続ける人は、少なくありません。

人間の赤ん坊の指しゃぶりや子供の爪噛み、大人の煙草やパイプなども、この“代用乳首”と考えられています。人間の場合もこうした行為がストレスの緩和に役立っているように、猫の場合も、みなしごの子猫や、何かの事情で早くに母乳をとりあげられた子猫に多く見られます。

一般的にこの行動は離乳直後に始まり、たいていは2~3か月でおさまります。ところが中にはそれがずっと続く猫もいます(特にシャム猫に多いそうです)。

ウールに含まれている「ラノリン」にもヒミツがあった!

ウールがこれほど猫を引き付けるもうひとつの理由が、ウールに含まれているラノリンという、母猫のお腹の香りと似た成分です。ウール地はしゃぶられて閉めると、ラノリンの匂いが強くなります。だから猫は、もっとラノリンの匂いを引き出して、母親の乳首を吸う楽しみを再現しようとて、夢中になってウールをしゃぶるのです。

ウールしゃぶりをやめさせる方法

ウールをしゃぶること自体に害はありませんが、長時間しゃぶって糸がほぐれてしまうと、それを飲みこんで腸がふさがれ、開腹手術が必要になる場合もあります。

これを避けるために、ウールに猫の嫌う匂いを付ける方法を提唱する人もいますが、これはやめておいたほうがいいでしょう。猫は肉食として進化したため、植物に含まれる毒を分解するグルクロン酸抱合という成分がありません。そのため、ある種の精油は猫にとって劇薬となるのです。特に危険なのは、柑橘系の香りやオレガノ、タイム、クローブなどですのでご注意を。

また猫に不快な匂いをつけたとしても、猫はそれが捨てられるのを待って、ほかのウールに鞍替えするだけです。自分の足や尾の毛や、飼い主の髪をしゃぶることもあります。つまり、“嫌な臭いつけ作戦”は百害あって一利なし、猫のウールへの執着心を根本から治療することにはならないのです。

動物学者によると、猫がこうした「疑似幼児」行動を行うのは、生活に単調さやストレスを感じている時。遊ぶ時間を増やしたり、新しいおやつをあげたりして、生活の単調さを改善する、ストレスの原因を取り除くなどの方法がよさそうです。そして何より、猫がいるところにウールを出さないことが一番ですね。

文・桑原恵美子

参考資料:「キャット・ウォッチング~ネコ好きのための動物行動学~」(デズモンド・モリス著・羽田節子訳/平凡社)

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