TOP>ニュース > 雨の日に玄関から平然と入って来た野良猫を飼う

  • ニュース

雨の日に玄関から平然と入って来た野良猫を飼う

虹の橋を渡る日まで

庭に時々、大きな猫がいるなというのは家族みんなが気づいていた。母は猫好きだから、見つけるとうち子が食べなくなったカリカリご飯を庭に投げて、与えていたと言う。

最初にこの子の被害にあったのが妹で、自転車のサドルで爪とぎをされていたらしい。表面が傷ついて、そこから雨水がしみ込んでいた。「知らないで座っちゃったら、中から水がしみてきて、ホント気持ち悪いったら」と文句を言っていた。

私は時々、この子の匂いに気が付いていた。猫が長い縁側の下で夜を過ごしているのが、匂いでわかった。母と妹は「ほんとに?おねえの神経質が出たんじゃないの?」なんて言われたけど、野良猫が少しずつわが家に侵入してきている気配を感じていた。

大雨の予報が出て、明日は低気圧が直撃するという警報が出た日、玄関を開けたら猫がドアのすぐそばにいた。私の顔を見て、しわがれた声を出した後、玄関からするりと入ってきたのだ!

「おかあさん!ちょっと!猫が入って来ちゃった」大声で叫んだら、母が飛んできた。

「ずぶぬれじゃないの、かわいそうに。洗面台から雑巾もってきて、あと新聞紙もね」母は猫をこのまま家に入れるつもりらしい。

「ねえ、大丈夫なの?うちのミミちゃんに病気が移らない?」

「大丈夫よ、ちゃんと予防注射をしたもの。あと、ミミちゃんのカリカリもってきて」

母はウキウキしながら猫の世話をしている。

私は野良猫が玄関からするりと入ってきたこと自体にびっくりして、おろおろしていた。一方、母は平気な顔をしてタオルで猫の体をふき、水を与えて、玄関の三和土(たたき)に新聞紙を敷き、段ボールを置いた。

猫はその段ボールに、早速ちゃっかり入って、のんびり毛づくろいなんかしちゃって、くつろいでる!

「痩せてないし、体を触っても嫌がらないから、どこかに飼われていた子かもね」と母は鋭く分析する。

「トラちゃーん、明日は大雨だから、やむまで一日うちにいなさいねー」と母はもう名前までつけて話しかけている。このまま飼うつもりなのだろうか。

私は、猫が玄関から正々堂々と入ってきた姿に圧倒されていた。なんてずうずうしいのだろう。私には考えられないずぶとさだ。

野良猫は人に対してもっと警戒しているはずなのに、この子はどうして平然としていられるのだろう。母は飼い猫だったかもしれないと言ったけれど、そんなにすぐに、知らない人を受け入れることができるの?

夜、寝たところを襲われる心配なぞ、微塵も感じてないかのように、段ボールで平気でくつろいている猫。母は飼う気まんまんだけれど、猫の方は「飼われたい」のだろうか。

それとも、猫は少しずつわが家のことを調査していて、猫に優しい家だと判断した上で、雨の日に同情を誘うように入って来たのだろうか・・・だとしたらちょっと怖いよ。

いろいろ不思議な猫だけれど、多分、トラちゃんはうちの子になるのだろう。虹の橋を渡る日まで、よろしくね・・・って私も受け入れちゃってる!

母は膝が痛くてめったに上がってこない二階に来て、「ちょっとちょっと、おねえのパソコンでトラちゃんの首輪を買ってくれない?」とニコニコしている。

文/柿川鮎子
東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。

\ この記事をみんなにシェアしよう! /
この記事をみんなにシェアしよう!
関連記事
関連記事
  • ニュース

たった1匹のサバイバル…無事に保護されたサビ子猫 (6.25)

  • ニュース

内容に大満足!本当に買ってよかった猫図鑑3選 (6.24)

  • ニュース

猫ってレム睡眠とノンレム睡眠、どっちの時間が長いの? (6.23)

  • ニュース

散歩中に子猫発見で焦るも…即座に見つかった飼い主候補に安堵 (6.22)

もっと見る

注目のグッズ

犬猫どっち派?村松誠の「2021年版 犬猫カレンダー」

ドラえもんに大変身!犬猫用『ドラえもん コスチューム』

お待たせ。「俺、つしま」グッズ大特集!

ヘビロテ確定。「俺、つしま」のTシャツが登場!

人気記事
人気記事
\ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! /
PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック!


ページトップへ戻る