2021-05-15 うちの猫は時々やってくる彼が大嫌いだ。 虹の橋を渡る日まで連載 虹の橋を渡る日まで うちの猫は時々やってくる彼が大嫌いだ。玄関のドアが開いて、彼が入ってきたとたん、顔も見たくないって感じですっ飛んで逃げて、クロゼットの奥に籠城して絶対に出てこない。 「ホントにこの家に猫いるの?」なんて彼が不思議がるほど、猫は姿を見せずに隠れる。その間、猫はトイレにも行けないし、水も飲めない。猫のために、家に彼を呼ぶことは少なくなってしまった。 私の方が彼の家に行くことがどんどん増えて、コロナで外食できなくなってから、デートは彼の家が定番になってしまった。そして、彼に会いに行く時はスーパーで食材を買うという、まるで通いの家政婦さんみたいになっちゃってる。 最初は「悪いね」なんて食費をくれたけど、最近は「飲み物は買わなくていいよ」なんて、お酒とソフトドリンクで胡麻化されている。彼の自宅デートで、私の方の負担が増えてしまった。 こちらの不満を知らずに、彼は「ホント料理うまい!今度はさ、分厚い肉、焼いて」とか、「旬の鰹が食べたい」なんて我儘だ。 食後、私がひとりでお皿を洗っていても、「後でやるから、そのままでいいよ」なんて言って、ソファーでグーグー寝ちゃったり、オンラインゲームを始めちゃうなんて、ひど過ぎない? 歳上の彼が、私にだけそんな子供っぽい素の姿を見せてくれるのだと思って、嬉しく感じてはいたけれど、最近は、何だか靄(もや)って仕方がない。 今日もLINEで「これから来ない?」なんて誘われて、いそいそ支度をはじめたら、猫がフーフー怒っちゃった。彼が家に来たわけじゃないのに、気配でわかるのかしら? 「家に来ないから大丈夫だよ」と、膝に乗せてしばらく撫でていたら、ふと我に返った。彼は私の猫じゃないのに、なんで餌をやんなきゃいけないの? 私が餌をやらなきゃいけないのは猫だけだよ。何で毎回毎回、彼の好物を調達して、せっせと料理をして食べさせてやってんのかしら。 結婚してくれるんなら良いけど、そんな話、一度も出たことがない。彼が「料理上手」「おいしー」なんて喜ぶからつい餌をやっちゃってたよ。 危ない危ない、猫に怒られなかったら、彼の餌やりおばさんを続けていた。今日は手ぶらで行って、真面目に将来のことを話し合おうと思う。 文/柿川鮎子 東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。 \ この記事をみんなにシェアしよう! / この記事をみんなにシェアしよう! 【猫クイズ】短足・小型・巻き毛が特徴の「ラムキン」ってどんな猫種? (3.3) ぼくたちは猫を育てているのではない。猫に育てられているのだ。 (2.27) 雪の降る中、お姫様抱っこで登校しました。 (2.27) タヌキは人を化かす!?ただしどうやら猫には勝てない (2.27) 注目のグッズ 犬猫どっち派?村松誠の「2021年版 犬猫カレンダー」 ドラえもんに大変身!犬猫用『ドラえもん コスチューム』 ボディケア用品からお菓子まで!猫好きな彼女や妻に喜ばれるホワイトデーギフト4選 【猫クイズ】短足・小型・巻き毛が特徴の「ラムキン」ってどんな猫種? 愛犬がまさかの“犬嫌い”…その原因はどこにあるのか? ぼくたちは猫を育てているのではない。猫に育てられているのだ。 \ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! / PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! Facebook にいいね!する Twitter をフォローする Instagram をフォローする Pinterest をフォローする