TOP>ニュース > 老猫が一分一秒でも長く生きていて欲しいと願う理由

  • ニュース

老猫が一分一秒でも長く生きていて欲しいと願う理由

虹の橋を渡る日まで

以前飼っていた犬はとても性格が良くて、亡くなった時は辛く、もう二度と犬は飼わないと誓っていた。でも、動物愛護団体から縁あって、わが家に子犬がやってきた。

心配だったのは、老猫のこと。もう17歳になるおばあちゃん猫で、いつも静かな部屋で寝てばかりいる。そこへやんちゃな子犬が来て大丈夫なのか、愛護団体の人と何回も話し合った。

おばあちゃん猫は亡くなった犬が散歩中、畑で見つけて拾ってきた子で、犬と仲良しだった。その頃の写真を見た愛護団体の人は「幼い頃から犬に慣れているから大丈夫でしょう。もし難しかったら、引き取ります」と言ってくれた。

家に来た子犬をみた猫はあまり関心を示さず、いつも通り、悠々と寝そべっている。子犬はやんちゃざかりで、猫に夢中だ。恐る恐る近寄っては、猫にフーッと叱られている。

叱られても叱られても犬は猫が大好きだ。たまに猫が犬をかまってやると、喜びまくって、見ているこっちが複雑な気持ちになる。

育てているのは私なのに、なぜか人より猫の方が好きな犬に育ってしまった。保護施設で猫に接して育ったせいか、猫をボスと認めて、猫のそばにいたがるのだ。

猫は特に犬を可愛がることはないけど、気が向けば前脚や背中を舐めてやったりする。と、気まぐれに構っているように見えるのだが、猫は偉大な教育者だった。

子犬はテーブルのクロスの端についているフリンジにちょっかいを出す。ひらひらしたフリンジが風に揺れている様子が面白かったようだ。

前脚で布をはじいて、フリンジを手に入れたい。前脚でつついているうちに、どんどん興奮してきて、ジャンプして布に飛びつき、フリンジを咬む。テーブルクロスはズルズルと下がっていく。

猫はそれを遠くでじっとみている。クロスの上には空のコーヒーマグが置いてあり、犬がクロスを床にひっぱるから、どんどんテーブルの端へと動いていく。カップが落ちたら、痛い思いをするだろう。

カップがギリギリ落ちそうになったところを見計らって、老猫がゆっくりゆらゆらと犬の方へと歩いていく。犬はハッとして猫に気づいて、テーブルクロスから離れ、猫の方へと走る。

猫が危険を察知して知らせてくれたのだろうが、犬は知らずに、猫が近寄ってきてくれたことが嬉しくてたまらない。猫の周りをぐるぐる走り回って喜びを表現している。

老猫に見守られて育つ子犬は、こうして見えない危険から守られている。だから子犬はばあちゃん子に育つのかもしれない。子犬は老猫が本当に大好きだ。

猫の方は特に犬が好きだという感情を私たちに見せてくれないけれど、実は子犬が大好きなのかも。前の犬が先に死んだ時は、とても寂しがっていたっけ。今日は珍しく、窓の下で一緒に丸くなっている。

老猫はきっと犬より先に虹の橋を渡ってしまう。その時の犬の嘆きが、今、一番の心配事になってる。一分一秒でも長く老猫が私たちと一緒に過ごしてくれることを、心の底から願っている。

文/柿川鮎子
明治大学政経学部卒、新聞社を経てフリー。東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。

\ この記事をみんなにシェアしよう! /
この記事をみんなにシェアしよう!
関連記事
関連記事
  • ニュース

猫で釣られて結婚に至った猫好きの私 (6.21)

  • ニュース

コロナ禍だから再チェック!猫のワクチン接種の「副反応」リスク (6.21)

  • ニュース

「行動力」が明暗を分ける。あなたにはある?ない?【心理テスト】 (6.20)

  • ニュース

子猫の食事で大切な3つのポイント【獣医さんに聞いた】 (6.20)

もっと見る

注目のグッズ

犬猫どっち派?村松誠の「2021年版 犬猫カレンダー」

ドラえもんに大変身!犬猫用『ドラえもん コスチューム』

お待たせ。「俺、つしま」グッズ大特集!

ヘビロテ確定。「俺、つしま」のTシャツが登場!

人気記事
人気記事
\ PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック! /
PETomorrow をフォローするには下のボタンをクリック!


ページトップへ戻る