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「猫の治療費20万円」に文句をつける彼

虹の橋を渡る日まで

女友達数人が、結婚目前の彼氏と別れた私を励ます会を開催してくれるという。ありがたかったけれど、今はそんな気分になれなかったので、「ショックありすぎ御免」と号泣スタンプを押して断った。

本当に大好きだったから、別れを決めた時も、心がぐらぐら揺らいだ。まして原因が猫だったから、冷静になれなかった自分が悪かったのかもしれないと、今でもちょっと悩んでいる。

きっかけは猫が腎不全で入院したことだった。トイレの量が少ないと気づいて病院に連れて行ったら、即入院だった。獣医師から「高齢だし、万が一の時のことも予想していてください」と言われて号泣した。

猫がボロボロになって退院できた時は本当に嬉しかった。治療費の20万円は命の対価として妥当だと思ったし、高いとも思わず払った。なのに彼はそれに文句をつけたのだ。

「えっ?猫の治療に20万も使ったの?!黙って?」

と、あきれたように言われた時は、身体の奥から火山のマグマがムクムク噴火してくるような怒りを感じた。

「キミ確か、給料手取りでそれぐらいだよね?預金とか、大丈夫なの?」

「何言ってんの!猫の命がかかってんだよ、入院して20万は安い方だよ。うちの子に私が自分の預金をいくら使おうと勝手じゃない」

「勝手じゃないよ、ぼくたちは結婚を目指してお付き合いしてるんだよ?」

「だから猫にお金かけちゃいけないの?」

「そういうんじゃなくてさ、こんなことに黙って大金使うなんて、と言ってるんだよ、わかんないかな」

「こんなこと?ひどいっ、一生わかりたくないっ」

お泊りしようとしていた彼の家から飛び出して帰ってしまった。それから延々とLineが来たけど、本当に頭にきたし、彼の本性を見た気がして、別れてしまったのだ。

確かに20万円は少なくない金額だけど、自分の大切な存在への対価だし、何より自分が稼いだお金だ。それに文句をつけられる筋合いの無いはずのところに、文句を付けられたのが、悔しくて許せない。

私のLine号泣スタンプを見て心配した友人から電話が来たので、「結婚したら、『ネコちゃんの治療費にお金を出してください、ご主人さまー』なんてお願いしなきゃならないような男なんて、心底、まっぴら御免だわ」と吐き出した。

友人はゲラゲラ笑って、「なんだ全然大丈夫だね。心配して損したよー。猫の治療費ぐらい俺が出してやる、ぐらいな男を捕まえちゃえ」と励ましてくれた。そして「そろそろ正社員の職を探した方が良いよ。ちゃんと稼いでないと、また変な男が湧くよー」と諭してくれた。高齢の猫にはこれからもっと治療費が掛かってくるだろう。友人の言葉がじんわり沁みた。

文/柿川鮎子
明治大学政経学部卒、新聞社を経てフリー。東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。

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