2021-02-20 猫は春に元気がなくなる?気をつけたい『春ストレス』の原因と症状 ストレスサイン春ストレス猫猫の発情期 猫は春に元気がなくなる?気をつけたい『春ストレス』の原因と症状 猫の『春ストレス』という言葉を聞いたことはありますか? 日に日にぽかぽかと暖かくなっていく春は、人間にとっては過ごしやすく感じるもの。でも実は、猫にとって春はちょっと居心地の悪い季節なんです。 今回は、猫飼いさんなら知っておきたい、春ストレスの原因や症状、対策としてできることなどをまとめてご紹介します! 猫の『春ストレス』とは? 日本の四季の中でも、環境の変化が目まぐるしいのが春です。すっかり暖かくなったと思えば突然真冬のように寒い日がやってきたり、急に天気が変わることもよくあります。 さらに、春は出会いと別れの季節とはよく言ったもの。入社や移転、転職など春から環境が変わって新しい生活をスタートする飼い主さんもいることでしょう。 そもそも猫は変化のない日常が好きな動物なので、環境が変わることを好みません。人間にも『春うつ』なんて言葉がありますが、目まぐるしい環境の変化についていけず『春ストレス』に陥ってしまうネコチャンが多いのです。 猫が春にストレスを感じる主な原因 猫は、春に起こるどんなことにストレスを感じてしまうのでしょうか?春ストレスになる主な要因がこちらです。 ①厳しい寒暖差と気圧の変化 猫が春にストレスを感じる理由の一つに、寒暖差と気圧の変化という気候のモンダイがあります。 先ほども少し触れましたが、春はとにかく急激に気温や天候が変化します。最高気温が前日に比べて-10℃だったり、1日の中でも昼と夜の気温差が10℃以上あるという日も多いでしょう。 春は、体がその寒暖差に対応するために多くのエネルギーが消費され、だるさや疲れからストレスを感じやすくなるのです。 人間なら衣服で調整することができますが、猫はそれができません。彼らはまだ夏毛になりきっていない冬毛を着ているので、急激に気温が高くなることはストレスになる可能性があります。 また、春の激しい気圧変化は、人間や猫の自律神経の乱れを引き起こします。低気圧は血液やリンパの流れを悪くし、体調や自律神経に不調をきたす=ストレスになることもあるんです。 ②発情期(繁殖期) 徐々に日照時間が長くなる2月~4月頃は、メス猫の発情期(繁殖期)シーズンです。オス猫はメスの発情期に反応して発情するので、春はメス猫の発情期特有の鳴き声や、オス猫同士の激しいケンカの声など、外が騒がしくなります。 家猫にも縄張り意識があるため、毎日家の外から他所の猫の声が聞こえる状態はストレスに感じてしまうこともあるでしょう。 また、「避妊去勢手術をしていれば発情期は関係ない」と思いがちですが、猫の本能として反応してしまうこともあります。窓を開けた時やベランダなどで、発情期の外猫のフェロモンや鳴き声を察知して、落ち着かなくなったり発情に似た行動をとる猫もいるといいます。 ③花粉症・ノミダニアレルギー 春は花粉症の人には辛いシーズンですが、実は猫も花粉症になることがあります。くしゃみが止まらなかったり、鼻のムズムズや目のかゆみは人間でも相当のストレスですよね。 猫の場合、くしゃみや鼻水よりも目やにや皮膚炎を発症することが多く、激しい体のかゆみはストレスになってしまいます。 また、気温が高くなるとノミやダニも多くなるので、猫が刺されるリスクも上がります。ノミダニアレルギーの症状もかゆみを伴うため、ストレスの一因となってしまう可能性があります。 ④抜け毛 気温が高くなってくると、猫の被毛が冬毛から夏毛に生え変わる換毛期になります。普段より抜け毛が増えるので、毛が絡まったり毛玉ができる可能性も高くなり、きれい好きの猫にとってはストレスに繋がる恐れがあります。 グルーミングの時に大量の毛を飲みこんで、吐き出せなかった毛玉が消化器官に残ってしまう「毛球症」になりやすいのも春です。 ⑤生活環境の変化 住む場所が変わるなどの生活環境の変化は、猫にとって大きなストレスの原因です。 春は転勤や転職のための引越しシーズンでもあります。住んでいる環境が変わる=落ち着いて過ごせる縄張りが無くなってしまうことは、多くの家猫にとってはストレスを感じる場面でしょう。 引越しはしなくとも、例えば飼い主さんの仕事が変わったことで帰りが遅くなったり、ご飯の時間が変わったりすることもあるかもしれません。これも、猫にとっては環境の変化です。 特に神経質で自分ルールが厳しい猫にとっては、「いつもと同じ」じゃなくなることは、小さなことでもストレスの原因になる恐れがあるんです。 それ春ストレスかも!?猫の不調サイン 春ストレスを感じているときに、猫がとりがちな行動がこちらです。 食欲がなくなる そわそわして落ち着かなくなる 触られるのを嫌がる 身を隠して出てこない 頻繁にグルーミングをする(または全然しなくなる) 粗相をする 肉球に汗をかく 春ストレスを感じている猫は、普段とは少し違った行動をとります。特にあまり食欲がなかったり、いつもは起きてくる時間まで引きこもって出てこなかったりする場合は、体のどこかが痛かったり体調不良を感じている可能性もあります。 もしかしたら春ストレスかもしれないと感じるときは、愛猫の不調サインを見逃さないようしましょう! 春ストレスからなりがちな猫の病気 猫の春ストレスは、「なんとなくだるい」「落ち着かない」だけではなく、病気を引き起こしてしまうことがあります。春ストレスをきっかけにかかってしまうことがある、猫の病気についてまとめました。 ①特発性膀胱炎(FIC) 細菌など、明確に原因が特定されない膀胱炎のことを、特発性膀胱炎(FIC)といいます。猫の特発性膀胱炎の原因はストレスであることが多いといわれ、頻繁にトイレに行く、おしっこの量が極端に少ない、血尿が出る、などの症状が起こります。 一度膀胱炎になると再発することも多く、オス猫の場合悪化すると尿道閉塞から急性腎障害を引き起こしてしまう恐れもあります。痛みを伴うため本猫も辛い病気なので、不調のサインを感じたらすぐに動物病院で診察してもらいましょう。 ②猫風邪 人間と同様、猫もストレスによって免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。 猫風邪として代表的なのが、「猫ウイルス性鼻気管炎」と「猫カリシウイルス感染症」です。これらの主な感染原は飛沫感染ですが、ストレスなどが原因で免疫力が落ちている猫の場合、接触が無くても猫風邪にかかることもあるといいます。 症状はくしゃみや鼻水、目やに、食欲低下、発熱など。慢性的なストレスは猫風邪の再発の一因となるため、春ストレスかもしれないと感じたときは早めにケアしてストレスを取り除いてあげるようにしましょう。 ③皮膚炎 花粉症や、ダニ・ノミに刺されたことが原因で、猫がアレルギー性皮膚炎になってしまうことがあります。かきむしると皮膚を傷つけてしまうので、頻繁にかゆがる様子を見かけたら早めに動物病院へ連れて行ってあげてくださいね。 ④心因性脱毛症 猫はストレスを感じると自分のことをグルーミング(毛づくろい)をする習性がありますが、過剰なグルーミングによって自身を傷つけてしまうことがあります。 心因性脱毛症といって、ストレスからくるグルーミングのしすぎで被毛が抜けてハゲができてしまったり、皮膚に炎症が起きてしまう病気です。お腹や内股など猫が普段よく舐めているところに症状が出る場合が多いです。 皮膚炎のかゆみからグルーミングをしている場合もあるので、愛猫が過度なグルーミングを行っているときは心か体の不調のサインだと思って良いでしょう。かかりつけの獣医師に相談する、ストレスの原因を取り除くなど、早めにケアしてあげるようにしてくださいね。 春ストレスから起こりやすいトラブル 病気以外にも、猫の春ストレスから思わぬトラブルが起きてしまうことがあります。 ①脱走する 春は発情している猫の声や臭いが誘惑になって、家猫の脱走が増えるといいます。完全室内飼いであっても、窓を開けたときに声や臭いを感じ、そわそわと落ち着かなくなる子もいるでしょう。 猫の「外に行きたい」気持ちが高まっている季節といえるので、窓を開けたときや玄関ドアの開け閉めなど、普段何気なくやっている動作にも注意したいものです。 ②攻撃的になる・隠れる・夜鳴きする 触ろうとすると引っ掻く、やたらと噛むようになった、など、ストレスが溜まっている猫はそのイライラから攻撃的になることがあります。何かに驚いたときなど、衝動的に近くにいた人に危害を加えてしまう場合もあります。 反対に、家具の隙間から出てこないなど、人の目に触れない場所で引きこもり行動をとる猫もいます。 夜鳴きについては原因は様々ですが、加齢による認知症や何かの要求、病気の他、不安やストレスなどが挙げられます。春になったら愛猫の夜鳴きが急に増えたという場合、春ストレスからきている可能性もあるでしょう。 ③尿マーキングや粗相をする 猫の習性から、基本的に家猫は決まった場所でトイレをする子がほとんどです。しかしストレスを感じると、トイレ以外の場所で粗相をしてしまうことがあります。 高齢猫の場合は痴呆であることもありますが、元気な成猫が春になって急に粗相をし出したというときは春ストレスを疑いましょう。一度粗相をしてしまった場所(布団やクッションなど)は、繰り返しされてしまうことも多いです。 また、なかには強い臭いのおしっこを立ったままする「尿マーキング」をしてしまう子も。オス猫に多いですが、メスでもストレスや縄張り意識から行うことがあるといいます。 猫の春ストレス対策のためにできること 猫が春ストレスを感じないためには、「猫にとって心地よい環境を作る」ことと「気を紛らわせる」ことが大切です。トイレ、爪とぎ、水、ベッドなどは、いつも以上に清潔で猫が気持ちよく過ごせるように気を配ってあげましょう。 もし、春になって何か飼い主さんが変えたことがあるならできる限り元に戻してあげるのも手です。例えば、部屋の配置や、ベッドカバー、生活時間帯など…神経質なネコチャンであれば、変わったことによってストレスを感じている可能性もあります。 事前にできる予防としては、模様替えは一気に行わず少しずつ慣らしながら行う、猫が使っているものを洗濯するときは新しいものを慣らしてからにする、など。 また、春ストレスの気を紛らわせるためには運動やおもちゃが効果的です。おもちゃを蹴ったり噛んだりすることでストレス発散になるし、昼間のうちにたくさん動き回って体力を使うので、夜鳴きせずにしっかり眠るようになってくれる可能性が高いです。 周囲の音や臭いに敏感なネコチャンであれば、春の間は窓は極力開けずにエアコンと空気清浄機を利用するのもおすすめです。できれば、猫の使うものは部屋干しか乾燥機を使って外の臭いがつかないようにしてあげましょう。 普段おっとりしているネコチャンでも油断ならないのが春なので、脱走防止対策もしっかりしておきたいところですね! 春は変化の季節!猫にとっては不安がいっぱい 猫の春ストレスの原因や症状、対策についてまとめてご紹介しました。 ぽかぽかして気持ち良い陽気と裏腹に、春は猫にとって不安定でデリケートな季節です。同時に、人にとっても変化が多くバタバタとしている季節なので、愛猫とのコミュニケーションが減ってしまうこともあるかもしれません。もしスキンシップ好きなネコチャンであれば、春は特に意識していつもより甘えさせてあげると良いでしょう。 大切な愛猫のことは普段から気にしていると思いますが、春はいつもより「少しだけ」多めに気にかけてあげるようにしてくださいね。 文/黒岩ヨシコ \ この記事をみんなにシェアしよう! / この記事をみんなにシェアしよう! ウミネコ、ネコザメ…猫以外の動物が猫と呼ばれる理由 (2.25) 飼い主の帰宅が遅い!繊細な心を持つ犬猫写真14選!! 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