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知られざる動物病院の世界!現役看護師が描いたコミックエッセイ

今までに読んだことのないジャンルの、動物コミックエッセイ

猫好き、マンガ好きなので、猫コミックは読んだことのない本が書店で視界に入ると、ほぼ脊髄反射で買ってしまいます。そしてたいていは貪るように読み終え、その後に何度も読み返して味わいつくすのですが、最近1冊だけ、読み終えるまでに何日もかかった本があります。それが、動物病院を舞台にした実話コミックエッセイ「いぬねこ動物病院日記」でした。


▲「いぬねこ動物病院日記」(とみた黍著/KADOKAWA)

第4回コミックエッセイプチ大賞受賞この本の作者は、動物病院の現役看護師さん(まだ新米という設定)。気性が荒く、噛みグセがあるため恐怖の対象となっている犬となんとか距離を縮めようとあの手この手を研究したり、耳掃除を嫌がる犬を扱うコツを先輩看護師に伝授されたり、と、私たちが見ることのできない動物病院のリアルな日常が描かれています。

笑いと愛、涙でいっぱいの、動物病院ワールド

獣医さんが書かれた本はとても多いのですが、意外とこういう看護師さん目線の本はなかったような。「へええ、病院のスタッフの方たちは、こういうふうに感じていたのか」と、とても興味深く読みました。

外国人の飼い主さんがつけた「マサムネ」という名前のワンちゃんが、診察してみたらメスだったり、似たような名前ばかりの猫ちゃんを多頭飼いしている飼い主がいて、診察時に大混乱が起こったり…。スタッフさんも、受診するワンちゃん猫ちゃんも、その飼い主も、個性豊かで楽しく読めます。が、ページをめくる手が止まることが多くなったのは、中半過ぎ。現代のペット事情が抱える問題点のしわ寄せが、最終的に動物病院に来る現状が赤裸々に綴られて、考え込んでしまうことが多くなるからです。

ペットホテルに預けっぱなしで飼い主と連絡が取れなくなった犬、ダイヤのお話

最も印象的だったのは、急患として連れてこられたミニチュアダックスフンドのダイヤちゃんのエピソード。診察してみると妊娠していて、結局死産となりますが、院長先生やスタッフの必死の努力で、かろうじて母犬の命だけは助かります。じつはこの犬を連れてきたのは、ペットホテルのスタッフ。数日の予定で預けた飼い主が入院したまま連絡がとれなくなり、何か月も料金が未納のまま、ペットホテルも対応を困り果てていたところだったというのです。調べてみると、このペットホテルには同じように預けたまま連絡がとれなくなった飼い主の犬が数匹いて、避妊手術もしないまま預かっていたため、うち一頭が妊娠してしまった、ということのようでした。出産が迫り容体が急変したダイヤちゃんを、そのまま放置しようとしていたペットホテルのオーナー。直接ダイヤちゃんの世話をしていたスタッフがその反対を押し切り、泣きながら病院に連れてきたのです。

しかしその後、ダイヤちゃんが退院できるようになっても、ペットホテルのオーナーは支払いも引き取りも拒否。確かに費用を払う責任は飼い主にあるので事情はわかりつつも、病院側も困惑しますよね。ペットホテルに対して医療費を払うよう訴訟を起こすこともできましたが、院長の判断でダイヤちゃんは病院で預かり、長い目で里親を探すことに。

このダイヤちゃんは、健康をとりもどすと人なつっこい性格だとわかりましたが、やがてそれは人間の前だけで、ワンちゃんに対しては威嚇する、裏表のある性格であることがわかったとか(笑)。「あの日、助からなかったら、どんな性格かもわからないままでした」「これからの犬生が、どうか幸せでありますように」という作者の祈りに、共感せずにはいられません。

“上手すぎない絵”だから、つらいエピソードも受け止められた

ほかにも、避妊手術をせずに野良猫に餌をあげつづけ、子猫が生まれると病院前に捨てにくる自称「猫好きおじさん」問題や、猫エイズと診断された捨て猫の里親問題など、ヘビーな現実を語るエピソードが多数描かれています。読み進めるのがつらくなる瞬間もあったのですが、それを救ってくれたのが、このほのぼのとした絵柄。

決してうまい絵ではないのですが、味わいがあってかわいらしいですよね。これが画力の高いリアルな画風の作家さんの絵だったら、つらすぎて読めなかったかも。ところどころはさまる笑えるエピソードのセンスも秀逸。だから最後まで読み終えることができましたし、作者のメッセージのしっかり受け止めることができたように思います。

気軽にペットショップに行く前に、ぜひ読んでほしい!

ステイホームで家にいる時間が長くなったため、軽い気持ちでペットを飼い始めた人たちが「やっぱりムリ」とペットショップに“返品”を希望している・・・。そんな悲しいニュースを目にすることが増えています。わが家でも、子猫時代の暴れっぷりにノイローゼ寸前になったり、それが原因の夫婦喧嘩が絶えなくなったり、ペットがストレスの根源だったような時もたくさんありました。でも「どうしてそんな行動をするのか」を必死で考え、愛猫の反応をみながらいろいろな解決法にチャレンジすることで、それまで見えていなかった愛猫の本当の性格や気持ちがわかるようになり、さらに愛しさが深まったような気がしています。

初めて動物と暮らす人は、ぜひこの本を読んでほしいし、できるならば小学校の授業の副読本として採用し、子供たちに命の等しい重さを教えて欲しい。そして、動物病院の方々に重い命の選択をさせざるえ得ない今の状況を変えていきたい。そう感じた本でした。

文・桑原恵美子

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